適応障害では、原因となっているストレスから離れると症状が軽くなりやすいことが知られています。環境を変える手段として退職を考えるのは、おかしなことではありません。ただし退職を決める前に、休職という選択肢と、退職後に使える制度を比べておく価値があります。順番が変わるだけで、受け取れたはずの支えを逃すことがあるからです。「もう限界なのに、辞めていいのか分からない」と迷っていませんか。その迷いは、あなたが弱いから生まれているものではありません。判断に必要な材料が、まだそろっていないだけかもしれません。

この記事では、次のことがわかります。

  • 休職と退職では、収入・社会保険・戻る場所など何が違うのか
  • 退職を決める前に確かめておきたい5つのこと
  • 調子が悪い時期の「大きな決断」について知っておきたいこと
  • 退職に診断書は必要なのか
  • 同じ環境を繰り返さないために、転職を考えるときの視点
  • 制度や手続きについて、誰に相談すればよいか

この記事の監修

星野 奈生子(精神科医)

適応障害で退職を考えるとき、最初に押さえたいこと

適応障害は、はっきり特定できるストレスが原因となって心身の不調が現れ、仕事や日常生活に支障が出ている状態を指します。治療の中心は、原因となっている環境を調整することとされており、そのストレスから離れると症状が軽くなりやすい点が特徴です。退職は、その「環境から離れる」方法のひとつと言えます。

ストレスの原因から離れると軽くなりやすいとされる理由

適応障害は、ストレスの原因(ストレス因)と、本人の対処力・周囲のサポートとのバランスが崩れたときに起こると考えられています。原因がはっきりしている分、その原因が小さくなれば症状も和らぎやすい関係にあります。だからこそ「原因から離れる」ことが治療の柱になります。

一方で、原因から離れる方法は退職だけではありません。業務量や勤務時間の調整、担当替え、配置転換、在宅勤務、そして休職も、いずれも「離れる」方法です。どれを選ぶかで、そのあとに使える制度や戻れる場所が変わってきます。

「辞めたい」と感じること自体は、間違いではありません

出勤前に涙が出る、日曜の夜に動悸がする、会社のことを考えるだけで体が重くなる。そうした状態が続いているとき「辞めたい」と感じるのは、心身が限界を知らせているサインとして自然な反応です。その気持ちを「逃げだ」「甘えだ」と切り捨てる必要はありません。

同時に、「辞めたい」という気持ちの強さと、「いま辞めるのが最善かどうか」は別の問題です。気持ちを受け止めたうえで、材料をそろえてから決めても遅くはありません。

この記事は、退職を勧めるものでも止めるものでもありません

決めるのは、あなた自身です。この記事の役割は、背中を押すことでも引き止めることでもなく、決める前に確かめておいたほうがよいこと——知らないまま進むと選択肢が狭まる制度の違いを並べることです。確かめたうえで退職を選ぶのも、休職を選ぶのも、いったん保留にするのも、すべて正当な選択です。

休職と退職は何が違う?5つの視点で比べる

休職と退職は「働くのをいったん止める」点では似ていますが、その後に起こることがかなり異なります。どちらが良い・悪いではなく、まず「何が違うか」を並べて確認してみてください。

比べる視点 休職 退職
収入の支え 給与は原則として支払われないことが多い一方、加入する健康保険の傷病手当金など、働けない期間を支える制度の対象になりえます 給与はなくなります。どの給付を使えるかは、加入していた健康保険や雇用保険の手続き、個別の状況によって変わります
社会保険(健康保険・年金) 在籍したまま継続します(保険料の負担は続きます) 自分で切り替える手続きが必要になります
戻る場所 元の職場が残ります なくなります
再開までの時間 復職の時期や条件を、主治医・会社と相談しながら段階的に進められます 回復してから求職活動を始めるため、期間が読みにくくなります
決断のやり直しやすさ あとから復職も退職も選べます 原則として取り消せません

収入の支えられ方が変わります

休職でも退職でも、会社からの給与は基本的に止まります。違うのは、その間の生活を支える仕組みの使い方です。在職して休職している間は健康保険の傷病手当金が想定されていますが、退職後は健康保険から離れる(資格を失う)ため、同じ制度がそのまま続くとは限りません。

