寝ても寝ても眠いときは、睡眠の「量」ではなく「質」が落ちているか、体や心の病気が背景にあることがあります。なかでも睡眠時無呼吸症候群・貧血・甲状腺機能低下症・糖尿病といった体の病気は、日中の強い眠気だけが表に出ることがあり、血液検査や睡眠の検査をしなければ分かりません。まず体の病気を確かめ、そこで異常がなければ睡眠障害や心の不調を検討する——遠回りに見えて、これが最も確実な順番とされています。

「これだけ寝ているのに眠いなんて、自分が怠けているだけではないか」と感じていませんか。日中の強い眠気は意志の強さの問題ではなく、体の中で起きていることのサインであることが少なくありません。あなたが弱いから眠いのではありません。

この記事では、次のことがわかります。

  • 寝ても寝ても眠いときに、まず考えたい3つの可能性
  • 眠気の裏に隠れていることがある体の病気と、その見分け方
  • 睡眠の「質」を落としている生活の要因
  • うつ病など心の不調で「過眠」になるケースと、そのサイン
  • ナルコレプシーなど、眠気そのものが症状になる睡眠障害
  • 内科・睡眠外来・心療内科のどこに相談すればよいかの目安

この記事の監修

星野 奈生子(精神科医)

寝ても寝ても眠いのはなぜ?まず考えたい3つの可能性

日中の強い眠気は、大きく「睡眠の量が足りていない」「睡眠の質が落ちている」「体や心の病気が背景にある」の3つに整理できます。この3つは重なり合うことも多く、どれか1つに決めつけないことが大切です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠に関連する症状は、睡眠環境・生活習慣・嗜好品によるものと、睡眠障害によるものに整理されています。

可能性 起きていること 代表的な手がかり
①量が足りていない 眠る機会そのものが不足している 休日に平日より2時間以上長く眠る/目覚ましがないと起きられない
②質が落ちている 眠ってはいるが、休養が得られていない(睡眠休養感の低下) 途中で何度も目が覚める/朝すっきりしない/いびきを指摘される
③体や心の病気がある 眠気が病気の症状として現れている 眠気以外の症状(息切れ・むくみ・気分の落ち込みなど)を伴う

「十分寝ている」つもりでも、量が足りていないことは多い

成人ではおおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間とされ、少なくとも6時間以上を目安に確保することが推奨されています。ところが令和元年の国民健康・栄養調査では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人が男性37.5%・女性40.6%にのぼり、20〜59歳の各世代では約35〜50%を占めていました。令和3年のOECDの調査報告でも、日本人の平均睡眠時間は対象33カ国の中で最も短かったと報告されています。

体質的に長い睡眠時間を必要とする人では、毎日6〜8時間眠っていても足りない場合があるとされ、こうした状態は睡眠不足症候群と呼ばれます。目覚ましがないと起きられない、休みの日は放っておくと何時間でも眠ってしまう——こうした特徴があれば、まず量の不足を疑う価値があります。

「日中に眠い」と感じている人は決して少なくありません

厚生労働省が令和元年に全国の20歳以上の成人約5,700人を対象に行った国民健康・栄養調査によると、「この1ヵ月間に、週3回以上、日中に眠気を感じた」人は34.8%でした。これだけ多くの人が抱えているからこそ「よくあること」で片づけられ、背景にある病気が見過ごされやすいという問題があります。

「何時間眠ったか」より「休まった感じがあるか」

近年の睡眠対策では、睡眠時間と並んで「睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)」が重視されています。日本の成人を対象とした横断研究では、睡眠休養感が低い人ほど抑うつの度合いが強いことが示されています。眠った長さだけでなく、休まった感じがあるかどうかも、自分の状態を測るものさしになります。

最初に確かめたいのは「体の病気」——オンライン診療では検査ができません

日中の強い眠気は、心の不調より先に、体の病気のサインとして現れることがあります。ここが最も重要な分かれ道です。背景にある体の病気は問診だけでは判断できず、血液検査や睡眠中の呼吸を調べる検査を行って初めて分かるものが少なくありません。心療内科・精神科を検討する前に、まず内科で確かめておくことが勧められます。

