醜形恐怖症(正式には身体醜形症)とは、実際にはないか、他の人にはほとんど気づかれない程度の外見の特徴を強く気にし続け、そのとらわれによって強い苦痛が生じたり、生活に支障が出たりしている状態です。鏡で何度も確認する、人と自分を見比べる、隠すために時間をかけるといった行動を繰り返す点が特徴で、DSM-5では強迫症および関連症群に分類されています。「気にしすぎだよと言われるけれど、本当につらい」と感じていませんか。これは見た目にこだわる性格の問題でも、わがままでもなく、治療の対象になる医学的な状態です。あなたが弱いから起きているのではありません。
この記事では、次のことがわかります。
- 醜形恐怖症(身体醜形症)の定義と、「気にしすぎ」との違い
- 心と行動に現れる主な症状、気になりやすい部位
- 強迫症との関係と、社交不安症・摂食障害など似た状態との見分け方
- セルフチェック(診断テスト)の目安と、その正しい使い方
- 美容医療との関係をどう考えればよいか
- 認知行動療法・薬物療法を中心とした治療と、受診・相談の目安
この記事の監修
星野 奈生子(精神科医)
醜形恐怖症(身体醜形症)とは?外見へのとらわれで苦痛が続く状態
醜形恐怖症とは、自分の外見の一部に欠点があると強く思い込み、その考えから離れられなくなる状態です。周囲から見るとささいなことであったり、そもそも他の人には気づかれない特徴であったりしても、本人にとっては一日の大半を占めるほどの深刻な悩みになります。MSDマニュアル家庭版では、この状態は「実際には存在しない、またはささいな外見上の欠点にとらわれることで、多大な苦痛や日常生活の支障が生じるもの」と説明されています。
「気にしすぎ」との違いは、時間・苦痛・支障の3つ
外見が気になること自体は、多くの人が経験する自然な感覚です。医学的な状態として扱われるのは、次の3つがそろっているときとされています。
1. 時間: 気になる部分について考えたり、確認したりする時間が長く、一日に何時間にもなることがある
2. 苦痛: そのとらわれによって強い苦しさ・恥ずかしさ・落ち込みを感じている
3. 支障: 学校や仕事、人付き合い、外出など、生活のどこかに支障が出ている
つまり、違いは「気にする度合いの強さ」ではなく、「生活がその悩みに侵食されているかどうか」です。周囲から「そんなに変じゃないよ」と言われても納得できず、かえって孤立を深めてしまうことも少なくありません。
「醜形恐怖症」と「身体醜形症」——呼び方の整理
同じ状態を指す言葉がいくつかあり、混乱しやすいところです。「醜形恐怖症」は一般に広く使われている呼び方、「身体醜形症」は近年の医学用語で用いられる表記、「身体醜形障害」は従来の翻訳で、いずれも同じ状態を指します。日本精神神経学会は、精神科関連の学会と連携して精神疾患の病名・用語の日本語訳を整理するガイドラインを公表しており、近年は「〜障害」を「〜症」と表記する流れがあります。この記事では、検索されやすい「醜形恐怖症」と、医学用語である「身体醜形症」を併記します。
なお、「体型醜形恐怖症」「Zoom醜形恐怖症」といった言葉も使われますが、これらは正式な診断名ではないとされています。
どのくらいの人にみられる?いつ頃から始まる?
