皮膚むしり症とは、かさぶたやニキビ、ささくれなどを繰り返しむしってしまい、やめようとしてもやめられず、皮膚に傷や跡が残ったり生活に支障が出たりしている状態です。これは「悪いクセ」の総称ではなく、米国精神医学会の診断基準DSM-5に収載された正式な診断名で、強迫症および関連症群というグループに位置づけられています。「気づくと手が動いている」「今日こそやめようと決めたのに、また同じことをしてしまった」と、ご自身を責めていませんか。やめられないのは意志が弱いからではなく、この状態そのものの特徴であり、行動療法を中心とした治療の対象になると考えられています。

この記事では、次のことがわかります。

  • 皮膚むしり症の定義と、誰にでもある癖との具体的な違い
  • 無意識のうちにむしる型と、意識してむしる型の特徴
  • 強迫症・抜毛症との関係、そして自傷行為との違い
  • 皮膚科と心療内科・精神科の役割分担(両方かかってよい理由)
  • 習慣逆転法などの治し方と、通院費用を支える公的制度
  • 今日からできる工夫と、その限界/受診を考える目安

この記事の監修

星野 奈生子(精神科医)

皮膚むしり症とは? — 「クセ」ではなく診断名のある状態です

皮膚むしり症とは、健康な皮膚やかさぶた、吹き出物などを繰り返しむしることで皮膚に傷ができ、やめようとしても続いてしまい、強い苦痛や生活への支障が生じている状態です。医学的には「皮膚剥皮症」とも呼ばれ、英語ではExcoriation(Skin-Picking)Disorderと表記されます。MSDマニュアルによれば、診断は「皮膚をむしることで目に見える傷ができていること」「減らそう・やめようと繰り返し試みていること」「大きな苦痛や生活の支障があること」の3点をもとに判断されるとされています。

「病名がある」ことは、責める材料ではなく手がかりです

「こんなことで病院に行っていいのか」「ただの癖なのに大げさではないか」とためらう人は少なくありません。しかし、名前のある状態として整理されているということは、同じことで困っている人が一定数いて、対処の方法が検討されてきた領域だということでもあります。原因を性格や意志の強さに求めて自分を責め続けるより、どんな場面で起きているのかを整理するほうが現実的とされています。

どんな行為が当てはまる?

「皮膚をむしる」と聞くと激しい行為を想像するかもしれませんが、実際にはごく日常的な動作の延長にあります。次のような行動が、繰り返しと苦痛をともなって続いている場合が該当します。

  • かさぶたを剥がしてしまう(治りかけると、また剥がしてしまう)
  • ニキビや吹き出物をつぶす、芯を出そうとする
  • 指のささくれや甘皮をむしる、噛む
  • 頭皮や耳の後ろ、背中などのざらつきを爪でかき取る
  • 唇の皮をむく、乾いた部分をつまみ取る
  • 毛穴の角栓や、たこ・魚の目をむしり取る

爪だけでなく、ピンセットや毛抜き、針などの道具を使う人もいます。部位は顔・頭皮・腕・脚・指先などさまざまで、複数の部位に傷や跡が残ることもあります。

どれくらいの人にみられる?

MSDマニュアル家庭版では、任意の時点で人口のおよそ2〜3%にみられ、そのうち約60〜75%が女性であると紹介されています。始まる時期は青年期が多いとされますが、どの年齢でも発症しうるとされています。思春期はニキビが出やすい時期でもあり、「肌をきれいにしたい」という気持ちから始まった行為が、やめられない繰り返しに変わっていくことも少なくありません。決してまれな状態ではなく、周囲に気づかれていないだけの人もいます。

なぜ「意志の問題」ではないと言えるのか

皮膚むしり症の多くの人は、すでに何度も「やめよう」と決意しています。むしろ、繰り返し減らそうと試みているのに続いてしまうことが、診断のうえで重視される要素のひとつです。つまり「やめようとしていない人」ではなく、「やめようとしても続いてしまう人」がこの状態に当てはまります。意志の力で解決できるなら、とうに解決しているはずです。必要なのは、より強い決意ではなく、行動が起きるしくみに合わせた対処だと考えられています。

誰にでもある癖との違い — 見分けるための5つの視点

かさぶたを剥がしたり、ささくれをむしったりすること自体は、多くの人が経験します。皮膚むしり症との線引きは、行為の種類ではなく「やめられるか」「どれだけ時間と皮膚が損なわれているか」「隠しているか」「苦痛があるか」にあります。

