ストレスで胃が痛くなることは、実際にあります。ただし同じみぞおちの痛みは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍やピロリ菌感染、逆流性食道炎、胆石や膵臓の病気、痛み止めの影響でも起こります。いずれも治療の対象になるため、胃痛が続くときにまず確かめるのは「体の側」です。忙しい時期になると決まってみぞおちが痛み、「自分は胃が弱いだけ」と言い聞かせてきませんでしたか。胃痛は気の持ちようで止められる症状ではなく、あなたの心が弱いから起こるものでもありません。
この記事では、次のことがわかります。
- 受診を急ぐ胃痛のサイン(吐血・黒い便・激しい腹痛など)
- ストレスで胃が痛くなるしくみ(自律神経・胃酸と粘膜の防御・脳腸相関)
- 胃痛の原因になる体の病気と、ピロリ菌検査・除菌の位置づけ
- 検査で異常が見つからないのに症状が続く「機能性ディスペプシア」という状態
- 適応障害・不安症・うつ病が背景にあることと、受診先の振り分け・今日からできること
この記事の監修
星野 奈生子(精神科医)
ストレスで胃が痛くなるのは本当?ただし確かめる順番は「体の側」が先
胃痛とは、みぞおち(上腹部)を中心とした痛みや不快感です。差し込むような痛み、焼けつく痛み、鈍い痛み、空腹感に似た痛みなど、感じ方は人によって異なります。ストレスや緊張で胃が痛くなるのは事実ですが、胃痛は治療の必要な病気のサインとしても現れます。「ストレスのせい」と決めて様子を見続けることは勧められません。
ストレスと胃痛がつながるしくみ
強い緊張や不安を感じると、体は危険に備えるモードに切り替わります。優位になるのは自律神経のうちの交感神経で、心拍数や血圧が上がる一方、消化にまわしていた血流は後回しになります。その結果、胃の動きが鈍り、もたれや痛みとして感じられると考えられています。
もうひとつの鍵が、胃を守るしくみのバランスです。胃の内側は強い酸性の胃液にさらされていますが、粘液の層と血流、粘膜を修復する働きに守られています。MSDマニュアル家庭版では、この防御・修復のしくみが弱まり、粘膜が胃酸による損傷を受けやすくなったときに潰瘍ができると説明されています。
さらに、脳と消化管は自律神経やホルモンを介して双方向に影響し合っています。これは脳腸相関と呼ばれ、大事な日の朝に胃が重くなる、といった経験を説明する仕組みです。胃痛は気持ちの問題ではなく、体の中で実際に起きている反応です。
医学でいう「ストレス潰瘍」は、日常の心の負担とは別のものです
「ストレスで胃に穴が開く」とよく言われます。ただし医学でいう「ストレス性潰瘍」は、MSDマニュアル家庭版では重度の病気、広い範囲のやけど、大きなけがといった身体的なストレスによって生じるものとして説明されています。仕事のプレッシャーと同じ意味ではありません。一方で、十二指腸潰瘍の痛みはストレスの多い時期に再発しやすいことが知られています。心理的な負担は「潰瘍そのものの原因」というより、もともとある病気を悪化させ、症状を出やすくする要因と理解するほうが実態に近いのです。
様子をみてよい胃痛・よくない胃痛
一度きりで短時間、思い当たる原因(食べすぎ、飲みすぎ、寝不足、強い緊張)があり、ほかの症状を伴わない胃痛なら、原因を減らして経過をみる余地はあります。一方、次の章のサインを伴う、2週間以上続く、回数や強さが増している、体重が減っている場合は様子見の対象ではありません。
【最優先】受診を急ぐ胃痛のサイン
胃痛そのものより、痛みに何が伴っているかが緊急度を分けます。次のサインがあるときは、時間をおかずに医療機関を受診してください。状況により救急受診が必要です。
| こんな症状を伴う胃痛 | 可能性 | どうする |
|---|---|---|