ここが最も誤解の多いところです。詳しくは後述しますが、休職を経ずに退職した場合、傷病手当金の受け取り方が変わることがあります。条件は加入先や個別の状況によって異なるため、退職を決める前に必ず保険者へ確認してください。

社会保険(健康保険・年金)の手続きが変わります

休職中は在籍しているため、健康保険証はそのまま使え、年金も厚生年金のまま継続します(保険料の自己負担分の支払いは続くのが一般的です)。

退職すると、健康保険は「以前の健康保険の任意継続」「国民健康保険」「家族の被扶養者になる」などから選んで切り替え、年金も国民年金への切り替えが必要になる場合があります。手続きには期限が設けられているものがあり、退職してから調べ始めると間に合わないこともあります。通院を続ける予定があるなら、保険が途切れないことは特に大切です。

「戻る場所」と「やり直しやすさ」が変わります

休職の大きな特徴は、決断をあとに回せることです。体調が戻ってから、復職するか退職するかを改めて選べます。休んでみて「やはりあの職場には戻れない」と分かれば、そこから退職を選ぶこともできます。

一方、退職は原則として取り消せません。これは退職が悪いという意味ではなく、順番の問題です。同じ結論にたどり着くとしても、どちらを先にするかで、途中で使える支えの数が変わります。

決める前に確かめる5つのこと

ここがこの記事の中心です。次の5つは、退職を決める前に確かめておくと、あとで「知らなかった」と後悔しにくくなる項目です。すべてを一度に調べる必要はありません。体調に余裕のある時間に、ひとつずつで十分です。

確かめること 具体的に見るところ 主な確認先
①休職制度 制度があるか、期間はどれくらいか、勤続年数の条件はあるか 就業規則、人事・労務の担当部署
②傷病手当金 在職中と退職後で扱いがどう変わるか、自分の場合は対象になるか 加入する健康保険、社会保険労務士
③失業給付 離職票の受け取り方、すぐに働けない場合の受給期間の延長 ハローワーク
④自立支援医療 通院医療費の自己負担を軽くできるか、保険を切り替えるときの手続き 主治医、市区町村
⑤次の職場を決める時期 いつから求職活動を始めるか、主治医の見立てはどうか 主治医、ハローワーク

①就業規則に休職制度はあるか、期間はどれくらいか

休職制度は法律で一律に定められたものではなく、会社ごとの就業規則によって内容が決まります。そのため「制度そのものがない」「勤続年数が一定以上でないと使えない」「期間が短い」といった違いがあります。就業規則は社内のイントラネットに掲載されていることが多く、人事・労務の担当部署に問い合わせて取り寄せることもできます。

見るポイントは、制度の有無、利用条件、期間の上限、期間が満了したときの扱い、復職の手続きの5点です。「制度がある」と分かるだけで退職以外の選択肢が具体的になり、「制度がない」と分かった場合も判断材料になります。

②健康保険の傷病手当金がどう扱われるか(最重要)

傷病手当金は、病気やケガのために働けない期間の生活を支える、健康保険の給付です。適応障害などの精神科・心療内科の疾患も対象になりえます。

ここで知っておきたいのが、休職を経ずに退職すると、傷病手当金の受け取り方が変わることがあるという点です。制度上、退職後も引き続き給付を受けられる場合がありますが、それには被保険者であった期間、退職時に給付を受けている(または受けられる状態にある)かどうか、退職日の過ごし方など、いくつかの条件が関わるとされています。順番によって結果が変わりうるため、「先に辞めてから調べよう」は避けたい進め方です。

支給される金額や期間、対象になるかどうかの判断は、加入している健康保険や個別の状況によって異なります。この記事で断定的にお伝えすることはできません。退職を決める前に、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)の窓口か社会保険労務士に、ご自身の状況を伝えて確認してください。この一本の電話が、その後の数か月の生活を左右することがあります。

③退職後の失業給付(受給期間を延長できる仕組み)

雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)は、「働ける状態にあり、求職活動をしている人」を対象とした給付です。そのため、症状があってすぐには働けない時期は、そのままでは対象になりにくい関係にあります。

