社交不安障害とは、人前で話す・注目される・評価されるといった場面で強い不安や恐怖が生じ、その場面を避けたり強い苦痛に耐えたりすることで、仕事や学業、日常生活に支障が出ている状態です。単に「緊張しやすい性格」や「あがり症」とは区別され、精神療法や薬物療法の対象になりうる医学的な不調と位置づけられています。「自分は昔からこういう性格だから、どうにもならない」と諦めていませんか。長いあいだひとりで我慢してきた人ほど、性格の問題として片づけてしまいがちです。しかし、生活に支障が出ているなら、それは相談してよい状態です。

この記事では、次のことがわかります。

  • 社交不安障害と「社会不安障害」「対人恐怖症」など、呼び方が複数ある理由
  • あがり症・内向的な性格との医学的な線引き(強さ・回避・支障・期間)
  • 苦手になりやすい場面と、体に現れる症状
  • 不安が続く悪循環のしくみと、併存しやすい状態
  • 認知行動療法・薬物療法を中心とした治し方と、期間の目安
  • 職場や学校でできる工夫の限界と、受診・相談の目安

この記事の監修

星野 奈生子(精神科医)

社交不安障害とは?人前の場面で強い不安が続く状態

社交不安障害とは、他者から注目される可能性のある場面で著しい不安・恐怖が生じ、その場面を回避するか、強い苦痛を感じながら耐えている状態を指します。恐れの中心にあるのは「恥をかくのではないか」「変に思われるのではないか」という否定的な評価への不安とされています。米国精神医学会の診断基準DSM-5にも、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類ICDにも収載された、正式な医学的診断名です。

「社会不安障害」「社交不安症」——呼び方が複数ある理由

「社交不安障害」と「社会不安障害」は、いずれも英語の social anxiety disorder の訳語で、同じ状態を指しています。かつては「社会不安障害」という訳が広く使われていましたが、「社会生活全般が苦手」という誤解を招きやすいことから、対人的なやりとりの場面を指す「社交」という語が用いられるようになりました。近年は日本精神神経学会による病名の日本語訳の整理を受けて、「社交不安症」という呼び方も広がっています。呼び方は違っても、指している状態と治療の考え方は同じです。検索や書籍で複数の名称に出会っても、別の病気だと考える必要はありません。

日本で知られる「対人恐怖症」との関係

日本には古くから「対人恐怖症」という概念があり、その多くは社交不安障害と重なるとされています。特徴的なのは、「自分が恥をかく」ことよりも「自分の視線・表情・においなどが相手を不快にさせてしまう」と感じるタイプの悩みが含まれる点です。こうした訴えは日本や東アジアで報告が多く、国際的な診断分類でも文化に関連した形として言及されています。自分の苦しさが典型的な説明と少し違っても、相談の対象から外れるわけではありません。

どのくらいの人にみられる?発症しやすい年代

社交不安障害は、不安症のなかでも頻度の高いものの一つとされています。ただし、報告される割合は調査方法や国によって幅があり、一つの数字で語れるものではありません。発症時期については、10代半ばの思春期に始まることが多いと報告されています。学校生活のなかで「発表が苦手」「人と話すのが怖い」という形で現れるため、周囲からは性格の一部として受け止められやすく、本人も不調と結びつけにくいのが実情です。

受診までに時間がかかりやすい理由

社交不安障害は、症状が始まってから医療機関に相談するまでの期間が長くなりやすいことが知られています。理由はいくつか考えられています。第一に、「性格だから仕方ない」と本人も周囲も考えてしまうこと。第二に、人と話すこと自体が苦手なため、医療機関に問い合わせる・待合室で待つといった行為そのものがハードルになること。第三に、苦手な場面を避けることで日常が何とか回ってしまい、問題が見えにくくなることです。長く我慢してきたこと自体は、あなたの努力の証でもあります。ただ、我慢を続けても不安が小さくなるとは限らない点は知っておいてください。