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考えられる病気 眠気以外に出やすいサイン 主な調べ方 相談先の目安
睡眠時無呼吸症候群
(閉塞性睡眠時無呼吸)
大きないびき、就寝中に呼吸が止まると指摘される、起床時の頭痛や口の渇き、夜中に何度も目が覚める 自宅でできる簡易検査、終夜睡眠ポリグラフ検査 内科・呼吸器内科・耳鼻咽喉科・睡眠外来
貧血
(鉄欠乏性貧血など)
立ちくらみ、動悸、少し動くと息切れ、顔色が悪い、爪が割れやすい、月経量が多い 血液検査
(ヘモグロビン、フェリチンなど)
内科・婦人科
甲状腺機能低下症 寒がり、むくみ、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、動作や思考が遅くなる 血液検査
(甲状腺ホルモン、TSH)
内科・内分泌内科
糖尿病 のどの渇き、尿の量や回数が増える、体重が減る、傷が治りにくい 血液検査(血糖、HbA1c)、尿検査 内科
慢性的な痛みを伴う病気 腰痛・関節痛・頭痛などで夜間に目が覚める 原因となる病気の診察 内科・整形外科など
服用中の薬の影響 花粉症やかぜの薬(抗ヒスタミン薬)などを飲み始めた時期と眠気が出た時期が一致する 服用中の薬の確認 処方した医師・薬剤師

睡眠時無呼吸症候群 — いびきや呼吸停止を指摘されたら

閉塞性睡眠時無呼吸は、眠っている間に空気の通り道(気道)が狭くなったり塞がったりして呼吸が止まり、血液中の酸素が不足する状態です。酸素が足りなくなると脳が目を覚まさせて呼吸が再開しますが、また眠ると止まる——これを一晩中繰り返します。その結果、深い睡眠が減り、日中の強い眠気や居眠り、睡眠休養感の低下として現れます。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、1時間あたり10秒以上の呼吸停止が20回以上出現するような中等症・重症の睡眠時無呼吸を放置すると、心筋梗塞・脳梗塞・生活習慣病や眠気による事故を引き起こし、死亡率が高くなるため治療が必要だと説明されています。肥満が最大の危険因子とされますが、下顎が小さい・首が短いといった体格の特徴でも起こるため、太っていないから大丈夫とは言い切れません。女性でも閉経後に有病率が急激に増えることが知られています。

見過ごされやすいのは、本人に自覚がほとんどなく、むしろ「たっぷり眠っている」と感じていることさえあるためです。家族から大きないびきや呼吸の止まりを指摘されたことがあるなら、それは重要な情報です。

貧血・鉄欠乏 — 立ちくらみや息切れを伴うとき

貧血では血液が全身に運べる酸素の量が減るため、強い倦怠感や眠気として自覚されることがあります。特に月経のある女性では鉄欠乏が起こりやすく、「疲れやすいのは年のせい」と受け止められて長く放置されがちです。立ちくらみ、動悸、階段で息が切れるといったサインが重なるなら、血液検査で確かめる価値があります。

甲状腺機能低下症 — 寒がり・むくみ・体重増加が重なるとき

甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節しています。分泌が不足すると体全体の働きがゆっくりになり、強い倦怠感や眠気、寒がり、むくみ、体重増加、便秘などが現れることがあります。気分の落ち込みや思考の遅さを伴うため、うつ病と症状が重なって見えるのが難しい点です。血液検査で調べられるので、心の不調を疑う前に確認しておきたい病気です。

これらはオンライン診療では確かめられません

ここまで挙げた病気は、いずれも血液検査や睡眠中の検査、身体診察が必要です。オンライン診療では採血も睡眠検査もできないため、これらを否定することはできません。 心の不調が疑われる場合でも、まず内科で体の病気の可能性を確かめておくことをおすすめします。原因が違えば必要な治療も変わるため、ここを飛ばさないことが結果的に近道になります。