| 血を吐いた、コーヒーの残りかすのようなものを吐いた | 胃や十二指腸の出血 | すぐに医療機関へ。量が多ければ119番 |
| 黒いタール状の便が出た、便に血が混じる | 消化管からの出血 | すぐに医療機関(消化器内科・救急)へ |
| 突然の激しい腹痛が続く、お腹が板のように硬い | 潰瘍の穿孔など緊急の病気 | 迷わず119番・救急受診 |
| 嘔吐を繰り返して水分がとれない、尿が出ない | 脱水など | その日のうちに受診。動けなければ救急 |
| 体重が急に減る、食べられない状態が続く | 消化管の病気(腫瘍を含む) | 数日以内に消化器内科へ |
| 飲み込みにくい、飲み込むと痛い | 食道の病気 | 数日以内に消化器内科へ |
| 発熱を伴う、お腹を押すと強く痛む | 胆のう・膵臓・腹部の炎症 | その日のうちに受診 |
| 立ちくらみ、動悸、顔色が悪い | 出血に伴う貧血 | その日のうちに受診 |
| 息切れ・冷や汗・胸の圧迫感を伴う | 心臓の病気 | 迷わず119番 |
MSDマニュアル家庭版でも、息切れ・発汗・心拍数の増加を伴うみぞおちの不快感は直ちに診察を受ける必要があるとされ、体重減少、便に血が混じる、飲み込みにくさなどが警戒すべき徴候として挙げられています。
「胃の痛み」に見える心臓の病気があります
意外に思われるかもしれませんが、心筋梗塞や狭心症が胸痛ではなくみぞおちの不快感だけとして現れることがあります。とくに冷や汗・息切れを伴うとき、体を動かすと出て休むと消える痛みが続くときは、胃だけの問題として片づけないでください。判断に迷うときは、救急車を呼ぶべきか相談できる窓口(#7119 など)が地域によって用意されています。
⚠️ オンライン診療では内視鏡・血液検査・エコー・ピロリ菌検査ができません
オンライン診療は画面越しの問診が中心です。そのため、胃カメラ(上部消化管内視鏡)・血液検査・腹部エコー・レントゲンやCT・ピロリ菌の検査は行えません。 お腹を触って診察することもできません。「体の病気ではない」と確認する目的には使えない仕組みです。胃痛が続くときは、まず対面で受診できる内科・消化器内科を選んでください。
胃痛の原因になる体の病気 — まず確かめたい6分類
胃痛を起こす体の病気は幅広く、いずれも診察と検査で確かめる必要があります。自分で判定するためではなく、「こうした可能性があるから検査を受ける意味がある」と知るための一覧です。
| 分類 | 代表的なもの | 痛みの出方・伴いやすい症状 | 主な受診先 |
|---|---|---|---|
| 胃・十二指腸の潰瘍 | 胃潰瘍、十二指腸潰瘍 | 焼けるような痛み、空腹時や夜間の痛み | 内科・消化器内科 |
| 胃の炎症 | 急性胃炎、慢性胃炎 | 飲酒や薬のあとの痛み、もたれ、吐き気 | 内科・消化器内科 |
| 細菌の感染 | ピロリ菌感染 | 無症状のことも多く、胃炎・潰瘍の背景にある | 内科・消化器内科 |
| 食道と胃のつなぎ目 | 逆流性食道炎(胃食道逆流症) | 胸やけ、酸っぱいものが上がる、就寝時に悪化 | 内科・消化器内科 |
| 胆のう・膵臓の病気 | 胆石、胆のう炎、膵炎 | 脂っこい食事のあとの強い痛み、背中に抜ける痛み | 内科・消化器内科(強い痛みは救急) |
| 薬・生活の影響 | 痛み止め(NSAID)、アルコール、喫煙 | 飲み始めや増量の時期と重なる | 処方元の医師・薬剤師 |
胃潰瘍・十二指腸潰瘍 — 2大原因はピロリ菌と痛み止め
消化性潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜が胃酸などで傷つき、えぐれた状態です。MSDマニュアル家庭版では、群を抜いて多い原因としてピロリ菌の感染と、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)と呼ばれる種類の痛み止めの使用の2つが挙げられています。喫煙者は潰瘍ができやすく、治りにくいことも知られています。