あがり症・性格の問題との違い

「緊張しやすい」「人見知り」「あがり症」は日常語であり、医学的な診断名ではありません。人前で緊張すること自体は誰にでもある自然な反応で、それだけでは病気とはいえません。では、どこから相談の対象になるのでしょうか。医学的には「不安の強さ」だけでなく、回避行動の有無・生活への支障・持続期間を合わせて判断されます。

比較の観点あがり症・内向的な性格社交不安障害
不安の強さ緊張はするが、その場をこなせる程度恐怖に近く、実際の状況と釣り合わないほど強い
回避行動苦手でも必要なら参加できる断る・欠席する・転職や進路を変えるなど、避ける行動が生活を規定する
予期不安直前に少し緊張する数日〜数週間前から考え続け、その間も苦しい
体の症状軽い動悸・手のひらの汗など動悸・震え・発汗・赤面などが強く、そのこと自体が新たな不安になる
生活への支障支障はほとんどない仕事・学業・対人関係のいずれかに明らかな支障が出ている
持続期間場面や時期によって変わる典型的には6ヶ月以上続くとされる
医療の位置づけ治療の対象とは限らない精神療法・薬物療法の対象になりうる

「性格だから治らない」と考えなくてよい理由

社交不安障害でつらい思いをしている人の多くが、「これは性格で、変えられないもの」と受け止めています。しかし、診断基準で重視されているのは性格の傾向ではなく、不安によって行動が制限され、生活に支障が出ているかどうかです。そして、その行動の制限は、治療の対象になりうる部分だと考えられています。実際、社交不安障害に対しては認知行動療法などの精神療法が有効性の高い治療として位置づけられており、必要に応じて薬物療法が併用されます。性格そのものを別人のように変える必要はありません。目指すのは、「苦手だけれど、避けずに済む」状態です。

それでも自分では判断が難しいものです

ここまでの違いを読んでも、「自分はどちらなのか分からない」と感じた方が多いかもしれません。それは自然なことです。自分の緊張が「普通の範囲」かどうかは、他人の内側と比べられない以上、判断が難しいためです。目安として役立つのは、避けた経験の積み重ねです。飲み会を断り続けている、電話を人に代わってもらっている、発表のある部署を避けて仕事を選んだ——そうした選択が重なっているなら、不安が生活を動かしている可能性があります。判断に迷う段階でも、相談してかまいません。

社交不安障害の症状 — 苦手な場面と体に出るサイン

症状は「どんな場面でつらくなるか」と「そのとき体に何が起きるか」の二つに分けて整理すると分かりやすくなります。どの場面が苦手かは人によって大きく異なり、すべての場面が苦手とは限りません。

苦手になりやすい場面と、浮かびやすい考え

場面よくある状況頭に浮かびやすい考え
人前で話す会議での発言、プレゼン、朝礼、授業の発表「頭が真っ白になる」「声が震えたら笑われる」
電話オフィスでの電話応対、相手の前でかける電話「聞かれている」「うまく話せず迷惑をかける」
会食・飲み会食事、乾杯の挨拶、大人数の集まり「手が震えてグラスを持てない」「沈黙が怖い」
視線電車内、エレベーター、人と目が合う場面「見られている」「自分の視線が相手を不快にさせる」
書字窓口での記入、人前でのサイン、板書「字を書く手が震えるのを見られる」
雑談・立ち話休憩時間、初対面のあいさつ、エレベーター内「何を話せばいいか分からない」「間が持たない」
権威のある相手上司との面談、面接、教員や取引先とのやりとり「評価される」「失礼だと思われる」