睡眠の「質」を落としている生活の要因

体の病気が見つからなかった場合、次に見直したいのが睡眠環境と生活習慣です。ここは自分で変えられる部分が多く、改善が実感につながりやすい領域でもあります。

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要因 睡眠に起きること 見直し方の例
就寝・起床時刻の
不規則さ
体内時計が乱れ、寝つきと目覚めのタイミングがずれる 起床時刻をできるだけ一定にする
休日の「寝だめ」 体内時計がずれ、社会的時差ボケが生じる 休日の起床時刻のずれを小さくする
寝る前のスマートフォン・強い光 覚醒が高まり、寝つきが悪くなる 就寝前は画面から離れ、照明を落とす
カフェイン 寝つきの悪化、中途覚醒の増加、深い睡眠の減少 1日400mg以内、夕方以降は控える
アルコール
(寝酒)
睡眠後半の質が悪化し、中途覚醒が増える 寝酒はやめ、飲酒量を控えめにする
喫煙
(ニコチン)
寝つきの悪化、中途覚醒の増加、深い睡眠の減少 禁煙を目指す
寝室環境
(光・音・温度)
眠りが浅くなり、睡眠休養感が下がる 暗く静かで快適な温度に整える
就寝直前の
夕食・朝食抜き
睡眠休養感の低下と関連する 食事の時間を整える

カフェインは「量」と「時刻」の両方が効いてきます

睡眠ガイド2023では、カフェインの摂取量が1日400mg(ドリップコーヒーでカップ4杯、700cc程度)を超えると夜眠りにくくなる可能性があり、夕方以降の摂取は夜間の睡眠に影響しやすいとされています。日本人の血中半減期は3〜7時間とばらつきがあり、半減期が5時間の人が朝9時に400mgを摂取すると、19時の時点でも100mg相当が体内に残る計算になります。

見落とされやすいのは、眠気を覚ますためのカフェインが次の夜の睡眠を削り、翌日の眠気をさらに強くするという循環です。慢性的な摂取では効果が弱まり、依存も生じるとされています。

お酒は寝つきを助けても、後半の眠りを壊します

アルコールは一時的に寝つきを促し、睡眠前半では深い睡眠を増やします。しかし睡眠後半の質は顕著に悪化し、飲酒量が増えるほど中途覚醒の回数が増えることが報告されています。さらに、閉塞性睡眠時無呼吸をはじめとするさまざまな睡眠障害を悪化させるとされています。「寝つきが良くなるから」と続けているお酒が、翌日の眠気の原因になっているかもしれません。

寝酒は連用によって耐性や依存を形成することがあります。毎日続けている場合、急にやめると離脱によって眠れなくなることがあるため、週単位で少しずつ減らすか、医療機関に相談しながら進める方法が勧められています。

休日の「寝だめ」では眠気は解消しきれません

平日の睡眠不足を休日に取り戻そうとしても、眠りを「ためる」ことはできません。休日の起床時刻が大きく遅れると体内時計が乱れ、時差ぼけに似た状態(社会的時差ボケ)が生じ、生活習慣病や脳血管障害、うつ病の発症リスクと関連することが報告されています。休日に長時間の睡眠が必要になること自体が「平日の睡眠時間が足りていないサイン」です。取り戻すのではなく、平日の睡眠時間を確保する方向に手を打つことが根本的な対処になります。

心の不調と眠気——うつ病は不眠だけでなく「過眠」になることもある

うつ病では寝つけない・早く目が覚めるといった不眠が多くみられますが、逆に眠り過ぎる「過眠」が前面に出るタイプもあります。「自分はよく眠れているからうつではない」と考えて受診が遅れることがあるため、この点は知っておく価値があります。

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状態 眠気の出方 眠気以外に見られる特徴
うつ病
(典型的なタイプ)
不眠が多いが、日中の強い倦怠感・眠気を伴うことがある 気分の落ち込み、興味や喜びの喪失、食欲低下、早朝覚醒
非定型の特徴を伴ううつ病 過眠が現れやすい 過食・体重増加、体が鉛のように重い感じ、良い出来事で一時的に気分が上向く、批判や拒絶に過敏
季節性のパターン 秋から冬にかけて眠気が強くなる 過食(特に炭水化物)、活動量の低下、春に軽くなる
適応障害
(強いストレス状況)
現実から離れるように眠り込むことがある はっきりしたストレス因がある、原因から離れると軽くなりやすい
双極症の抑うつ期 過眠がみられることがある 過去に気分が高揚し活動的になった時期がある
不安症 緊張の持続による強い疲労感・眠気 動悸、息苦しさ、常に気が休まらない