一方で、病気などですぐに働けない場合には、受給期間を延長できる仕組みがあるとされています。手続きの期限や必要書類、延長できる期間の考え方は個別の状況によって異なるため、退職を検討し始めた段階でハローワークに確認しておくと選択肢が広がります。「働けない時期は延長し、回復してから求職活動を始める」という流れを取れる場合があります。

④自立支援医療(通院医療費の負担を軽くする制度)

自立支援医療(精神通院医療)は、継続的に精神科・心療内科へ通院する場合に、医療費の自己負担を軽くする公的な制度です。退職して収入が変わる時期は、通院費の負担が受診をためらう理由になりがちです。対象になるか、申請に何が必要かを、主治医やお住まいの市区町村の窓口に確認してみてください。なお、加入する健康保険が変わると変更の手続きが必要になることがあります。退職の手続きとあわせて確認しておくと、通院が途切れにくくなります。

⑤次の職場を決める時期

「辞める前に次を決めておくべきか、辞めてから探すべきか」は多くの人が迷うところです。収入の空白を作りにくいのは在職中に次を決める進め方ですが、体調が整っていない時期の求職活動は負担が大きく、面接での説明にも力がいります。

判断の軸になるのは、いまの体調で求職活動に耐えられるかという点です。ここは主治医に率直に相談してよい部分で、「いま始めてよい時期か」という見立ては、自分ひとりで決めるより診察の場で話したほうが具体的になります。なお、休職中の転職活動は就業規則や給付との関係で注意が必要なため、進め方は別途、専門家に相談してください。

調子が悪いときの「大きな決断」について

ここは、制度の話と同じくらい大切な部分です。症状が強い時期は、ものごとの判断が普段と変わることがあるとされています。

症状が強い時期は、判断のしかたが普段と変わることがあります

気分が落ち込んでいるときは、悪い可能性ばかりが目につきやすく、選択肢が実際より少なく見えることがあると言われています。「もうこれしかない」「どうせ何をしても同じだ」という感覚が強まるのは、あなたの考えが浅いからではなく、不調そのものの影響である場合があります。

睡眠不足や強い疲労が重なっているときも同じです。眠れない日が続いた状態で下した結論は、体調が戻ってから見ると「あのときはそう見えていた」と感じることが少なくありません。大きな決断は、心身が少し落ち着いてからのほうが納得しやすいと考えられています。

「今すぐ決めなくてよい」という選択肢があります

いま強く覚えておいていただきたいのは、今日この場で結論を出さなくてもよいということです。退職するかどうかを決めないまま、体調を戻すことだけを先に進める。この「保留」も、れっきとした選択肢のひとつです。

具体的には、受診して体調の見立てをもらう、業務量の調整を相談する、休職して休む——といった手当てを先に進め、退職の判断はそのあとに回します。順番を入れ替えるだけで、判断そのものを取り下げるわけではありません。決める権利は、いつでもあなたの手元に残ります。

「辞めると伝えなければ、この苦しさは終わらない」と感じているときほど、この一文を思い出してみてください。終わらせる方法は、退職だけではないかもしれません。

気持ちが固まらないうちにできる、小さな一歩

決断を保留にしている間にも、できることはあります。負担の小さい順に並べます。

1. 眠れているか、食べられているかを書き出してみる(3日分でも十分です)

2. 心療内科・精神科を受診し、いまの状態の見立てをもらう

3. 就業規則で休職制度の有無と期間を確認する

4. 加入している健康保険に、傷病手当金の扱いを問い合わせる

5. 産業医や人事に、業務量の調整や休職について相談する

上から順に進める必要はありません。今日できそうなものが1つあれば十分です。自分の状態を整理したいときは適応障害セルフチェックも使えますが、これは診断ではなく受診の目安です。

退職に診断書は必要ですか

結論から言うと、退職の意思を伝えること自体に、診断書は必須ではありません。退職は本人の意思表示によるもので、その際に病気の証明を添えることが法律上求められているわけではないと一般に説明されています。ただし、会社から提出を求められる場合や、診断書があるほうが手続きが進みやすい場面はあります。