体に現れる症状と、それが新たな不安になる悪循環

社交不安障害では、不安に伴う身体症状が目立ちやすく、しかも「その症状を見られること」自体が次の不安になるという特徴があります。

身体症状現れ方の例生じやすい二次的な不安
動悸心臓が速く強く打つ「息が上がって変に思われる」
発汗手のひら・額・脇の汗「汗が目立つのを見られたくない」
震え手や足、書字時の手指の震え「字を書けない」「コップを持てない」
赤面顔や首が熱くなり赤くなる「緊張がばれてしまう」
声の震え・かすれ話し始めに声が出にくい「発言を求められたくない」
口の渇き・吐き気・腹痛会食前や移動中に強くなる「途中で席を立てない場面が怖い」
めまい・現実感の乏しさふわふわする、頭が真っ白になる「倒れたらどうしよう」

これらは危険な反応ではなく、緊張時に働く自律神経の反応とされています。ただし本人にとっては強い苦痛であり、「見られたくない」という思いから、さらに場面を避けるようになります。

回避と予期不安 — 不安が続くしくみ

苦手な場面を避けると、その瞬間は楽になります。しかし、避けたことで「あの場面は危険だ」という感覚が強まり、次に同じ場面が来たときの不安はむしろ大きくなりやすいと考えられています。さらに、実際の場面の何日も前から「どうしよう」と考え続ける予期不安が加わり、当日までの時間も苦しくなります。この「回避 → 一時的な安堵 → 不安の増強」という循環が、社交不安障害が自然には和らぎにくい理由の一つとされています。治療の多くは、この循環に働きかける形で組み立てられます。

発表など特定の場面だけがつらいタイプもあります

DSM-5では、人前でのパフォーマンス(発表・演奏・スピーチなど)の場面に限って強い不安が生じるタイプが、特定の型として区別されています。日常の雑談や食事は問題ないのに、プレゼンだけは前日から眠れない、というケースです。仕事の内容によっては支障が大きく、本人にとっては深刻な問題になります。「日常会話は普通にできるから自分は違う」と考えて相談をためらう必要はありません。

原因と、併存しやすい状態

社交不安障害の原因は一つに特定できるものではなく、複数の要因が組み合わさって生じると考えられています。「育て方が悪かった」「本人の努力が足りない」といった単純な説明は、現在の医学では支持されていません。

気質・環境・経験の組み合わせ

関与すると考えられている要因には、次のようなものがあります。

  • 生まれ持った気質: 新しい場面や見知らぬ人に対して慎重になりやすい傾向
  • 家族内での傾向: 不安症の傾向が家族にみられることがあると報告されている
  • 経験: いじめ、からかわれた経験、人前での強い失敗体験など
  • 環境: 評価にさらされる場面が多い、相談できる相手が少ない状況
  • 心身のコンディション: 睡眠不足、過労、体調不良が続いている時期

これらが重なった結果として発症すると考えられており、どれか一つを取り出して原因と決めつけることはできません。

併存しやすい状態 — うつ病・他の不安症・飲酒の問題

社交不安障害は、他の精神的な不調を伴うことが少なくありません。特に、長く続いた回避によって行動範囲が狭まり、二次的にうつ状態に至るケースが知られています。気分の落ち込みが強い場合は、うつ病セルフチェックで状態を整理してみるのも一つの方法です。また、突然の激しい動悸や息苦しさが繰り返し起こる場合は、パニック症との区別が必要になることもあります。

もう一つ注意したいのが飲酒です。「お酒を飲めば人と話せる」という体験から、緊張する場面の前に飲酒を重ねるようになり、アルコールの問題につながることがあると指摘されています。一時的に不安が下がっても、それは回避行動の一種であり、根本的な負担は減りません。飲む量が増えている自覚があるなら、そのことも医師に伝えてください。

診断の流れと、受診・相談の目安

社交不安障害の診断は、血液検査や画像検査ではなく、医師による問診を中心に行われます。症状の内容、始まった時期、どの場面でどの程度つらいか、生活にどう影響しているかを確認しながら、他の疾患の可能性も含めて総合的に判断されます。

診察では何を聞かれる?