非定型の特徴を伴ううつ病では「眠り過ぎ」が目立ちます

MSDマニュアル家庭版では、うつ病の非定型の特徴として、良い出来事に反応して気分が一時的に明るくなること、批判や拒絶に対する過剰な反応、鉛様の麻痺(体が重い感じ)、体重増加または食欲亢進、そして過眠が挙げられています。「休日は12時間以上寝てしまう」「食べる量が増えた」「体が鉛のように重い」といった組み合わせがあるなら、単なる寝過ぎとして片づけないほうがよい状態です。

ストレスによる過眠——「眠ることで避けている」場合

強いストレスにさらされている状況では、眠気が逃げ場として働くことがあります。仕事や学校のことを考えると強い疲労感に襲われ、休日は一日中眠って過ごす、という形です。これは意志が弱いのではなく、心身が過負荷から自分を守ろうとしている反応と考えられます。ストレス因がはっきりしていて、そこから離れると症状が軽くなる傾向があれば、適応障害の可能性も含めて検討されます。

「眠い」以外に気をつけたいサイン

次のような変化が眠気と一緒に起きているなら、心の不調が関わっている可能性を考えたほうがよい状態です。

  • これまで楽しめていたことが楽しめない
  • 気分の落ち込みが2週間以上ほぼ毎日続いている
  • 集中できず、簡単な作業でもミスが増えた
  • 人に会うのがおっくうで、連絡を返せなくなった
  • 食欲が大きく変わった(極端に減った、または増えた)
  • 自分を責める気持ちが強く、消えてしまいたいと感じることがある

いまの状態を整理したい場合は、うつ病セルフチェックで当てはまる項目を確認する方法があります。セルフチェックはあくまで受診を検討するための目安であり、診断は医師の診察によって行われます。結果が軽く出ても、つらさが続いているなら相談をためらう必要はありません。

眠気そのものが症状になる睡眠障害——ナルコレプシーなど

十分な睡眠時間を確保し、生活習慣も整えているのに強い眠気が続く場合、眠気を主症状とする睡眠障害の可能性があります。これらは専門的な検査で診断されるもので、自己判断はできません。

睡眠障害 特徴 診断に必要なこと
睡眠不足症候群 慢性的な睡眠不足で日中の眠気・居眠りが生じる。起こされないと通常より長く眠る 睡眠時間の記録、生活習慣の評価
閉塞性睡眠時無呼吸 いびきと呼吸停止を繰り返し、深い睡眠が減る。自覚に乏しいこともある 簡易検査、終夜睡眠ポリグラフ検査
ナルコレプシー 発作的に強い眠気・居眠りが繰り返し起こり、数分で回復する。情動脱力発作を伴うことがある 終夜睡眠ポリグラフ検査、反復睡眠潜時検査などの専門検査
特発性過眠症 睡眠不足や睡眠を妨げる病気がないのに、日中に強い眠気が続く 同上(専門医療機関での評価)
睡眠・覚醒相後退障害 極端な遅寝遅起きで、朝起きられず遅刻してしまう。思春期・若年成人に多い 睡眠日誌などによる評価
むずむず脚症候群・周期性四肢運動障害 脚の不快感や睡眠中のピクつきで眠りが妨げられ、日中の眠気につながる 問診、必要に応じた検査

ナルコレプシー — 情動脱力発作という特徴的なサイン

ナルコレプシーは過眠症の一つで、日中に発作的な強い眠気と居眠りが繰り返し生じます。特徴的なのは、発作からごく短時間(数分間)で回復し、回復後は眠気が解消したように見えることです。また、大笑いなどの強い感情が引き金となって筋肉の緊張が緩む「情動脱力発作」を伴うことがあります。首に力が入らず頭が少し落ちる、呂律が回らなくなる、全身の力が抜けて崩れ落ちる、といった形をとります。

会議中や食事中など「普通なら眠らない場面」で眠り込む、笑ったときに体の力が抜ける——こうした経験があるなら、睡眠を専門とする医療機関への相談が勧められます。診断には終夜睡眠ポリグラフ検査や反復睡眠潜時検査が必要で、問診だけで判断することはできません。