「診断書がないと辞められない」わけではありません

「診断書がないと辞められないのでは」と心配して受診をためらう方がいますが、そうした決まりが一律にあるわけではありません。一方で、会社の規程や状況によって提出を求められることはあります。その場合は、主治医に「会社に提出する書類が必要になった」と伝えれば、必要な範囲で作成が検討されます。

診断書があると手続きが進みやすい場面

診断書や医師の意見書が役に立つのは、次のような場面です。

  • 休職を申し出るとき(多くの会社で、医師の診断書をもとに手続きが進みます)
  • 業務量の調整や配置転換など、就業上の配慮を求めるとき
  • 傷病手当金の申請をするとき(申請書に医師が記入する欄が設けられています)
  • 退職後に、体調について説明が必要になったとき

書式は提出先によって異なります。会社や保険者から指定の様式がある場合は、受診時に持参するとやり取りが一度で済みます。もらい方や費用の目安は診断書はどうやってもらう?もらい方・費用・即日発行の可否で詳しく解説しています。

退職を決めたあとに必要になる手続き

退職を選ぶと、体調が万全でない時期にいくつもの事務手続きが重なります。あらかじめ全体像を見ておくと負担を分散しやすくなります。

手続き 内容 主な窓口・確認先
健康保険 任意継続・国民健康保険・家族の被扶養者など、いずれかへの切り替えが必要です。期限が設けられているものがあります 加入していた健康保険、市区町村
公的年金 厚生年金から国民年金への切り替えなどが必要になる場合があります 年金事務所、市区町村
住民税 前年の所得に対して課税されるため、退職後にまとめて納付書が届くことがあります 勤務先の給与担当、市区町村
雇用保険 離職票を受け取り、ハローワークで手続きします。すぐに働ける状態でない場合は受給期間の延長という仕組みがあるとされています ハローワーク
傷病手当金 退職後の扱いは、加入していた健康保険や個別の状況によって異なります。退職前の確認が重要です 加入していた健康保険、社会保険労務士
自立支援医療 通院医療費の自己負担を軽くする制度です。保険の切り替えに伴う変更手続きが必要になることがあります 主治医、市区町村

手続きは「退職日の前」に確認しておくと動きやすくなります

上の表のうち、健康保険・傷病手当金・雇用保険の3つは、退職日をまたぐと扱いが変わったり、期限が動き出したりします。退職の意思が固まってきた段階で、退職日はいつか、離職票はいつ届くか、健康保険の切り替えはどの方法にするかを先に確認しておくと落ち着いて進められます。これらをすべて自分で調べるのは大変です。家族に手伝ってもらう、社会保険労務士に相談するのも選択肢です。手続きを人に頼ることは、甘えではありません。

転職を考えるとき — 同じ環境を繰り返さないために

環境を変えたあとで同じような負荷に出会うと、体調を崩す経験を繰り返しかねません。ここでは求職活動の進め方ではなく、「環境を変える判断」そのものについて整理します。

「何がつらかったのか」を言葉にしておく

同じ職場でも、負担に感じる部分は人によって異なります。業務量なのか、特定の人との関係なのか、評価のされ方なのか、勤務時間帯や通勤なのか、仕事内容と得意分野のずれなのか。ここが曖昧なままだと「とにかく今と違う場所」を選ぶことになり、同じ要因を引き当てる可能性が残ります。体調が戻ってきた時期に主治医と振り返ると、気づいていなかった負荷が見えてくることがあります。これは反省ではなく、次に避けるべき条件を特定する作業です。

次の環境を選ぶときの視点

言葉にできた負荷をもとに、次の環境を見る視点が決まります。

  • 業務量と裁量のバランス(自分でペースを調整できる余地があるか)
  • 勤務時間帯・残業の実態・通勤の負担
  • 対人接触の量、チームの規模
  • 体調の波があったときに相談できる窓口(産業医・保健師など)の有無

すべてを満たす環境はまれなので、優先順位を2〜3個に絞ると迷いにくくなります。転職以外にも、勤務時間を減らす、雇用形態を変える、しばらく療養に専念してから考えるといった道もあります。