MSDマニュアル家庭版によると、一般の人のうちおよそ2〜5%がこの状態にあると報告されています。決してまれなものではなく、静かに悩んでいる人が身近にいてもおかしくない数字です。発症は多くが青年期で、男性より女性にやや多いとされています。一方で、恥ずかしさから誰にも打ち明けられず、何年も診断されないまま過ごす人が多いことも指摘されています。
醜形恐怖症の主な症状 — とらわれと、繰り返してしまう行動
症状は大きく、頭から離れない「とらわれ(強迫観念に近い考え)」と、その不安を打ち消すために繰り返す「行動」、そしてその結果生じる「生活への影響」の3つに整理できます。
| 領域 | 主な内容の例 |
|---|---|
| とらわれ (考え) |
特定の部位が醜い・変形していると感じる、人からじろじろ見られている・笑われていると感じる、その考えが頭から離れない |
| 繰り返す行動 | 鏡で何度も確認する(または一切見ない)、過度な身づくろい、他人と見比べる、家族に「変じゃない?」と何度も尋ねる、写真の加工、隠すための着替え |
| 生活への影響 | 外出や人前に出る場面を避ける、遅刻・欠席が増える、人付き合いが減る |
気になりやすいのは顔まわりが多いとされます
悩みの対象は体のどの部位にもなりえますが、最も多いのは顔や頭に関するものとされています。MSDマニュアル家庭版では、薄毛、にきび、しわ、傷あと、肌の色、顔や体の毛の多さなどが例として挙げられています。鼻・目・耳・口・胸・脚などの形や大きさが中心になることもあります。悩む部位が時期によって移り変わることも珍しくありません。「気になる場所が変わるのだから思い過ごしでは」と考える人もいますが、部位が移ること自体はこの状態でよくみられる経過とされています。
鏡・確認・比較——やめたくてもやめられない行動
とらわれによって生じた不安を打ち消すため、次のような行動を繰り返すことが特徴です。本人も「やりすぎだ」とわかっていながら、やめると不安が強くなるためにやめられません。
| よくある行動 | 背景にある気持ち | 繰り返すとどうなるとされるか |
|---|---|---|
| 鏡・スマートフォンの画面で何度も確認する | 「今どう見えているか」を確かめて落ち着きたい | 一時的に不安は下がるが、確認しないと不安になる循環が強まる |
| 一切鏡を見ない・写真を避ける | 見て確かめるのが怖い | 現実の見え方とのずれが修正されにくくなる |
| 髪型やメイク、服装に長時間かける | 欠点を隠したい | 準備に時間がかかり、遅刻や外出の断念につながる |
| 家族や恋人に「おかしくない?」と繰り返し尋ねる | 大丈夫だと保証してほしい | その場は落ち着いても長続きせず、周囲も疲れてしまう |
| 他人の顔や体と自分を見比べる | 自分の位置を確かめたい | 比較のたびに落ち込み、とらわれが強まりやすい |
| 肌をいじる・気になる部分を触り続ける | 欠点を取り除きたい | 皮膚を傷つけてしまい、悩みがさらに増えることがある |
こうした行動はその場の不安を下げるため短期的には有効に感じられますが、長い目で見ると「確認しないと確かめられない」状態を強めてしまうと考えられています。意志の強さで我慢するのではなく、進め方を知っている専門家と一緒に減らしていく方法がとられます。
人前を避けるようになり、生活が狭くなることも
外見への強い自意識から、仕事・学校・友人との集まりなど、人前に出る場面を避けるようになることがあります。重い場合には、外出が夜間に限られたり、ほとんど外出しなくなったりすることもあるとされています。その結果、社会的な孤立が進み、気分の落ち込みが重なることも少なくありません。身体醜形症のある人には、うつ病・社交不安症・強迫症などが同時にみられることが多いと報告されています。「外に出られないのは怠けているからだ」と自分を責める必要はありません。
筋肉や体格へのとらわれ(筋肉醜形恐怖症)
「自分の体には十分な筋肉がついていない」という思い込みが中心になるタイプは、筋肉醜形恐怖症と呼ばれます。標準以上の体格であっても、強迫的に体重や筋肉を増やそうとし、トレーニングや食事の管理に生活が支配されていくことがあります。体を大きくするための薬物の使用が健康上の危険につながることも指摘されています。周囲からは「熱心に鍛えているだけ」に見えるため、悩みが表面化しにくい形のひとつです。
強迫症との関係 — DSM-5での位置づけと、似ている状態との違い
醜形恐怖症(身体醜形症)は、米国精神医学会の診断基準DSM-5において、強迫症(強迫性障害)と同じ「強迫症および関連症群」に分類されています。外見の悩みという見た目のテーマを持ちながら、その中身は強迫症と近い構造をしていると理解されています。
共通するのは「とらわれ」と「打ち消すための行動」
強迫症では、頭から離れない考え(強迫観念)と、それによる不安を打ち消すための行為(強迫行為)が中心になります。国立精神・神経医療研究センターのこころの情報サイトでは、強迫観念は「不合理だとわかっていても追い払えない考え」、強迫行為は「やりすぎ・無意味とわかっていてもやめられない行為」と説明されています。醜形恐怖症では、とらわれの中身が「自分の外見」になり、打ち消すための行為が「鏡の確認」「身づくろい」「保証を求めること」になります。