特発性過眠症 — 長く眠っても眠気が取れない

特発性過眠症では、睡眠不足や睡眠を妨げる病気がないにもかかわらず日中に強い眠気が現れ、長時間眠っても眠気が取れません。「寝ても寝ても眠い」という言葉が最も当てはまる状態の一つですが、診断される人は多くはありません。まずは睡眠不足・睡眠時無呼吸・生活習慣・心の不調といった、頻度の高い原因から順に確かめるのが実際的です。

睡眠・覚醒相後退障害 — 「朝起きられない」が主症状のとき

体内時計が昼夜のサイクルとずれ、眠るべき時刻に寝つけず、起きるべき時刻に起きられなくなる状態です。思春期や若年成人に多くみられ、無理に起きても強い眠気や倦怠感が続きます。入眠困難のため不眠症と見誤られることがあり、朝に日光を浴びることが対処の柱の一つとされています。

むずむず脚症候群・周期性四肢運動障害

むずむず脚症候群は、安静時に脚に「むずむず」「虫が這う」といった不快な感覚が生じ、夕方から夜に強くなって寝つきが妨げられる状態です。周期性四肢運動障害では、睡眠中に脚のピクつきが繰り返し起こり中途覚醒が増えます。いずれも自覚しにくく、日中の眠気だけが表に出ることがあります。

どこに相談すればいい?受診先の振り分けと受診の目安

「寝ても寝ても眠い」で最も迷うのが、どこに行けばよいかという点です。眠気の原因は幅広いため、症状の組み合わせから相談先を絞るのが現実的です。

こんなとき まず相談する先の目安 理由
いびきが大きい、寝ている間に呼吸が止まると指摘された 内科・呼吸器内科・耳鼻咽喉科(睡眠外来があればそこでも可) 睡眠時無呼吸症候群の検査が必要
立ちくらみ・息切れ・むくみ・寒がり・体重変化などを伴う 内科 貧血・甲状腺・糖尿病などを血液検査で確認できる
健康診断や血液検査で異常を指摘されている 内科 指摘された項目の精査が優先される
気分の落ち込み、興味の喪失、自責感が2週間以上続く 心療内科・精神科 うつ病など心の不調の評価が中心になる
はっきりしたストレスがあり、そこから離れると楽になる 心療内科・精神科 適応障害などの可能性を含めて相談できる
普通は眠らない場面で眠り込む/笑うと体の力が抜ける 睡眠を専門とする医療機関 過眠症・情動脱力発作の専門検査が必要
夜に脚がむずむずして眠れない 内科・睡眠を専門とする医療機関 むずむず脚症候群の評価が必要
飲んでいる薬を変えてから眠気が出た 処方した医師・薬剤師 薬の影響の確認が先

迷ったら、まず内科で体の病気を確かめる

どこに行けばよいか判断がつかないときは、まず内科で血液検査を受けるのが分かりやすい第一歩です。眠気を起こしうる代表的な病気の多くは血液検査で確かめられます。ここで異常がなければ、睡眠の問題や心の不調に絞って次のステップへ進めます。

こんなときは早めに相談を

次のような状態があるなら、様子見ではなく相談を検討するタイミングと考えられます。

  • 生活習慣を見直しても、日中の眠気が1ヶ月以上続いている
  • 仕事中や授業中に、こらえきれず眠ってしまうことがある
  • 運転中や機械の操作中に強い眠気を感じたことがある
  • 家族から、いびきや呼吸の止まりを指摘されている
  • 眠気に加えて、気分の落ち込みや興味の喪失が2週間以上続いている
  • 眠気のために仕事・学業・家事に支障が出ている

特に運転や機械操作に関わる眠気は、事故につながる可能性があるため優先度が高い問題です。睡眠の不調が続くときは不眠症セルフチェックで状態を整理してみる方法もあります。ほかの症状も含めて確認したい場合は、症状別のセルフチェック一覧が参考になります。

なお、気分の落ち込みが強く、死にたい気持ちが強いとき・自分を傷つけたくなったときは、ひとりで耐えず、すぐに相談してください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)や、#いのちSOS(0120-061-338)などの公的な相談窓口が利用できます。緊急のときは119番や救急外来という選択肢もあります。