痛み方にも手がかりがあります。十二指腸潰瘍では、起床時は痛くないのに午前中に痛む、食べると和らぐが2〜3時間でまた痛む、夜間に痛みで目が覚める、といったパターンが多いとされています。ただし典型的な症状が現れるのは半数程度とも説明されており、「教科書どおりでないから潰瘍ではない」とは言えません。出血すれば吐血や黒い便として現れ、痛みがないまま出血していることもあります。
ピロリ菌感染 — 検査と除菌は対面の医療機関で
ピロリ菌は胃の粘膜に住みつく細菌で、胃炎や消化性潰瘍の原因として世界でもっとも多いものとされています。胃酸の分泌を増やし、胃を守る働きを損なうことで潰瘍ができる一因になり、感染が長期に及ぶと胃がんのリスクが高まることも知られています。検査には呼気(吐く息)・便・胃カメラでの組織検査などがあり、感染が確認されれば抗菌薬と胃酸を抑える薬による除菌治療が行われます。検査も除菌も、対面で受診できる内科・消化器内科でしか行えません。
逆流性食道炎・急性胃炎 — 生活の影響を受けやすい2つ
胃食道逆流症(逆流性食道炎)は、胃酸が食道へ逆流して炎症を起こす状態です。胸やけ、酸っぱいものが上がる感じ、みぞおちや胸の痛みが出ます。食べてすぐ横になる、就寝前の食事といった習慣が関わることがあります。急性胃炎は胃の粘膜に急に炎症が起きた状態で、MSDマニュアル家庭版ではアルコールや痛み止め(NSAID)などの刺激物が原因になると説明されています。
胆のう・膵臓の病気と、薬・アルコールの影響
胆石や胆のうの炎症では、脂っこい食事のあとに右上腹部やみぞおちが強く痛み、右の背中や肩に抜ける痛みを伴うことがあります。膵臓の炎症では、みぞおちから背中にかけての強い痛みが続きます。どちらも「胃が痛い」と表現されがちで、発熱や黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)を伴うときは急ぐ必要があります。
見落とされやすいのが薬の影響です。市販薬を含む痛み止めのうちNSAIDと呼ばれる種類は、胃の粘膜を守る働きを弱めます。頭痛や生理痛で常用しているなら、痛みが出た時期と服用の時期が重なっていないか確認してみてください。服用中の薬は自己判断で中止せず、処方元の医師か薬剤師に相談してください。
機能性ディスペプシアという状態 — 「異常なし=気のせい」ではありません
胃の症状で受診し、内視鏡などの検査を受けても異常が見つからない。それでも症状は続く。この状態には名前がついています。機能性ディスペプシアです。
どんな症状で、どう位置づけられるのか
MSDマニュアル家庭版では、ディスペプシア(消化不良)は上腹部の痛みや不快感を指し、ガスがたまった感じ、膨満感、差し込むような痛みなどと表現されます。少し食べただけでお腹がいっぱいになる(早期満腹感)といった出方もあります。そして、身体診察でも内視鏡検査でも画像・血液検査でも異常が認められない場合、これは非潰瘍性のディスペプシア(機能性ディスペプシア)と呼ばれ、胃の感覚や腸の収縮に対する感受性が高まることで症状が生じている可能性があるとされています。「原因不明だから終わり」ではなく、名前のついた診療の対象です。
検査で異常が出ないのに、なぜつらいのか
「異常なし」と言われて、かえって落ち込んだ経験はありませんか。押さえておきたいのは、検査でわかるのは主に形の異常(傷、炎症、腫瘍)だという点です。胃の動きのタイミングや、胃が伸びたときの感じ方の敏感さは、内視鏡の画像には写りません。慢性の腹痛についても、消化管の神経と脳腸相関が過敏になり、多くの人には苦にならない正常な動きが痛みとして感じられることがあると説明されています。症状は実際に起きています。
不安との関係を、正確に知っておく