初診では、「どんな場面が苦手か」「その場面をどのくらい避けているか」「体にどんな症状が出るか」「いつ頃から続いているか」「仕事や学業にどんな支障が出ているか」といったことが尋ねられるのが一般的です。うまく話せる自信がなくても心配はいりません。話すこと自体が苦手なのは症状の一部であり、医師もそれを前提に診察します。事前に、避けている場面を箇条書きにしたメモを用意しておくと、口頭で説明する負担を減らせます。

セルフチェックは「受診の目安」として使う

「病院に行くほどなのか分からない」という段階では、セルフチェックで自分の状態を客観視する方法があります。症状別のセルフチェック一覧では、気になる項目から状態の目安を確認できます。動悸や息苦しさの発作が中心である場合は、パニック障害セルフチェックも参考になります。ただし、セルフチェックはあくまで受診を検討するための目安です。診断は、オンラインでも対面でも、医師の診察によって行われます。結果が軽く出ても、生活に支障を感じているなら相談してかまいません。

こんなときは相談を検討するタイミングです

  • 人前での場面を思うと、数日前から眠れない・食欲が落ちる
  • 会議での発言、電話、会食などを、実際に断ったり避けたりしている
  • 進学・就職・異動の選択を、不安を理由に狭めている
  • 緊張をやわらげるために飲酒する回数が増えている
  • 気分の落ち込みが続き、以前は楽しめたことにも関心が向かない
  • 「消えてしまいたい」と感じる瞬間がある

特に、死にたい気持ちが強いとき、自分を傷つけたくなったときは、ひとりで抱えずすぐに相談してください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)や、#いのちSOS(0120-061-338)などの公的な相談窓口が利用できます。緊急のときは、119番や救急外来という選択肢もあります。

社交不安障害の治し方 — 精神療法と薬物療法

治療の柱は、精神療法(とくに認知行動療法)と薬物療法です。どちらか一方に限る必要はなく、症状の強さや生活への影響、本人の希望をふまえて組み立てられます。

治療法内容位置づけ
認知行動療法不安を生む考え方の癖を整理し、避けている場面に段階的に取り組む社交不安障害に対する中心的な精神療法とされる
段階的な曝露不安の弱い場面から順に、避けずに経験を重ねる練習認知行動療法の中核。回避の循環に直接働きかける
薬物療法抗うつ薬(SSRI等)などにより不安の強さを和らげる症状が強い時期や、精神療法を進めやすくする目的で用いられる
環境調整業務内容や役割の一時的な調整、負荷の見直し回復に集中できる状況をつくる補助的な手段
生活習慣の調整睡眠・カフェイン・飲酒の見直し不安を強めやすい要因を減らす土台づくり

認知行動療法と、段階的な曝露

認知行動療法では、まず「その場面で自分は何を恐れているのか」を具体的に言語化します。多くの場合、「声が震える」「変に思われる」といった予測が浮かんでいますが、実際に起きたことと照らし合わせると、予測ほどの事態は起きていないことが少なくありません。そのうえで、不安の弱い場面から順に、避けずに経験を積む練習(曝露)を進めます。いきなり大人数の前で話すのではなく、「同僚に一言質問する」「少人数の会議で一度だけ発言する」といった段階から始めるのが一般的です。この過程は医師や心理職と一緒に計画を立てて進めます。

薬物療法についての一般論

症状が強く日常生活が立ち行かない場合や、精神療法に取り組む前段階として、薬物療法が検討されることがあります。一般に、不安症に対しては抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などが用いられることがあるとされています。効果の現れ方や副作用の出方には個人差があり、どの薬をどう使うかは診察のうえで判断されます。飲み始めてしばらくは変化を感じにくいこともあるため、自己判断で中断せず、気になる変化があれば医師に相談してください。この記事では特定の薬の効果を保証するものではありません。