| 項目 | 醜形恐怖症 (身体醜形症) |
強迫症 (強迫性障害) |
|---|---|---|
| とらわれの中身 | 自分の外見の特定の部位 | 汚れ・加害・戸締まり・数字・対称性など幅広い |
| 繰り返す行動 | 鏡の確認、身づくろい、比較、保証を求める | 手洗い、確認、儀式的な手順の反復 |
| 本人の自覚 | 「実際に欠点がある」と確信していることが多い | 「不合理だ」と自覚していることが比較的多い |
| 治療の柱 | 認知行動療法と薬物療法 | 認知行動療法(曝露反応妨害法)と薬物療法 |
大きな違いとして、醜形恐怖症では「自分の見た目には本当に問題がある」と強く確信している場合が多い点が挙げられます。そのため本人は心の問題だと思わず、美容や皮膚科の領域に相談することが多くなります。これは欠点ではなく、この状態の特徴のひとつとして知られています。
社交不安症・摂食障害などとの違い
外見や人目に関する悩みは、ほかの状態でもみられます。自己判断で決めつけず、違いを知っておくと相談がしやすくなります。
| 状態 | 悩みの中心 | 見分けの手がかり |
|---|---|---|
| 醜形恐怖症 (身体醜形症) |
自分の外見の特定の部位に欠点がある | 部位そのもののとらわれが中心で、鏡の確認などを繰り返す |
| 社交不安症 | 人前で失敗する・恥をかくこと | 外見よりも「他人の評価」全般への不安が中心 |
| 摂食障害 | 体型・体重と食行動 | 悩みが体型と体重に限られ、食事や排出の行動に問題がある |
| 強迫症 | 汚れ・加害・確認など多様なテーマ | とらわれの対象が外見に限られない |
| うつ病 | 気分の落ち込み・興味の低下 | 外見の悩みが目立つ場合でも、気分の症状が全体を覆っている |
複数が重なっていることもよくあり、どれに当てはまるかを自分で確定させる必要はありません。「何に一番時間を奪われているか」を医師に伝えれば、整理は診察の中で進んでいきます。
醜形恐怖症のセルフチェック(診断テスト)の目安
「これは病気なのか、ただの気にしすぎなのか」を確かめたい方のために、受診を検討する際の目安を挙げます。DSM-5で示されている考え方をもとにした一般的な内容です。次の項目に、ここ数か月の自分を思い浮かべながら目を通してみてください。
- 他の人からは「気づかない」「気にならない」と言われる外見の特徴が、どうしても気になる
- その部位について考えている時間が、一日で合計1時間以上になる
- 鏡やスマートフォンの画面で、何度も見え方を確認してしまう
- 逆に、鏡や写真を見るのが怖くて避けている
- 家族や友人に「変じゃない?」と繰り返し確かめたくなる
- 他人の顔や体と自分を見比べてしまい、そのたびに落ち込む
- 外見を隠すために、髪型・服装・メイク・角度などを長時間工夫している
- 人に会う予定を断ったり、外出を避けたりすることがある
- 学校・仕事・家事など、生活のどこかに支障が出ている
- 外見の悩みのせいで、強い恥ずかしさや自己嫌悪を感じ続けている
結果の見方 — チェックは診断ではありません
当てはまる項目が多いほど、専門家に相談する価値がある状態だと考えられます。ただし、これは受診を検討するための目安であり、診断ではありません。診断は、オンラインでも対面でも、医師が診察のうえで行います。当てはまる数が少なくても、その悩みで生活が苦しいのであれば相談してかまいません。「あなたが困っているかどうか」が受診の理由になります。
自分の状態を整理してみたい方は、症状別のセルフチェック一覧も活用できます。醜形恐怖症は強迫症と近い関係にある状態のため、強迫性障害セルフチェックの項目が、とらわれと繰り返し行動のパターンを振り返る手がかりになることもあります。いずれも診断ではなく、受診の目安として使ってください。
受診時に伝えるとよいこと
うまく話せる自信がなくても、次の3点をメモにして持っていけば診察は進みます。医師は外見の良し悪しを判定するのではなく、その悩みがどれだけ生活を圧迫しているかを見ています。
1. 気になっている部位と、いつ頃から気になり始めたか
2. その部位について考えたり確認したりしている、おおよその時間
3. そのせいで避けていること・できなくなっていること
原因と背景 — なぜ起こると考えられているか
はっきりした単一の原因は特定されていません。脳内の情報処理の特性、遺伝的な要因、生育歴や経験、ストレスなど、複数の要因が重なって生じると考えられています。こころの情報サイトでも、強迫症の発症には性格・生育歴・ストレスなど多様な要因が関係すると説明されています。
発症しやすい時期は思春期から青年期
多くは青年期に始まるとされています。この時期は体つきが大きく変化し、他人からどう見られるかへの関心が自然に高まります。そこにからかわれた経験や外見に関する何気ない一言が重なると、特定の部位への注意が固定されてしまうことがあると考えられています。「思い込みやすい性格だから」では説明が足りず、時期と経験と体質が重なった結果として理解されています。
SNSや画像加工との関連は?