見分けの視点 誰にでもある癖の範囲 皮膚むしり症でみられるパターン
やめられるか やめようと思えばやめられる やめようと何度も試みているのに続いてしまう
かける時間 気づいたときに少し触る程度 毎日まとまった時間を取られ、予定や睡眠に食い込むことがある
皮膚の状態 傷は残らず、数日で自然に治まる 傷が治りきらない。出血・化膿・色素沈着・瘢痕(跡)が残る
隠すかどうか 特に隠さない 長袖・ばんそうこう・化粧・髪型で隠す。人前ではむしらない
気持ち 特に気にならない 恥ずかしさ・自己嫌悪・後悔があり、苦痛を感じている

中心にあるのは「やめようとしてもやめられない」こと

5つの視点のうち、最も重要なのが「やめられるかどうか」です。むしっている最中は他のことが頭から抜け、気づくと数十分が過ぎているという人もいます。終わった後に強く後悔し、「明日はやらない」と決めても、翌日また同じ場面で手が動いてしまう——この繰り返し自体が、性格ではなく症状として扱われる部分です。

隠すようになったら、ひとりで抱えているサインです

MSDマニュアルでは、多くの人が傷を衣服や化粧でカモフラージュしようとし、家族を除けば他人の前ではむしらないことが典型的だと記載されています。裏を返すと、「恥ずかしさを自覚しながら、誰にも言えずに続けている」状態が長く続きやすいということです。夏でも長袖を選ぶ、写真を避ける、人と会う予定を減らすなど、生活の選択肢が狭まっていくなら、それは我慢ではなく相談の対象と考えてよい段階です。

体に出る影響も見逃さないでください

皮膚をむしり続けることで、瘢痕化や感染、過度の出血が起こることがあると報告されています。傷が赤く腫れる、熱をもつ、じゅくじゅくして治らないといった変化があるときは、行動への対処と並行して皮膚そのものの手当てが必要です。「自分でやったことだから」と受診をためらう必要はありません。

どんなときに出やすい? — 無意識のうちにむしる型と、意識してむしる型

皮膚むしり症は、いつでも同じように起きるわけではなく、出やすい場面がかなりはっきりしていることが多い状態です。MSDマニュアルでは、それについて考えることなくいくらか無意識にむしる人がいる一方で、より意識的に行う人もいるとされています。この2つは対処の方向が異なるため、自分がどちらに近いかを知っておくと役に立ちます。

項目 無意識のうちにむしる型 意識してむしる型
気づき方 気づくと手が動いている。人に指摘されて初めて気づくことも 「ここを取ってしまおう」と意図して始める
出やすい場面 テレビ・動画・スマートフォンを見ているとき、読書中、考えごと中、退屈なとき 鏡の前、洗面所、明るい照明の下、入浴後、寝る前
引き金になりやすいもの 手持ちぶさた、疲れ、単調な作業、眠気 緊張・不安・いらだち、ざらつきや凹凸を見つけたとき
対処の方向 「気づく」しくみを作る(記録・目印・手をふさぐ) 引き金に近づく時間と環境を減らす

多くの人は、どちらか一方ではなく両方の型を併せ持っています。まずは1週間ほど、どの場面で起きているかを把握することから始めると、対策の的が絞れます。

退屈・緊張・鏡の前 — 引き金になりやすい3つの場面

代表的な引き金は、退屈(手持ちぶさたな時間)、緊張や不安(締め切り前、人間関係の悩み、試験前など)、そして鏡の前です。特に洗面所は、明るい照明と拡大鏡が「気になる凹凸」を見つけやすく、長時間の行為につながりやすい場所とされています。疲れているとき、眠れない夜に増えるという人も少なくありません。

「むしるとすっきりする」が繰り返しを強めます

MSDマニュアルでは、皮膚をむしる直前に緊張感や不安を抱いていて、むしることでそうした感情が和らぐことがあると説明されています。この「一時的に楽になる」という体験が、次に同じ場面が来たときに同じ行動を選ばせる方向に働き、繰り返しが強まっていくと考えられています。むしった後の後悔や恥ずかしさが、また新たな引き金になることもあります。悪循環を断つには、意志で我慢するより、引き金と行動のつながりを組み替えるほうが現実的とされています。