回復までの期間の目安

経過には大きな個人差があります。一般に、認知行動療法は数ヶ月単位で段階的に進めるものとされ、薬物療法も効果の判断には一定の期間を要すると考えられています。長く続いてきた回避のパターンは、短期間で一気に変わるものではありません。焦って大きな場面に挑戦し、うまくいかずに自信を失うより、小さな成功を積み重ねるほうが結果的に近道になると考えられています。「今週は電話を一本かけられた」で十分な前進です。

職場・学校でできる工夫と、その限界

治療と並行して、日々の場面での負担を軽くする工夫もあります。ただし、工夫はあくまで補助であり、それだけで解決を目指すものではない点も押さえておいてください。

1. 準備の範囲を決める: 発言する内容の要点を3つだけメモする。全文を暗記しようとすると、少しの逸脱で崩れやすくなります

2. 呼吸をゆっくりにする: 息を吸う時間より吐く時間を長くとると、動悸や震えが落ち着くことがあります。数分間、静かな場所で試すのが現実的です

3. 注意の向け先を変える: 「自分がどう見えているか」ではなく「相手が何を言っているか」に注意を向ける練習をする

4. 場面を細かく分ける: 「会議で発言する」を「会議で相づちを打つ」「一度だけ質問する」に分解し、達成できる単位にする

5. 結果を記録する: 実際に何が起きたかを短くメモする。予測より穏やかだった経験が積み上がると、次の場面の負担が下がりやすくなります

6. 相談先を決めておく: 上司・人事・学校の相談窓口など、配慮を求められる先を事前に把握しておく

「安全行動」には注意が必要です

不安をやわらげるために取る細かな行動——原稿を丸暗記する、目を合わせない、手を隠す、飲み物を先に飲む、といった行動は「安全行動」と呼ばれます。その場では楽になりますが、「これをやったから何とかなった」という受け止めにつながり、不安が下がりにくくなることがあると指摘されています。工夫を試すときは、それが回避の言い換えになっていないかを、治療者と一緒に確認していくと進めやすくなります。

「場数を踏めば慣れる」は半分だけ正しい

「経験を積めば慣れる」という助言はよく聞かれます。実際、段階的な曝露は治療の中心であり、経験を重ねること自体は理にかなっています。ただし条件があります。安全行動に頼りきったまま場数だけを重ねても、不安が下がりにくいことがあるとされています。また、いきなり最も苦手な場面に挑んで強い失敗体験を重ねると、かえって回避が強まることもあります。順番と負荷の設計が重要で、そこは専門家と一緒に組み立てる価値のある部分です。

工夫だけでは足りないサイン

次のような状態なら、工夫の段階を超えていると考えられます。仕事や学業を続けるための選択肢が不安によって狭まっている、体の症状が強く出勤前に吐いてしまう、眠れない日が続いている、飲酒量が増えている、気分の落ち込みが重なっている——こうした場合は、早めに医療機関へ相談することが勧められます。

受診のハードルが高いときの選択肢

社交不安障害は、その性質上、「受診という行為そのもの」が苦手な場面に該当しやすいという事情があります。予約の電話をかける、待合室で他の患者と同席する、受付で症状を説明する——どれも不安の強い場面になりえます。これは怠けではなく、症状の一部です。

受診の形特徴向いている状況
対面での通院診察室で直接話せる。必要な検査や身体診察も同じ場で受けられる体の症状の評価も同時に受けたい、対面のほうが話しやすい
オンライン診療自宅など落ち着ける場所から受診できる。移動と待合の負担がない通院時間が取りにくい、外出や待合の場面がつらい
公的な相談窓口医療機関の前段階として、匿名で相談できる受診を決めきれない、まず話を聞いてほしい