ここは誤解が多いので、はっきり書きます。MSDマニュアル家庭版には、不安のみによってディスペプシアが生じることはないと記されています。同時に、不安があると不快感への心配が高まり、軽度の不快感が大きな苦痛になることで症状が悪化する場合があるとも説明されています。「不安だから胃の症状は存在しない」のではなく、「胃で起きている変化に不安が上乗せされ、つらさが増幅される」ということです。
病院では何を調べる?検査でわかること・わからないこと
どんな検査をするのか分かっていると、受診のハードルは少し下がります。すべてを一度に行うわけではなく、問診と診察の内容に応じて選ばれます。
| 検査 | わかること | 補足 |
|---|---|---|
| 問診・お腹の診察 | 緊急性の高い腹部の病気の手がかり | まず最初に行われます |
| 血液検査 | 貧血、炎症、肝臓・膵臓・腎臓の状態 | 出血に伴う貧血の確認にも |
| ピロリ菌の検査 | 感染の有無(呼気・便・組織検査) | 感染があれば除菌治療を検討 |
| 胃カメラ(上部消化管内視鏡) | 胃炎・潰瘍・食道の炎症・腫瘍の有無 | 警戒すべき徴候がある場合に |
| 腹部エコー | 胆のう・肝臓・膵臓・腎臓の状態 | 体への負担が少ない検査 |
| 心電図 | 心臓が原因の痛みの手がかり | 冷や汗・息切れを伴う場合に |
「いつ・どんなときに痛むか」の記録が武器になります
胃痛は、診察室に着いた頃には落ち着いていることが多い症状です。次の項目をメモに残すだけで、診察の精度が上がります。
- いつから、どのくらいの頻度で、1日の中でいつ痛むか(起床時・空腹時・食後・夜間)
- 食事との関係(食べると和らぐ/痛む)、痛みの種類、平日と休日の差
- 体重の変化、便の色、飲んでいる薬・市販薬、飲酒と喫煙の量
「検査で異常なし」と言われたときに考えること
緊急性の高い病気の可能性は下がりますが、そこで終わりにする必要はありません。症状が続くなら経過を伝えてもう一度相談し、そのうえでストレス反応や不安・抑うつなどの背景を検討する段取りへ進みます。
ストレス・心の不調が関わる胃痛の特徴と、背景にあることがある状態
ストレスや不安が関わる胃痛には、いくつかの傾向が知られています。ただし、これは傾向であって自己診断の基準ではありません。
| 項目 | ストレスが関わる胃痛に多い傾向 | 体の病気による胃痛に多い傾向 |
|---|---|---|
| 出るタイミング | 特定の場面の前後(出勤前・会議前) | 空腹時、食後、服薬後 |
| 曜日や時間の差 | 平日の朝に強く、休日は軽いことがある | 曜日と関係なく出る |
| 伴いやすい症状 | 動悸、手のふるえ、発汗、寝つきの悪さ | 胸やけ、吐血や黒い便、発熱、体重減少 |
| 検査の所見 | 異常が見つからないことが多い | 異常が見つかることがある |
場面や曜日と結びつく痛み
ストレスが関わる胃痛で特徴的なのが、場面との結びつきです。出社前の電車の中、上司に報告する直前、休み明けの朝。そうした状況で決まって痛み、その場を離れると軽くなる、という出方をすることがあります。この経過そのものが、診察で意味のある情報になります。
⚠️「週末は平気だから心の問題」と自分で決めない
平日に強く休日に軽いという差は、ストレスの関与を疑う手がかりにはなります。しかし、それだけで「体の病気ではない」と結論づけることはできません。休日は睡眠時間も食事の内容も飲酒やコーヒーの量も変わるため、その条件だけでも症状の軽重は変わります。潰瘍や逆流性食道炎がある人がストレスを受ければ、どちらの影響も受けます。体の病気とストレスは同時に存在しうるのです。
適応障害のことがあります
体の病気が確認されなかった場合、胃痛の背景に心の不調があることがあります。「そう決まる」のではなく、そういうことがあるという整理として読んでください。