「肌をきれいにしたい」から始まることもあります

「ここさえ取れば肌がきれいになる」と思って始めた行為が、結果として傷や跡を増やしてしまうことは珍しくありません。動機自体は自然なものですが、外見の悩みが行為の中心にある場合は、身体醜形症という別の状態との見分けが必要になることがあります。MSDマニュアルでも、皮膚むしり症のむしる行為は外見に関する悩みによって誘発されるものではない、と区別されています。どちらであっても相談先は同じです。

強迫症・抜毛症との関係と、自傷行為との違い

皮膚むしり症は、DSM-5では強迫症および関連症群というグループに分類されています。同じグループには、髪やまつげ、眉毛などを抜くことがやめられない抜毛症も含まれます。「確認をやめられない」「手洗いをやめられない」といった強迫症と、根っこの部分でつながりのある状態として整理されているということです。

項目 皮膚むしり症 抜毛症 強迫症
中心となる行動 皮膚をむしる・つまむ・かき取る 髪・まつげ・眉毛などを抜く 確認、洗浄、数える、繰り返す
きっかけ 皮膚のざらつきやかさぶた、緊張・退屈 髪の手ざわり、緊張・退屈 頭から離れない考え(強迫観念)による不安
行為の後の感覚 一時的にすっきりするが、後悔が残ることが多い 同様のパターンがみられる 不安が一時的に和らぐが、すぐ戻る
DSM-5での分類 強迫症および関連症群 強迫症および関連症群 強迫症および関連症群

強迫症とは重なる部分もあり、併存することもあります

MSDマニュアルでは、皮膚むしり症のある人の多くが、強迫症やうつ病などほかの精神疾患を合併していると記載されています。また、爪を噛む、頬の内側を噛むといった、体に向かう繰り返し行動を併せ持つ人も多いとされています。気分の落ち込みや不安、不眠が重なっている場合は、それも含めて医師に伝えてください。強迫症の傾向が気になるときは、強迫性障害セルフチェックで、いまの状態の目安を確認する方法もあります。

自傷行為とは区別されます

皮膚むしり症は、自分を傷つけること自体を目的として行われる行為とは区別されます。多くの場合、目的は「気になる部分を取り除きたい」「不快感やもやもやを解消したい」であって、痛みや傷を求めているわけではありません。ですから「自傷している」と自分にレッテルを貼って怖くなる必要はありません。ただし、つらさをまぎらわせるために意図して自分を傷つけたくなる気持ちがある場合は、別の対応が必要になります。死にたい気持ちが強いとき、自分を傷つけたくなったときは、ひとりで耐えず、すぐに相談してください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)や、#いのちSOS(0120-061-338)などの公的な相談窓口が利用できます。

皮膚科と心療内科、どちらにかかればいい?

皮膚むしり症で迷いやすいのが受診先です。結論としては、役割が違うのでどちらか一方を選ぶ必要はなく、両方にかかってかまいません。皮膚に起きた結果(傷・炎症・感染・跡)は皮膚科、繰り返してしまう行動そのものと背景のつらさは心療内科・精神科、という分担で考えると整理しやすくなります。

項目 皮膚科 心療内科・精神科
主に扱うこと 傷・炎症・感染・瘢痕など、皮膚そのものの状態 むしる行動のしくみと、やめられないつらさ
できること 傷の手当て、外用薬や内服による治療、皮膚疾患が隠れていないかの確認 行動療法(習慣逆転法など)、必要に応じた薬による治療、併存する不安や落ち込みへの対応
受診を考える
サイン
腫れる・熱をもつ・膿む・治らない・跡が広がる やめようとしてもやめられない、時間を取られる、隠している、つらい

かゆみや皮膚疾患が先にあることもあります

湿疹やアトピー性皮膚炎、乾燥、ニキビなど、もともとの皮膚トラブルがきっかけで触り始め、その後も行為だけが残ることがあります。かゆみが強いのに我慢だけで止めようとしても、うまくいかないのは自然なことです。皮膚科で下地となる状態が治療されると、引き金そのものが減ることがあります。皮膚の状態が落ち着いても行為が続くなら、行動への対処が必要な段階です。