オンライン診療でできること・注意したいこと

オンライン診療では、スマートフォンやパソコンを使い、自宅から医師の診察を受けられます。待合室で人と同席する必要がないため、視線や雑談の場面が苦手な人にとっては負担が小さい形といえます。一方で、症状や経過によっては対面での診察や検査が必要と判断される場合があり、そのときは対面受診を案内されます。診断がオンラインでも医師の診察によって行われる点は、対面と変わりません。

オンライン心療内科・精神科のメントアは、保険適用のオンライン診療に対応しており、18時〜24時・365日、当日予約可です。診断書最短即日発行、お薬最短即日発送で、予約から診察までLINEで完結します。仕事や学業を続けながら、夜の時間帯に相談したい方にとって使いやすい形のひとつです。

通院の費用と、負担を軽くする制度

継続的な通院が必要になった場合に備えて、費用の目安と使える制度を知っておくと動きやすくなります。

制度内容主な窓口
健康保険診察・処方が保険診療の対象となり、自己負担は原則3割加入している健康保険
自立支援医療(精神通院医療)継続的な通院医療費の自己負担が原則3割から1割に軽減される市区町村の担当窓口
精神保健福祉センター等の相談医療機関受診前の相談に無料で応じている各都道府県・政令市の精神保健福祉センター

自立支援医療には申請の手続きと要件があるため、対象になるかどうかは主治医や市区町村の窓口で確認してください。

よくある質問

社交不安障害と「あがり症」はどう違いますか?

あがり症は日常語で、医学的な診断名ではありません。人前で緊張すること自体は自然な反応です。違いは、不安の強さに加えて、苦手な場面を避ける行動があるか、生活や仕事に支障が出ているか、その状態が長く(典型的には6ヶ月以上)続いているかにあるとされています。避ける行動が積み重なっているなら、相談を検討する目安になります。

「社会不安障害」と「社交不安障害」は違う病気ですか?

同じ状態を指す呼び方の違いです。どちらも英語の social anxiety disorder の訳語で、以前は「社会不安障害」が広く使われていました。現在は「社交不安症」「社交不安障害」という呼び方が用いられています。名称が変わっても、症状の内容や治療の考え方は変わりません。

性格だから治らないのではないですか?

性格そのものを別人のように変えることが治療の目的ではありません。目指すのは、不安によって行動が制限されている状態をゆるめ、避けずに済む場面を増やすことです。社交不安障害に対しては認知行動療法などの精神療法が中心的な治療として位置づけられており、必要に応じて薬物療法が併用されます。長く続いた状態でも、相談の対象になります。

何科を受診すればよいですか?

心療内科または精神科が専門です。動悸や震え、腹痛など体の症状が中心の場合、まず内科を受診する方も多くいます。検査で異常が見つからず、特定の場面で症状が強くなるようであれば、心療内科・精神科への相談が検討されます。通院の時間が取りにくい場合や、待合室が苦手な場合は、オンライン診療も選択肢のひとつです。

大人になってから発症することはありますか?

多くは思春期に始まるとされていますが、就職や昇進、配置転換など、人前で話す機会が急に増えた時期に症状がはっきりする場合もあります。また、以前から苦手だったものの、避けることで何とかなっていた人が、環境の変化で避けられなくなり受診に至るケースもあります。年齢を理由に相談をためらう必要はありません。

薬を使わずに治すことはできますか?

治療方針は症状の強さや生活への影響によって異なります。認知行動療法などの精神療法が中心的な治療として位置づけられており、精神療法を主体に進める場合もあります。一方で、症状が強く日常生活が立ち行かないときには、薬物療法を組み合わせる判断がなされることもあります。希望や不安は率直に医師へ伝えてください。方針は一緒に決めていくものです。

緊張する場面の前にお酒を飲むのは良くないですか?

飲酒で一時的に緊張がやわらぐ感覚があっても、それは回避行動の一種であり、根本的な負担は減らないとされています。むしろ、緊張場面のたびに飲酒を重ねることでアルコールの問題につながる可能性が指摘されています。飲む量や回数が増えている自覚があるなら、その点も含めて医師に相談することが勧められます。

人前に出る仕事は辞めたほうがよいですか?