適応障害は、はっきり特定できるストレス(異動、昇進、人間関係、介護など)が始まってから比較的短い期間のうちに、気分の落ち込みや不安とともに、胃痛・不眠といった体の症状が出て、仕事や生活に支障が出ている状態です。ストレスの原因から離れると軽くなりやすいのが特徴とされています。当てはまるかを整理したい方は、適応障害セルフチェックで項目を確認する方法もあります。セルフチェックは受診を検討する目安であり、診断は医師の診察によって行われます。
不安症・うつ病のことがあります
国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」では、不安症は強い不安や心配が続き、日常生活に支障が出る状態として説明されています。不安が強い時期に、動悸や発汗とともに胃の不快感が現れることがあります。うつ病では、気分の落ち込みとともに食欲の低下、不眠、強い倦怠感が現れます。胃の不快感が前面に出て、内科をいくつも受診してから心療内科にたどり着く方もいます。2週間以上、気分の落ち込みと体の不調がそろって続くときは、心の側の相談も選択肢です。
なお、つらさが強く「消えてしまいたい」という気持ちが出てきたときは、ひとりで抱えないでください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)や#いのちSOS(0120-061-338)といった公的な相談窓口が利用できます。死にたい気持ちが強いとき、自分を傷つけたくなったときは、すぐに相談してください。
どこを受診すればいい?症状別の振り分け
胃痛の受診先は、緊急度と伴っている症状で決まります。
| こんなとき | 受診先 | 目安の時期 |
|---|---|---|
| 吐血・黒い便・突然の激しい腹痛・お腹が板のように硬い | 救急外来(119番) | すぐに |
| 息切れ・冷や汗・胸の圧迫感を伴う胃の痛み | 救急外来(119番) | すぐに |
| 嘔吐を繰り返して水分がとれない | 救急外来、または当日診てもらえる内科 | その日に |
| みぞおちの痛みが2週間以上続く、体重が減っている | 内科・消化器内科 | 数日〜2週間以内 |
| 家族に胃がん・胃潰瘍の人がいる、ピロリ菌が未検査 | 内科・消化器内科 | 早めに予約 |
| 痛み止めなどを飲み始めてから胃が痛い | 処方元の医師・薬剤師 | 次回受診時か電話相談 |
| 検査で異常なしだが、特定の場面で胃痛が出て支障がある | 心療内科・精神科 | 早めに予約 |
| 胃痛に加えて不眠・気分の落ち込みが2週間以上続く | 心療内科・精神科 | 早めに予約 |
迷ったら「内科・消化器内科が先」でよい理由
決められないときは、体の病気を確かめる側を先にするのが原則です。見逃したときの影響が大きいのは体の病気のほうだからです。心療内科を先に受診しても、多くの医師は体の病気の可能性を確認し、必要なら内科を提案します。「順番を間違えた」と気に病む必要はありません。
心療内科・精神科に相談するタイミング
- 体の検査で説明のつく異常がないと言われたが、胃痛が続いている
- 特定の場面(出勤・会議・面談・登校)の前になると決まって胃が痛くなる
- 胃痛に加えて、不眠・食欲低下・気分の落ち込みが2週間以上続いている
- 「また痛くなったら」という不安で外出や食事の予定を避ける、飲酒でまぎらわせることが増えている
自分の状態を言葉にしづらいときは、症状別のセルフチェックの結果を見せながら伝える方法もあります。これまでに受けた検査と結果もあわせて伝えると、診察が早く進みます。
今日からできることと、その限界
体の病気の確認と並行して、胃の負担を減らす工夫はあります。ただし治療の代わりではありません。
食事は「量を減らして、回数を分ける」