近年は、SNSや写真の加工アプリとの関連が話題になります。加工した自分の顔を毎日見る、他人の加工済みの写真と見比べる、といった環境が外見への注意を強めやすいのではないか、という指摘です。ただし、SNSが直接この状態を引き起こすと断定できる段階ではなく、関連を調べる研究が続いているという理解が現時点では妥当です。比較や確認を繰り返す場としてSNSが働いている実感があるなら、使う時間や場面を見直してみることには意味があります。
「自分のせい」ではありません
この状態は、外見にこだわる浅い性格の表れでも、努力不足でもありません。本人が強く感じているのは「こんなことで悩む自分が情けない」という気持ちで、それがさらに相談を遠ざけます。生活が回らなくなっているのなら、それは意志で解決すべき問題ではなく、支援の対象です。
美容医療との関係をどう考えるか
外見の悩みが強いとき、美容医療は現実的な選択肢のひとつとして視野に入ります。実際、身体醜形症のある人の多くが、皮膚科・歯科・美容外科などで相談や施術を受けているとされています。
外見を変えても、苦痛が続くことがあると報告されています
MSDマニュアル家庭版では、身体醜形症のある人が悩みの部分を矯正しようとして治療を受けても、期待した結果が得られない場合が多く、かえって思い込みが強まることもあると説明されています。理由として考えられているのは、苦痛の中心が「外見そのもの」ではなく「外見へのとらわれ」にあることです。とらわれが残っていると、施術で気になっていた部位が変化しても、注意が別の部位に移ることがあります。
美容医療を否定するものではありません
これは、美容医療そのものを否定する話ではありません。外見を整えることで気持ちが前向きになる人はいますし、施術を受けるかどうかを決めるのは本人です。医師とよく相談し、納得して選んだのであれば、その選択は尊重されるべきものです。ここでお伝えしたいのは、「施術を重ねても苦しさが軽くならないときには、外見以外の背景が関わっている可能性がある」という一点だけです。
こんなときは、心の面からの相談も検討を
次のようなパターンに心当たりがあれば、心療内科・精神科の視点を一度加えてみる価値があります。
| 気づきのサイン | 考えられること |
|---|---|
| 施術後の満足感が長く続かない | とらわれ自体が残っている可能性 |
| 気になる部位が次々に移っていく | 悩みの中心が特定の部位ではない可能性 |
| 施術の予定や費用のことで生活が圧迫されている | 生活への支障が大きくなっているサイン |
| 施術を受けても人前に出るのが怖いままである | 回避の背景に不安が関わっている可能性 |
どちらか一方を選ばなければならない、という話でもありません。心の面のケアを並行して受けながら、外見について考えていくこともできます。
醜形恐怖症の治療 — 認知行動療法と薬物療法
治療の中心は、精神療法(特に認知行動療法)と薬物療法です。MSDマニュアル家庭版では、重症の場合には両者を併用することが最善と考える専門家が多いと紹介されています。どちらから始めるかは、症状の強さや生活の状況をふまえて医師と相談しながら決めていきます。
| 治療法 | 内容 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 認知行動療法 | 外見についての考え方を現実的に捉え直し、確認や身づくろいなどの反復行動を段階的に減らす | 中心となる精神療法とされる |
| 習慣逆転法 | 肌をいじる・毛を抜くなどの繰り返し行動を、別の行動に置き換えて減らす | 反復行動が強い場合に用いられる |
| 薬物療法 | セロトニンの働きを調整するタイプの抗うつ薬などを用いる | 症状に応じて用いられ、精神療法と併用されることも多い |
| 生活の調整 | 睡眠や生活リズムを整える、負担の大きい場面を一時的に減らす | 治療を続けるための土台 |
認知行動療法で行うこと
認知行動療法では、「自分の見え方についての受け取り方」と「不安を打ち消すための行動」の両方に働きかけます。