相談先の一覧と、受診の目安

退職と休職をめぐる疑問は、医療・会社・制度の3方向にまたがります。「誰に聞けばよいか」が分かるだけでも動きやすくなります。

相談したいこと 主な相談先
業務量の調整・配置転換・休職の可否・就業規則 職場の産業医、人事・労務の担当部署
傷病手当金の扱い(退職後を含む) 加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)
年金・健康保険の切り替え 年金事務所、市区町村
失業給付・受給期間の延長・求職 ハローワーク
残業・ハラスメント・退職をめぐるトラブル 労働基準監督署、総合労働相談コーナー
社会保険・労働保険の手続き全般 社会保険労務士
症状・診断書・働ける状態かどうかの見立て 心療内科・精神科の主治医
誰に相談すればよいか分からないとき 厚生労働省「こころの耳」の相談窓口案内

受診・相談を検討する目安

次のような状態が続いているなら、退職を決める前に医療機関へ相談するタイミングと考えられます。

  • 気分の落ち込みや不安、不眠などのつらさが2週間以上続いている
  • 出勤前に涙が出る、体が動かないなど、仕事に向かうことが難しくなっている
  • 食欲が落ちた、体重が減った、動悸やめまいが続くなど、体の症状が強い
  • 飲酒でつらさをまぎらわせることが増えている
  • 「もうどうなってもいい」と投げやりな気持ちになる時間が増えている

いまの状態を整理する入口として、症状別のセルフチェック一覧も参考になります。ただし診断は、オンラインでも対面でも、医師の診察によって行われます。

つらさが強いときは、ためらわず相談してください

死にたい気持ちが強いとき、自分を傷つけたくなったときは、ひとりで耐えず、すぐに相談してください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)や、#いのちSOS(0120-061-338)といった公的な相談窓口が利用できます。緊急のときは、119番や救急外来という選択肢もあります。退職するかどうかの判断は、そのあとで構いません。

オンライン診療という選択肢

「平日の日中に通院する時間がない」「職場の近くのクリニックには行きたくない」といった理由で受診が遅れることがあります。オンライン診療に対応した医療機関なら、自宅からスマートフォンで受診できます。オンライン心療内科・精神科のメントアは、保険適用で、18時〜24時・365日、当日予約にも対応しています。診断書最短即日発行、お薬最短即日発送で、予約から診察までLINEで完結します。

よくある質問

適応障害で退職したら、傷病手当金はどうなりますか?

退職後の扱いは、加入していた健康保険や個別の状況によって異なります。条件を満たせば退職後も受け取れる場合があるとされていますが、被保険者であった期間や退職時の状況が関わるため一律には言えません。退職を決める前に、加入している健康保険や社会保険労務士に、ご自身の状況を伝えて確認してください。

休職せずに退職しても大丈夫ですか?

状況によります。ただし、休職を経るかどうかで傷病手当金の扱いや戻れる場所が変わることがあるため、確認せずに決めるのは避けたいところです。休職制度の有無、傷病手当金の扱い、失業給付の手続きの3点を先に確認すると、選択肢を残しやすくなります。

退職するのに診断書は必要ですか?

退職の意思表示そのものに診断書が必須というわけではありません。ただし、会社から提出を求められる場合や、休職・傷病手当金の申請では診断書や医師の記入が必要になる場面があります。求められたら主治医に相談してください。

「今すぐ辞めたい」という気持ちが止まりません。どうすればいいですか?

その気持ちを否定する必要はありません。ただし、症状が強い時期は選択肢が実際より少なく見えることがあるとされています。まず受診して体調の見立てをもらい、休む方法を確認してから決めても遅くはありません。決断を保留にしたまま体調を戻すのも選択肢のひとつです。

退職を伝えるとき、理由は正直に話すべきですか?

一律の正解はありません。体調を理由に伝えると、会社側から休職や業務調整を提案され、選択肢が増える場合があります。一方で、どこまで話すかは本人の判断に委ねられる部分です。迷うときは、産業医や人事など立場の違う相手に相談して整理してみてください。

退職後に転職活動を始めるのは、いつからがよいですか?