症状が強い時期は判断力が普段より低下していることがあるため、退職や進路変更といった大きな決断は、状態が落ち着いてから検討することが一般的に勧められます。まずは業務量や役割の一時的な調整を相談し、治療と並行して様子をみる方法があります。選択肢を狭める前に、使える調整や制度を確認しておくと判断しやすくなります。

子どもや学生でも受診できますか?

年齢にかかわらず相談できます。学校での発表や音読を強く避ける、登校を渋る、特定の場面でだけ話せないといった形で現れることがあります。対応できる年齢の範囲は医療機関によって異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。学校のスクールカウンセラーや、地域の精神保健福祉センターへの相談も入口になります。

まとめ

  • 社交不安障害(社会不安障害・社交不安症)は同じ状態を指す呼び方の違いで、注目される場面に強い不安が生じ、生活に支障が出ている状態です
  • あがり症や性格との線引きは、不安の強さだけでなく、回避行動・生活への支障・持続期間(典型的には6ヶ月以上)で判断されます
  • 症状は場面ごとに異なり、動悸・発汗・震え・赤面・声の震えなどが「見られること」への不安を強める悪循環が起こりやすいとされています
  • 治療の中心は認知行動療法と段階的な曝露で、症状に応じて薬物療法が併用されます
  • 受診という行為自体がハードルになりやすい状態のため、オンライン診療や公的な相談窓口も入口になります

長く「性格の問題」として抱えてきた方ほど、相談してよい状態だと気づきにくいものです。避けてきた場面が積み重なっているなら、それは我慢の量が多かったということでもあります。今日できる小さな一歩から始めてみてください。

出典・参考文献

つらい症状が続くときは、ひとりで抱え込まずご相談ください。メントアは保険適用のオンライン心療内科・精神科です(18時〜24時・365日、当日予約可)。

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FAQ

心療内科・精神科に関する
よくある質問

仕事帰りでも受診できますか?夜間診療の有無を知りたいです。

クリニックによっては、お仕事をお持ちの方でも通いやすいよう夜間外来を設けている場合があります。当日の最終受付時間や診療曜日は、各院の案内をご確認ください。

今日すぐに診てもらいたいのですが、当日でも受診できますか?

多くのメンタルクリニックは予約制ですが、症状の急変など緊急を要する場合は、当日枠で対応可能なケースもあります。まずは電話やWebサイト等で現在の空き状況を問い合わせるのが確実です。

女性の先生に診察をお願いすることは可能でしょうか?

はい、女性医師が在籍しているクリニックでは、指名や担当日の選択が可能です。公式ホームページの医師紹介欄を確認するか、予約時に「女医を希望」と伝えておくとスムーズです。

漢方薬による治療は受けられますか?

西洋薬だけでなく、体質や症状に合わせた漢方薬を処方しているクリニックも多くあります。「なるべく自然な薬を使いたい」などのご希望があれば、診察時に医師へご相談ください。

診察にかかる費用が気になります。保険は使えますか?

基本的に健康保険が適用されるため、自己負担3割程度で受診いただけます。初診料や処方箋の有無で前後しますが、一般的な目安として数千円程度(4,000円〜6,000円前後)を見ておくと安心です。

診断書を書いてもらうことはできますか?

基本的には、医師が必要と判断した場合、職場や学校に提出するための診断書を発行してくれます。予約時や診察中に「診断書希望」と伝えておくとスムーズです。

初めての受診で、うまく話せるか不安です。準備は必要ですか?

全てを完璧に話そうとしなくても大丈夫です。「いつから」「どのような症状で困っているか」を簡単で良いのでメモしてお持ちいただくと、伝え漏れがなくなり、診察がよりスムーズに進むでしょう。

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