皮膚科で「気にしすぎ」と言われてしまったとき

皮膚科では傷の治療が中心になるため、「触らないようにしましょう」という指導で終わることがあります。触らずにいられれば苦労しない、というのが本人の実感でしょう。そこで諦めてしまう必要はありません。触らずにいられないこと自体を相談できるのが心療内科・精神科であり、そこは「気にしすぎ」で片づけられる領域ではありません。

皮膚むしり症の治し方 — 行動療法が中心とされています

皮膚むしり症の治し方として中心に挙げられるのは、行動療法です。MSDマニュアルでは、認知行動療法のひとつである習慣逆転法が、選択するべき治療法として紹介されています。加えて、症状や併存する状態に応じて薬による治療が検討されることもあります。いずれも、我慢する根性を鍛えるものではなく、行動が起きるしくみに介入する方法です。

治療・対応 内容 位置づけ
習慣逆転法(行動療法) 気づきの訓練・刺激統制・競合反応訓練を組み合わせ、行動のパターンを組み替える 皮膚むしり症に対する中心的な方法として挙げられている
そのほかの認知行動療法的な工夫 引き金になる考えや感情への対処の幅を広げる 習慣逆転法と組み合わせて行われることがある
薬による治療 症状の強さや、併存する不安・抑うつなどに応じて検討される 医師が個別に判断する。行動療法と併用されることもある
皮膚のケア(皮膚科) 傷の手当て、感染や炎症への対応、保湿 行動への治療とは別に、並行して行う
セルフケア・環境調整 引き金を減らす工夫、記録、睡眠と生活リズムの確保 治療の土台。ただし単独では限界がある

習慣逆転法の3つのステップ

習慣逆転法は、MSDマニュアルの記載ではおおむね次の3段階で進められます。専門家と一緒に、自分の生活に合わせて組み立てていく方法です。

1. 気づきの訓練 — いつ・どこで・どんな気分のときにむしっているかを記録し、行動の引き金になっている要因を特定する

2. 刺激統制法 — 引き金となる状況を変える。たとえば鏡の前に長くとどまらない、道具を手の届く場所に置かない、照明や環境を調整するなど

3. 競合反応訓練 — むしりたくなったときに、同時にはできない別の行動をとる。こぶしを握る、編み物をする、手を組む、握るものを持つなど

ポイントは、いきなり完璧を目指さないことです。まず「気づけるようになる」だけでも前進とされています。記録は、責めるための材料ではなく、引き金を見つける地図として使ってください。

薬による治療について

薬は、症状の強さや、併存する不安・抑うつなどの状態に応じて検討されることがあります。使うかどうか、どの選択肢が適しているかは、症状の内容や体の状態、これまでの経過をふまえて医師が個別に判断します。効果の感じ方や副作用の出方には個人差があるとされています。服用中に気になる変化があれば、自己判断で中断せず医師に相談してください。市販のサプリメントを自己判断で試す前にも、一度相談してください。

経過の見通しと、目標の置きかた

MSDマニュアルでは、症状の重症度は一般的に変動し、生涯にわたって続く場合もあると記載されています。これは「治らない」という意味ではなく、良い時期と戻りやすい時期の波があることを前提に付き合っていく、という見通しです。最初の目標は「一度もむしらない」ではなく、「むしる時間を減らす」「傷が治る期間を作る」といった、生活の実感に近いところに置くほうが続けやすいとされています。数日戻ってしまっても、それは失敗ではなく波の一部です。

通院費用を支える公的制度

治療が数ヶ月単位で続く場合、費用の負担が気になる人もいます。精神科・心療内科への継続的な通院では、自己負担が原則3割から1割に軽減される「自立支援医療(精神通院医療)」という公的制度を利用できる場合があります。窓口は市区町村の担当課で、申請には医師の診断書などが必要です。対象や手続きは自治体の案内で確認してください。

今日からできる工夫と、その限界

受診を考えている段階でも、生活のなかで試せる工夫があります。どれも「引き金を減らす」「気づく機会を増やす」「手を別のことに使う」という発想です。ただし、これらは治療の代わりではありません。

環境を変える工夫

  • 爪を短く切りそろえる。指先の引っかかりを減らす
  • 毛抜き・ピンセット・針などの道具を、手の届かない場所にしまう
  • 洗面所の拡大鏡を片づける、鏡の前にとどまる時間を短くする
  • 洗面所や自室の照明を必要以上に明るくしない
  • 保湿を習慣にして、乾燥やざらつきという引き金そのものを減らす
  • ばんそうこうや薄い手袋で、むしりやすい部位を物理的に覆う
  • 就寝・起床の時刻をそろえる。睡眠不足や疲労は引き金を強めやすいとされています