一度に多く食べると胃の負担が増えます。1回の量を減らして回数を分ける、よく噛んでゆっくり食べる、食後2〜3時間は横にならない、といった調整が基本です。空腹の時間が長いと痛む方は、間食を挟む方法が合うこともあります。食べられない日が続くこと自体が受診の理由になります。
刺激物・アルコール・カフェイン・喫煙を見直す
香辛料の強い料理、脂っこいもの、熱すぎる飲食物は、症状が強い時期は控えます。アルコールは胃の粘膜を刺激し、胃酸の分泌を増やすとされています。コーヒーを空腹時に飲む習慣があるなら、量とタイミングの把握から始めます。1〜2週間試して変化を記録すると、受診時の材料になります。
睡眠と生活リズムを立て直す
睡眠不足は交感神経が優位な状態を長引かせ、胃の症状を感じやすくします。就寝・起床の時刻をそろえる、夕食を早めるといった基本から始めます。夜中に痛みで目が覚める状態が続くときは、生活の工夫だけで解決しようとせず受診してください。
市販の胃薬との付き合い方
市販の胃薬は、種類によって働き方が違います。どれが自分の症状に合うのか、いま飲んでいる薬と併用してよいのかは、薬剤師や医師に相談して選んでください。使い続けると症状が隠れて受診が遅れることにも注意が必要です。
セルフケアの限界と、オンライン診療の位置づけ
生活の見直しで軽くなる胃痛はあります。しかし2〜4週間続けても変わらない、回数や強さが増している、食事量や体重が落ちている場合は、セルフケアの範囲を超えています。
体の病気の確認を終えたあと、心の側の相談を続けたいときには、オンライン診療という選択肢があります。オンライン心療内科・精神科のメントアは、保険適用で、18時〜24時・365日、当日予約可に対応しています。診断書最短即日発行、お薬最短即日発送で、予約から診察までLINEで完結します。一方でオンライン診療では内視鏡・血液検査・エコー・ピロリ菌検査は行えません。対面で体を確かめ、その後の相談をオンラインで、という使い分けを前提にしてください。
よくある質問
ストレスだけで本当に胃が痛くなることはありますか?
あります。強い緊張や不安があると自律神経のはたらきが変化し、胃の血流や動きが変わることで痛みとして感じられると考えられています。脳腸相関という仕組みも関わります。ただし潰瘍やピロリ菌感染でも同じ痛みが出るため、症状の出方だけで自己判断することは勧められません。
ストレスで本当に胃に穴が開くことはありますか?
医学でいうストレス性潰瘍は、重い病気や大きなけが、広い範囲のやけどなど、身体的なストレスによって生じるものとして説明されています。日常の心理的な負担がそのまま穴を開けるという意味ではありません。ただし潰瘍がある人では、ストレスの多い時期に痛みが再発しやすいことが知られています。突然の激しい腹痛は穿孔の可能性があり、救急受診の対象です。
胃痛が続いています。何日くらいで受診すべきですか?
目安は2週間ですが、伴う症状で変わります。吐血・黒い便・激しい腹痛・体重減少・飲み込みにくさ・冷や汗や息切れがあれば、日数にかかわらずすぐに受診してください。回数や強さが増している、市販薬でしのぐ日が増えているなら受診の段階です。
ピロリ菌の検査は受けたほうがよいですか?
胃炎や潰瘍を繰り返している方、家族に胃がんや胃潰瘍の方がいる場合は、一度確かめておく価値があります。感染が長く続くと胃がんのリスクが高まるためです。検査には呼気・便・内視鏡での組織検査などがあり、いずれも対面の医療機関で行われます。
「検査で異常なし」と言われました。もう心配いりませんか?
緊急性の高い病気の可能性は下がりますが、「気のせい」という意味ではありません。機能性ディスペプシアのように、検査で異常が出なくても診療の対象になる状態があります。症状が続くなら経過を伝えて再度相談する価値があります。
オンライン診療で胃痛の相談はできますか?