1. どの場面で・どんな考えが浮かび・どんな行動をどれだけ行ったかを記録する
2. 「みんなが自分の鼻を見ている」といった考えを、別の見方と並べて検討する
3. 鏡の確認や身づくろいの回数・時間を、段階的に減らしていく
4. 避けていた場面(買い物、明るい場所、写真など)に少しずつ慣れていく
5. 人と関わる時間を増やし、そこで過ごしやすくなる練習を重ねる
一度にすべてを変える必要はありません。「確認を10回から8回に減らす」といった小さな目標から始める進め方が一般的です。
薬物療法の考え方
薬物療法では、セロトニンの働きを調整するタイプの抗うつ薬が用いられることが一般的とされています。効き方や副作用の出方には個人差があり、変化を感じるまでに数週間かかることもあります。よくなったと感じても、自己判断で急にやめると症状がぶり返すことがあるため、量と期間は必ず医師と相談しながら決めてください。ここで挙げているのは一般的な情報であり、実際に用いる薬や量は診察のうえで判断されます。
回復までの見通しと、通院を続けるコツ
適切な治療を受けないと長期化しやすい状態とされており、数か月単位で段階的に進むと考えておくほうが途中で焦らずにすみます。最初の目標は「外見の悩みをゼロにする」ではなく、「悩みに奪われている時間を減らす」「行けなかった場所に行けるようにする」といった生活面に置き換えるのが現実的です。とらわれの強さには波があるため、悪く感じる日があってもそれだけで後戻りしたと判断する必要はありません。
治療費を支える公的制度
継続的な通院が必要になる場合、費用の負担を軽くする制度があります。窓口や要件は制度ごとに定められているため、詳細は各窓口で確認してください。
| 制度 | 内容 | 主な窓口 |
|---|---|---|
| 自立支援医療 (精神通院医療) |
精神科・心療内科への継続的な通院医療費の自己負担が、原則3割から1割に軽減される | 市区町村の担当窓口 |
| 高額療養費制度 | 1か月の医療費の自己負担が上限額を超えたとき、超えた分が払い戻される | 加入している健康保険 |
| 傷病手当金 | 病気で働けない期間、条件を満たせば給与のおおむね3分の2に相当する額が支給される | 加入している健康保険 |
費用を理由に受診をあきらめる前に、使える制度がないか確認してみてください。
受診の目安と、つらいときの相談先
次のような状態が続いているなら、心療内科・精神科への相談を検討するタイミングと考えられます。
- 外見について考える時間が長く、他のことに集中できない
- 鏡やスマートフォンでの確認、身づくろいがやめられない
- 人に会う予定を断る、外出を避けることが増えている
- 学校や仕事、家事に支障が出ている
- 気分の落ち込みや不眠が重なってきている
- 施術やケアを重ねても、苦しさが軽くならない
- 「消えてしまいたい」と感じる瞬間がある
MSDマニュアル家庭版では、身体醜形症のある人は生涯のうちに希死念慮(消えてしまいたいという気持ち)を経験することが多く、自殺行動がみられることもあると報告されています。これは「あなたが必ずそうなる」という意味ではありません。それだけこの状態の苦痛が大きいと医学的に認識されている、ということです。だからこそ「気にしすぎ」で片づけず、早めに相談してほしい状態です。
死にたい気持ちが強いとき、自分を傷つけたくなったときは、ひとりで耐えないでください。次の窓口にすぐ相談できます。
- こころの健康相談統一ダイヤル: 0570-064-556(お住まいの都道府県・政令指定都市の相談窓口につながります)
- #いのちSOS: 0120-061-338
いずれも厚生労働省が案内している相談窓口です。夜間や休日に対応している窓口もあります。緊急の場合は、119番や救急外来という選択肢もあります。「相談するほどのことではない」と感じるときこそ、声に出してみてください。
家族や周囲ができること