通院の時間が取りにくいときの選択肢

「日中は仕事で病院に行けない」という理由で受診が先延ばしになることは少なくありません。心の不調が疑われる場合には、オンライン診療に対応した医療機関という選択肢もあります。オンライン心療内科・精神科のメントアは、保険適用で、18時〜24時・365日、当日予約にも対応しています。診断書最短即日発行、お薬最短即日発送で、予約から診察までLINEで完結します。ただし前述のとおり、オンライン診療では血液検査や睡眠検査は行えません。眠りに関する薬については不眠に薬は必要?市販薬・睡眠薬・漢方の違いと受診の目安もあわせてご覧ください。

今日からできる工夫と、その限界

原因を確かめるのと並行して、睡眠の質を上げる工夫は今日から始められます。ただし、これらは万能ではありません。工夫しても改善しないときこそ、受診の目安になります。

1. 起床時刻を一定にする — 就寝時刻より起床時刻をそろえるほうが体内時計は整いやすいとされています。休日との差もできるだけ小さくします。

2. 朝、太陽の光を浴びる — 起きたらカーテンを開けます。体内時計をリセットする手がかりになります。

3. 睡眠時間は6時間以上を目安に確保する — 必要量には個人差があるため、日中の眠気と睡眠休養感を手がかりに自分に合う長さを探します。

4. 仮眠は短く、午後の早い時間に — 長い昼寝は夜の眠りを妨げるため、目覚ましをかけて短時間にとどめます。

5. カフェインは量と時刻を管理する — 1日400mgを超えないようにし、夕方以降は控えます。麦茶やそば茶など、カフェインを含まない飲み物に置き換える方法もあります。

6. 寝酒はやめる — 毎日続けている場合は急にやめると眠れなくなることがあるため、週単位で徐々に減らすか、医療機関に相談しながら進めます。

7. 寝る前のスマートフォンを控える — 就寝前は画面から離れ、部屋の照明を落として過ごします。

8. 寝室を整える — 光・音・温度は睡眠の質に影響します。暗く静かで、快適な温度に保ちます。

9. 日中に体を動かす — 適度な運動は良い眠りにつながるとされています。ただし就寝直前の激しい運動は、かえって睡眠の質を下げる可能性があります。

工夫しても改善しないなら、それは「努力不足」ではありません

睡眠ガイド2023には、これらを実践しても不眠症状や睡眠休養感の低下、日中の眠気が改善しない場合は医師の指示を仰ぐよう記載されています。生活習慣の見直しで変わらないということは、生活習慣以外に原因があるという情報です。ここまで工夫してきたこと自体が、医師に伝える貴重な材料になります。

よくある質問

寝ても寝ても眠いのは病気ですか?

必ずしも病気とは限らず、睡眠時間の不足や生活習慣が原因のこともあります。ただし睡眠時無呼吸症候群・貧血・甲状腺機能低下症・糖尿病などの体の病気や、うつ病、過眠症が背景にあることもあります。生活を見直しても眠気が続くなら、医療機関で確かめることが勧められます。

何時間眠れば十分なのでしょうか?

成人ではおおよそ6〜8時間が適正とされ、少なくとも6時間以上を目安に確保することが推奨されています。ただし必要量には個人差があり、6時間未満で足りる人も8時間以上必要な人もいます。日中の眠気と睡眠休養感を手がかりに、自分に必要な長さを探すことが勧められます。

休日に寝だめすれば、平日の睡眠不足は取り戻せますか?

眠りを「ためる」ことはできないとされています。休日の起床時刻が大きく遅れると体内時計が乱れ、社会的時差ボケが生じて生活習慣病やうつ病の発症リスクと関連することが報告されています。休日に長時間眠る必要があること自体が、平日の睡眠不足のサインです。

まず何科を受診すればよいですか?

迷う場合はまず内科が分かりやすい選択です。貧血・甲状腺機能低下症・糖尿病など、眠気を起こしうる代表的な病気は血液検査で確かめられます。いびきや呼吸の止まりを指摘されているなら睡眠時無呼吸の検査ができる医療機関、気分の落ち込みが続くなら心療内科・精神科が目安です。

オンライン診療でも眠気の相談はできますか?