ストレスや不安が関わる胃の症状の相談は可能です。ただしオンライン診療では内視鏡・血液検査・エコー・ピロリ菌検査ができないため、胃や十二指腸の病気の除外はできません。吐血・黒い便・激しい腹痛・冷や汗や息切れを伴う場合は、対面での受診(緊急時は救急受診)が必要です。
まとめ
- ストレスで胃が痛くなることは実際にあります。自律神経の変化、胃酸と粘膜の防御のつり合い、脳腸相関が関わっていると考えられています
- ただし同じ痛みは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、ピロリ菌感染、逆流性食道炎、急性胃炎、胆石や膵臓の病気、痛み止めの影響でも起こります。続くときは体の側を先に確かめてください
- 吐血やコーヒー残渣のような嘔吐、黒いタール状の便、突然の激しい腹痛、水分がとれない嘔吐、体重減少、飲み込みにくさ、発熱、立ちくらみ——これらを伴う胃痛は医療機関へ。状況により救急受診が必要です
- 検査で異常が見つからないのに症状が続く状態は機能性ディスペプシアと呼ばれます。「異常なし=気のせい」ではなく、診療の対象です
- 受診先は、緊急性があれば救急、胃の症状が続くなら内科・消化器内科、検査後も場面と結びつく痛みが続くなら心療内科・精神科が目安です。オンライン診療では内視鏡やピロリ菌検査ができません
胃痛は、まわりから見えにくいぶん、ひとりで抱え込みやすい症状です。だからこそ、順番だけ決めておけば十分です。急ぐサインがあれば医療機関へ、なければ体の検査へ、そのうえで心の側へ。ひとりで抱え込まず、できるところから始めてください。
出典・参考文献
- MSDマニュアル家庭版「消化性潰瘍」
- MSDマニュアル家庭版「胃炎」
- MSDマニュアル家庭版「ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症」
- MSDマニュアル家庭版「消化不良」
- MSDマニュアル家庭版「胃食道逆流症(GERD)」
- MSDマニュアル家庭版「慢性腹痛と反復性腹痛」
- MSDマニュアル家庭版「急性腹痛」
- MSDマニュアル家庭版「胆石」
- 国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト「不安症」
- 国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト「うつ病」
- 厚生労働省「こころの耳」働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」(相談窓口の案内)
- 公益社団法人 日本精神神経学会
つらい症状が続くときは、ひとりで抱え込まずご相談ください。メントアは保険適用のオンライン心療内科・精神科です(18時〜24時・365日、当日予約可)。
FAQ
心療内科・精神科に関する
よくある質問
仕事帰りでも受診できますか?夜間診療の有無を知りたいです。
クリニックによっては、お仕事をお持ちの方でも通いやすいよう夜間外来を設けている場合があります。当日の最終受付時間や診療曜日は、各院の案内をご確認ください。
今日すぐに診てもらいたいのですが、当日でも受診できますか?
多くのメンタルクリニックは予約制ですが、症状の急変など緊急を要する場合は、当日枠で対応可能なケースもあります。まずは電話やWebサイト等で現在の空き状況を問い合わせるのが確実です。
女性の先生に診察をお願いすることは可能でしょうか?
はい、女性医師が在籍しているクリニックでは、指名や担当日の選択が可能です。公式ホームページの医師紹介欄を確認するか、予約時に「女医を希望」と伝えておくとスムーズです。
漢方薬による治療は受けられますか?
西洋薬だけでなく、体質や症状に合わせた漢方薬を処方しているクリニックも多くあります。「なるべく自然な薬を使いたい」などのご希望があれば、診察時に医師へご相談ください。
診察にかかる費用が気になります。保険は使えますか?
基本的に健康保険が適用されるため、自己負担3割程度で受診いただけます。初診料や処方箋の有無で前後しますが、一般的な目安として数千円程度(4,000円〜6,000円前後)を見ておくと安心です。
診断書を書いてもらうことはできますか?
基本的には、医師が必要と判断した場合、職場や学校に提出するための診断書を発行してくれます。予約時や診察中に「診断書希望」と伝えておくとスムーズです。
初めての受診で、うまく話せるか不安です。準備は必要ですか?
全てを完璧に話そうとしなくても大丈夫です。「いつから」「どのような症状で困っているか」を簡単で良いのでメモしてお持ちいただくと、伝え漏れがなくなり、診察がよりスムーズに進むでしょう。
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保険診療だから通院時と同じ負担
初診5,400円前後、再診2,900円前後(保険適用時)。保険適用のため、安心して受診いただけます。
プライバシー配慮で安心
お薬の発送元はクリニックだとわからない表記に。周りに知られる心配がなく、安心してご相談いただけます。
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40万件以上の相談実績を持つ電話カウンセリングサービス「エキサイトお悩み相談室」と提携。お薬の服用に抵抗がある方は、まずこちらでお話しするのもおすすめです。