手を使う代替行動を用意する

むしりたくなったときに、手が同時にはできない別の行動を用意しておく方法です。握って形が変わるおもちゃ、編み物、折り紙、ハンドクリームを塗る、こぶしを10秒握る、といった選択肢があります。大切なのは、よく起きる場所(ソファ・机・ベッド脇・洗面所)にあらかじめ置いておくことです。

記録をつける

「日付・時間・場所・そのときの気分・どのくらい続いたか」を、ひと言でよいので残します。1週間続けると、自分の引き金がはっきり見えてきます。記録は治療の場でも役立ち、言葉で説明しにくい状況を伝える助けになります。回数を減らすことより、まず「気づいて書く」ことを目標にしてください。

工夫だけでは足りないときがあります

ここまでの工夫を続けても、傷が治らない、時間を取られ続ける、隠す労力が減らない、気分の落ち込みが強い——そうした状態が続くなら、セルフケアの限界と考えてよい段階です。「もっと頑張れば自分でなんとかできるはず」と粘るほど、自責感だけが積み上がります。工夫で足りない部分を専門家と一緒に埋めるのが治療であり、相談するのは失敗の証明ではありません。

受診の目安 — こんなときは医療機関に相談を

次のような状態が続いているなら、心療内科・精神科への相談を検討するタイミングと考えられます。

  • やめようと何度も試みているのに、むしる行為が続いている
  • 傷が治りきらない、跡が増えている、出血や化膿を繰り返している
  • 毎日まとまった時間を取られ、外出や睡眠、仕事に影響が出ている
  • 長袖・化粧・髪型などで隠すことに、労力と気疲れを感じている
  • 人と会う予定や写真を避けるなど、生活の選択肢が狭まっている
  • 恥ずかしさや自己嫌悪が強く、気分の落ち込みや不眠が続いている

傷が赤く腫れる、熱をもつ、膿が出るといった変化があるときは、皮膚科での手当てを優先してください。つらさが強く、死にたい気持ちがあるときや、自分を傷つけたくなったときは、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)や #いのちSOS(0120-061-338)に連絡してください。緊急のときは、119番や救急外来という選択肢もあります。

いまの自分の状態を整理したい場合は、症状別のセルフチェック一覧も参考になります。

何科を受診する?オンライン診療という選択肢

行動そのものについての相談先は、心療内科または精神科です。とはいえ、「傷を人に見せるのが恥ずかしい」「待合室で人に会いたくない」「平日の日中は通院の時間がとれない」といった理由で、受診をためらう人は少なくありません。オンライン診療に対応した医療機関であれば、自宅からスマートフォンで受診できます。オンライン心療内科・精神科のメントアは、保険適用で、18時〜24時・365日、当日予約にも対応しています。診断書最短即日発行、お薬最短即日発送で、予約から診察までLINEで完結します。人前に傷を出したくない人にとって、利用しやすい形のひとつです。

よくある質問

皮膚むしり症は自分で治せますか?

引き金を減らす工夫や記録によって、行為が減る人はいます。ただし、傷が治らない・時間を取られ続ける・隠す労力が大きい状態が続くなら、セルフケアだけでは届きにくい段階です。中心となる治療は行動療法とされており、専門家と一緒に組み立てるほうが取り組みやすくなります。

かさぶたを剥がしてしまうのは病気ですか?

かさぶたを剥がすこと自体は多くの人が経験することで、それだけで病気とはいえません。目安になるのは、やめようとしてもやめられないか、傷や跡が残っているか、時間を取られているか、隠しているか、苦痛があるかの5点です。当てはまる項目が多く、生活に支障が出ているなら相談の対象になります。

皮膚むしり症は何科を受診すればよいですか?

傷や炎症、感染など皮膚そのものの手当ては皮膚科、むしる行動と背景のつらさは心療内科・精神科が相談先です。役割が違うため、両方に同時にかかってかまいません。皮膚科で「触らないように」と言われて行き詰まっているなら、行動の側を心療内科・精神科で相談する段階です。

皮膚むしり症は治りますか?どれくらいかかりますか?