よかれと思って「そんなに変じゃないよ」と繰り返し伝えても、その場は落ち着くだけで長続きせず、確認のやりとりが習慣になってしまうことがあります。次のような関わり方が助けになるとされています。
- 外見の良し悪しを議論せず、「それでつらいんだね」と苦痛のほうを受け止める
- 「変じゃない?」と繰り返し聞かれたときは、保証を重ねるより一緒に相談先を考える
- 本人の見た目について、冗談も含めて評価する言葉は避ける
- 受診をためらっているときは、無理に説得せず、選択肢として情報を渡しておく
- 支える側も抱え込まず、家族自身が相談窓口を利用する
何科を受診する?オンライン診療という選択肢
相談先は心療内科または精神科です。外見の悩みは皮膚科や美容の領域で相談されることが多い一方、とらわれや繰り返し行動が中心になっている場合は心の専門領域が対応します。ただ、この悩みは「人前に出ること」自体がつらいテーマでもあり、待合室で人に会いたくないという理由で受診が遅れることも少なくありません。
オンライン診療に対応した医療機関であれば、自宅からスマートフォンで受診できます。オンライン心療内科・精神科のメントアは、保険適用のオンライン診療に対応し、18時〜24時・365日、当日予約可です。診断書最短即日発行、お薬最短即日発送で、予約から診察までLINEで完結します。仕事や学校を続けながら、夜の時間に相談したい方にとって使いやすい形のひとつです。
よくある質問
醜形恐怖症は「気にしすぎ」とどう違いますか?
違いは、気にする強さではなく生活への影響です。考えたり確認したりする時間が長く、強い苦痛があり、学校・仕事・人付き合いに支障が出ているとき、医学的な状態として扱われます。目安として、その悩みに一日1時間以上を費やしている場合は、相談を検討してよい段階と考えられています。
醜形恐怖症の診断テストはありますか?
インターネット上のチェックリストは、あくまで受診を検討するための目安です。診断は医師が診察のうえで行い、DSM-5などの基準に沿って、とらわれの内容・反復行動・苦痛や支障の程度を総合的に確認します。チェックの結果が軽く出ても、つらさが続いているなら相談してかまいません。
強迫症(強迫性障害)とは別の病気ですか?
別の診断名ですが、DSM-5では同じ「強迫症および関連症群」に分類される、近い関係の状態です。とらわれと、それを打ち消すための反復行動という構造が共通しています。そのため治療の考え方にも重なる部分が多く、認知行動療法と薬物療法が柱になります。
美容整形を受ければ解決しますか?
外見を変えても苦痛が続くことがあると報告されています。悩みの中心が「外見そのもの」ではなく「外見へのとらわれ」にある場合、施術後に注意が別の部位へ移ることがあるためです。美容医療を受けること自体を否定する話ではありませんが、施術を重ねても楽にならないときは、心の面からの相談も選択肢に入れてみてください。
治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
個人差が大きく、数か月単位で段階的に進むことが多いとされています。適切な治療を受けないと長期化しやすい一方、認知行動療法や薬物療法によって、とらわれや反復行動が軽くなることが期待できるとされています。最初から悩みをゼロにすることを目標にせず、生活を取り戻すことから始める進め方が現実的です。
家族が悩んでいます。どう声をかければよいですか?
外見の良し悪しを説得しようとせず、つらさそのものを受け止める姿勢が助けになるとされています。「変じゃないよ」と保証を重ねると、確認のやりとりが習慣化してしまうことがあります。相談先の情報を渡す、受診に付き添うといった関わり方のほうが、回復を支えやすいと考えられています。
10代の子どもでも受診できますか?
発症は青年期に多いとされており、10代での相談も珍しくありません。年齢によって対応できる医療機関や保護者の同伴の要否が異なるため、受診前に確認しておくとスムーズです。学校生活に支障が出ている場合は、スクールカウンセラーや自治体の相談窓口も利用できます。
誰にも知られずに相談できますか?