体調によって大きく変わるため、時期を一律に示すことはできません。判断の軸は「いまの体調で活動に耐えられるか」です。主治医に率直に相談すると見通しを立てやすくなります。すぐに働けない時期は、失業給付の受給期間を延長できる仕組みをハローワークで確認しておくと焦らずに済みます。

家族が適応障害で「辞める」と言っています。どう関わればよいですか?

気持ちを否定せずに聴くことが大切とされています。「早まるな」と止めるより、「一緒に調べてみよう」と材料をそろえる関わり方のほうが本人の負担は軽くなります。就業規則や傷病手当金の確認、受診の付き添いなど、事務的な部分を代わりに担うのも有効です。支える側がつらいときは、家族自身も相談窓口を頼ってください。

退職を決めたあと、通院はどうすればよいですか?

保険の切り替え時期でも、治療は途切れさせないほうがよいとされています。退職前に、次の受診日と保険の切り替え方法を主治医に伝えておくと調整しやすくなります。通院費が気になる場合は、自立支援医療の対象になるかを確認してみてください。

まとめ

  • 適応障害では、原因となる環境から離れると症状が軽くなりやすいとされ、退職はその方法のひとつです。ただし方法は退職だけではありません
  • 休職と退職では、収入の支え・社会保険・戻る場所・再開までの時間・やり直しやすさが変わります。どちらが良いかではなく、何が違うかを知ることが先です
  • 決める前に確かめたいのは、①就業規則の休職制度 ②傷病手当金の扱い ③失業給付の受給期間の延長 ④自立支援医療 ⑤次の職場を決める時期の5つです
  • 傷病手当金は、休職を経ずに退職すると受け取り方が変わることがあります。加入する健康保険や状況によって異なるため、退職前に保険者や社会保険労務士へ確認してください
  • 症状が強い時期は判断が普段と変わることがあるとされています。今日この場で決めなくてかまいません。体調を戻すことを先に進める「保留」も選択肢です

退職するかどうかを決めるのは、あなた自身です。ただ、その判断は材料がそろってからのほうが後悔が少なくなります。まずは体を休め、確かめられるところから一つずつ進めていきましょう。その途中の迷いを話す相手として、医療を頼っていただいてかまいません。

出典・参考文献

つらい症状が続くときは、ひとりで抱え込まずご相談ください。メントアは保険適用のオンライン心療内科・精神科です(18時〜24時・365日、当日予約可)。

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FAQ

心療内科・精神科に関する
よくある質問

仕事帰りでも受診できますか?夜間診療の有無を知りたいです。

クリニックによっては、お仕事をお持ちの方でも通いやすいよう夜間外来を設けている場合があります。当日の最終受付時間や診療曜日は、各院の案内をご確認ください。

今日すぐに診てもらいたいのですが、当日でも受診できますか?

多くのメンタルクリニックは予約制ですが、症状の急変など緊急を要する場合は、当日枠で対応可能なケースもあります。まずは電話やWebサイト等で現在の空き状況を問い合わせるのが確実です。

女性の先生に診察をお願いすることは可能でしょうか?

はい、女性医師が在籍しているクリニックでは、指名や担当日の選択が可能です。公式ホームページの医師紹介欄を確認するか、予約時に「女医を希望」と伝えておくとスムーズです。

漢方薬による治療は受けられますか?

西洋薬だけでなく、体質や症状に合わせた漢方薬を処方しているクリニックも多くあります。「なるべく自然な薬を使いたい」などのご希望があれば、診察時に医師へご相談ください。

診察にかかる費用が気になります。保険は使えますか?

基本的に健康保険が適用されるため、自己負担3割程度で受診いただけます。初診料や処方箋の有無で前後しますが、一般的な目安として数千円程度(4,000円〜6,000円前後)を見ておくと安心です。

診断書を書いてもらうことはできますか?

基本的には、医師が必要と判断した場合、職場や学校に提出するための診断書を発行してくれます。予約時や診察中に「診断書希望」と伝えておくとスムーズです。

初めての受診で、うまく話せるか不安です。準備は必要ですか?

全てを完璧に話そうとしなくても大丈夫です。「いつから」「どのような症状で困っているか」を簡単で良いのでメモしてお持ちいただくと、伝え漏れがなくなり、診察がよりスムーズに進むでしょう。

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