経過には個人差があり、重症度が変動したり、長く付き合う形になったりすることもあると報告されています。一方で、行動療法などによって、むしる時間や傷を減らしていくことは期待できるとされています。数日で結果を出す種類のものではないため、「ゼロにする」より「減らす」を最初の目標に置くほうが現実的です。

子どもや思春期の家族がむしっています。どう声をかければよいですか?

「やめなさい」「汚い」といった叱責は、隠す行動を強めやすいとされています。行為を責めるのではなく、「困っていることがあれば一緒に考えよう」と、相談してよい相手であることを伝えるほうが役に立ちます。傷が悪化している場合は、まず皮膚科の受診を一緒に検討してください。

家族に指摘されるのがつらいです。どう伝えればよいですか?

「意志の弱さではなく、やめようとしても続いてしまう状態で、病名もある」と共有するだけでも、家族の反応が変わることがあります。指摘や監視は逆効果になりやすいことも伝えたうえで、手伝ってほしいこと(道具をしまうなど)を具体的に頼むと、協力の形が定まりやすくなります。

皮膚むしり症の相談は保険適用になりますか?

心療内科・精神科での診察は、保険診療の対象となるのが一般的です。継続して通院する場合には、自己負担が原則1割に軽減される自立支援医療(精神通院医療)を利用できることがあります。費用の見通しが不安なときは、初診時に窓口へ確認しておくと、治療を続けやすくなります。

まとめ

  • 皮膚むしり症は、かさぶたやニキビなどを繰り返しむしってしまい、やめられずに苦痛や支障が生じている状態で、DSM-5に収載された正式な診断名です
  • 誰にでもある癖との違いは、やめられるか・時間・傷や跡・隠しているか・苦痛の5点にあります
  • 強迫症や抜毛症と同じ「強迫症および関連症群」に分類され、うつ病などを併せ持つこともあります
  • 傷の手当ては皮膚科、やめられない行動は心療内科・精神科と役割が分かれており、両方にかかってかまいません
  • 治し方の中心は習慣逆転法などの行動療法で、必要に応じて薬による治療が検討されることもあります

やめられないのは、あなたの意志が弱いからではありません。名前のある状態として整理され、対処の方法が検討されてきた領域です。まずは今日どんな場面で手が動いたかを、ひと言メモに残すところから始めてみてください。

出典・参考文献

つらい症状が続くときは、ひとりで抱え込まずご相談ください。メントアは保険適用のオンライン心療内科・精神科です(18時〜24時・365日、当日予約可)。

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FAQ

心療内科・精神科に関する
よくある質問

仕事帰りでも受診できますか?夜間診療の有無を知りたいです。

クリニックによっては、お仕事をお持ちの方でも通いやすいよう夜間外来を設けている場合があります。当日の最終受付時間や診療曜日は、各院の案内をご確認ください。

今日すぐに診てもらいたいのですが、当日でも受診できますか?

多くのメンタルクリニックは予約制ですが、症状の急変など緊急を要する場合は、当日枠で対応可能なケースもあります。まずは電話やWebサイト等で現在の空き状況を問い合わせるのが確実です。

女性の先生に診察をお願いすることは可能でしょうか?

はい、女性医師が在籍しているクリニックでは、指名や担当日の選択が可能です。公式ホームページの医師紹介欄を確認するか、予約時に「女医を希望」と伝えておくとスムーズです。

漢方薬による治療は受けられますか?

西洋薬だけでなく、体質や症状に合わせた漢方薬を処方しているクリニックも多くあります。「なるべく自然な薬を使いたい」などのご希望があれば、診察時に医師へご相談ください。

診察にかかる費用が気になります。保険は使えますか?

基本的に健康保険が適用されるため、自己負担3割程度で受診いただけます。初診料や処方箋の有無で前後しますが、一般的な目安として数千円程度(4,000円〜6,000円前後)を見ておくと安心です。

診断書を書いてもらうことはできますか?

基本的には、医師が必要と判断した場合、職場や学校に提出するための診断書を発行してくれます。予約時や診察中に「診断書希望」と伝えておくとスムーズです。

初めての受診で、うまく話せるか不安です。準備は必要ですか?

全てを完璧に話そうとしなくても大丈夫です。「いつから」「どのような症状で困っているか」を簡単で良いのでメモしてお持ちいただくと、伝え漏れがなくなり、診察がよりスムーズに進むでしょう。

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