心の不調が関わる眠気については相談できます。ただし血液検査や睡眠中の検査はオンラインでは行えないため、体の病気を確かめる段階では対面の受診が必要です。まず内科で体の病気を確かめ、そのうえで心の面を相談するという順序が現実的です。

うつ病でも眠り過ぎることがあるのですか?

あります。うつ病では不眠が多くみられますが、非定型の特徴を伴うタイプでは過眠が現れやすいとされています。過食や体重増加、体が鉛のように重い感じを伴うことがあります。「眠れているからうつではない」とは言い切れません。

コーヒーで眠気を覚ますのは良くないのでしょうか?

適量なら問題になりませんが、1日400mgを超えると夜の睡眠に影響する可能性があり、夕方以降の摂取は特に影響しやすいとされています。眠気を覚ますためのカフェインが夜の睡眠を削り、翌日の眠気を強める循環になっていないか確認してみてください。

授業中や仕事中に居眠りしてしまいます。ただの寝不足でしょうか?

まず睡眠時間が足りているかを確認しますが、十分眠っていても居眠りが起こる場合は睡眠時無呼吸症候群や過眠症などの可能性があります。通常は眠らない場面で眠り込む、笑ったときに体の力が抜けるといった症状があるなら、睡眠を専門とする医療機関への相談が勧められます。

まとめ

  • 寝ても寝ても眠いときは「睡眠の量が足りない」「質が落ちている」「体や心の病気がある」の3つを順に確かめます
  • 睡眠時無呼吸症候群・貧血・甲状腺機能低下症・糖尿病などの体の病気は検査でしか分からないため、まず内科での確認が勧められます
  • カフェイン・お酒・寝る前のスマートフォン・不規則な起床時刻は、睡眠の質を落とす代表的な要因です
  • うつ病は不眠だけでなく過眠として現れることがあり、「眠れているから違う」とは言い切れません
  • 生活を見直しても眠気が1ヶ月以上続く、居眠りで生活に支障が出ているなら、受診を検討する目安です

眠気が続くのは、あなたの努力が足りないせいではありません。原因が分かれば、対処の方法も見えてきます。今日は起床時刻をそろえる——そんな一歩からでも構いません。

出典・参考文献

つらい症状が続くときは、ひとりで抱え込まずご相談ください。メントアは保険適用のオンライン心療内科・精神科です(18時〜24時・365日、当日予約可)。

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FAQ

心療内科・精神科に関する
よくある質問

仕事帰りでも受診できますか?夜間診療の有無を知りたいです。

クリニックによっては、お仕事をお持ちの方でも通いやすいよう夜間外来を設けている場合があります。当日の最終受付時間や診療曜日は、各院の案内をご確認ください。

今日すぐに診てもらいたいのですが、当日でも受診できますか?

多くのメンタルクリニックは予約制ですが、症状の急変など緊急を要する場合は、当日枠で対応可能なケースもあります。まずは電話やWebサイト等で現在の空き状況を問い合わせるのが確実です。

女性の先生に診察をお願いすることは可能でしょうか?

はい、女性医師が在籍しているクリニックでは、指名や担当日の選択が可能です。公式ホームページの医師紹介欄を確認するか、予約時に「女医を希望」と伝えておくとスムーズです。

漢方薬による治療は受けられますか?

西洋薬だけでなく、体質や症状に合わせた漢方薬を処方しているクリニックも多くあります。「なるべく自然な薬を使いたい」などのご希望があれば、診察時に医師へご相談ください。

診察にかかる費用が気になります。保険は使えますか?

基本的に健康保険が適用されるため、自己負担3割程度で受診いただけます。初診料や処方箋の有無で前後しますが、一般的な目安として数千円程度(4,000円〜6,000円前後)を見ておくと安心です。

診断書を書いてもらうことはできますか?

基本的には、医師が必要と判断した場合、職場や学校に提出するための診断書を発行してくれます。予約時や診察中に「診断書希望」と伝えておくとスムーズです。

初めての受診で、うまく話せるか不安です。準備は必要ですか?

全てを完璧に話そうとしなくても大丈夫です。「いつから」「どのような症状で困っているか」を簡単で良いのでメモしてお持ちいただくと、伝え漏れがなくなり、診察がよりスムーズに進むでしょう。

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