医療機関には守秘義務があり、診察の内容が本人の同意なく職場や学校に伝わることはありません。人に会うことに抵抗がある場合は、オンライン診療のように自宅から受けられる形もあります。
まとめ
- 醜形恐怖症(身体醜形症)とは、他の人にはほとんど気づかれない外見の特徴に強くとらわれ、苦痛や生活への支障が生じている状態で、性格の問題ではありません
- 鏡の確認、身づくろい、他人との比較、保証を求める行動などを繰り返す点が特徴で、悩む部位が移り変わることもあります
- DSM-5では強迫症および関連症群に分類され、とらわれと反復行動という構造が強迫症と共通しています
- セルフチェックは診断ではなく受診の目安です。当てはまる数より、生活が苦しいかどうかを基準にしてください
- 治療の柱は認知行動療法と薬物療法で、通院費用を軽くする公的制度も利用できます
長く抱えてきた悩みほど、「今さら相談しても」と感じやすいものです。それでも、話す相手が変わるだけで整理が進むことがあります。つらい気持ちが強いときは、相談窓口や医療機関を頼ってください。
出典・参考文献
- MSDマニュアル家庭版「身体醜形症」
- MSDマニュアル家庭版「強迫症」
- 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」強迫性障害
- 日本精神神経学会「DSM-5病名・用語翻訳ガイドライン」
- 厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」(相談窓口の案内)
- 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)」
- 厚生労働省「こころの耳」働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
つらい症状が続くときは、ひとりで抱え込まずご相談ください。メントアは保険適用のオンライン心療内科・精神科です(18時〜24時・365日、当日予約可)。
FAQ
心療内科・精神科に関する
よくある質問
仕事帰りでも受診できますか?夜間診療の有無を知りたいです。
クリニックによっては、お仕事をお持ちの方でも通いやすいよう夜間外来を設けている場合があります。当日の最終受付時間や診療曜日は、各院の案内をご確認ください。
今日すぐに診てもらいたいのですが、当日でも受診できますか?
多くのメンタルクリニックは予約制ですが、症状の急変など緊急を要する場合は、当日枠で対応可能なケースもあります。まずは電話やWebサイト等で現在の空き状況を問い合わせるのが確実です。
女性の先生に診察をお願いすることは可能でしょうか?
はい、女性医師が在籍しているクリニックでは、指名や担当日の選択が可能です。公式ホームページの医師紹介欄を確認するか、予約時に「女医を希望」と伝えておくとスムーズです。
漢方薬による治療は受けられますか?
西洋薬だけでなく、体質や症状に合わせた漢方薬を処方しているクリニックも多くあります。「なるべく自然な薬を使いたい」などのご希望があれば、診察時に医師へご相談ください。
診察にかかる費用が気になります。保険は使えますか?
基本的に健康保険が適用されるため、自己負担3割程度で受診いただけます。初診料や処方箋の有無で前後しますが、一般的な目安として数千円程度(4,000円〜6,000円前後)を見ておくと安心です。
診断書を書いてもらうことはできますか?
基本的には、医師が必要と判断した場合、職場や学校に提出するための診断書を発行してくれます。予約時や診察中に「診断書希望」と伝えておくとスムーズです。
初めての受診で、うまく話せるか不安です。準備は必要ですか?
全てを完璧に話そうとしなくても大丈夫です。「いつから」「どのような症状で困っているか」を簡単で良いのでメモしてお持ちいただくと、伝え漏れがなくなり、診察がよりスムーズに進むでしょう。
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予約から相談、オンライン診療、薬の受け取りまで、すべてLINE上で完結。通院の必要がなく、忙しい方でも続けやすい仕組みです。
当日受診・即日処方可能
24時間受付、当日相談可能。つらい時にすぐ相談でき、必要に応じて即日で医師により診断書発行も対応します。
保険診療だから通院時と同じ負担
初診5,400円前後、再診2,900円前後(保険適用時)。保険適用のため、安心して受診いただけます。
プライバシー配慮で安心
お薬の発送元はクリニックだとわからない表記に。周りに知られる心配がなく、安心してご相談いただけます。
カウンセリング実績40万件超のサービスと提携
40万件以上の相談実績を持つ電話カウンセリングサービス「エキサイトお悩み相談室」と提携。お薬の服用に抵抗がある方は、まずこちらでお話しするのもおすすめです。