ノイローゼとは、かつて不安・強迫・体の不調などの状態をひとまとめに呼んでいた古い言葉で、現在の診断基準(DSM-5・ICD-11)では診断名として使われていません。いまは、不安症・パニック症・強迫症・社交不安症・身体症状症といったように、状態ごとに別々の名前がついています。「もう使われない言葉なら、自分のつらさは気のせいなのだろうか」と感じていませんか。名前が変わったのは、その状態が軽く扱われるようになったからではありません。状態ごとに有効な治療が違うとわかり、区別したほうが役に立つと考えられた結果です。あなたが感じているつらさは、いまも医学が扱う対象です。

この記事では、次のことがわかります。

  • 「ノイローゼ」という言葉の由来と、診断名として使われなくなった経緯
  • かつての「神経症」が、いま何と呼ばれているのかの対応表
  • なぜ「神経症」というひとくくりの枠が解体されたのか
  • 「育児ノイローゼ」「介護ノイローゼ」という日常語との関係
  • 症状のタイプ別に、いまどの呼び名と結びつくのか
  • 受診を考える目安と、いますぐ使える公的な相談窓口

この記事の監修

星野 奈生子(精神科医)

ノイローゼとは?いまは診断名として使われていない言葉です

ノイローゼとは、不安・緊張・こだわり・体の不調といった心身の状態を広くまとめて指していた、かつての医学用語です。現在の国際的な診断基準では、この名前で診断がつけられることはありません。ただし日常語としては今も生き続けており、「参ってしまった」「気持ちが限界に近い」という意味合いで使われています。

「ノイローゼ」はドイツ語の Neurose から来ています

ノイローゼは、ドイツ語の Neurose(ノイローゼ)が日本語に取り込まれた言葉で、日本語では長く「神経症」と訳されてきました。もとをたどると18世紀の医学者が名づけた用語で、当初は神経の働きが関わる病気の総称として使われていたとされています。その後、不安神経症・強迫神経症・ヒステリー・心気神経症といった下位の呼び名が整理され、日本でも「ノイローゼ」は広く知られる言葉になりました。

いま医療機関で使われるのは、もっと細かい個別の名前です

現在、心療内科・精神科の診察で使われる診断名は、米国精神医学会の診断基準DSM-5と、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類ICDに基づいています。ICDは第11版(ICD-11)が2019年の世界保健総会で承認され、2022年1月に発効しました。日本国内での適用に向けては、日本語化を含む準備が進められている段階です。これらの基準のどちらにも、「神経症」や「ノイローゼ」というまとまった診断名は残っていません。代わりに、不安症・パニック症・強迫症・社交不安症・身体症状症といった個別の名前が使われています。

名前が消えたことは、つらさが否定されたことではありません

「もう使われていない言葉だ」と聞くと、「では自分の状態は病気ではないのか」と受け取ってしまうかもしれません。しかし、なくなったのは診断分類の器のほうであり、その中に入っていた一つひとつの状態は、いまもすべて診断名として存在しています。むしろ、名前が細かくなったぶん、それぞれに研究が積み重なり、治療法が具体化しました。「昔の言葉だから気にしなくていい」ではなく、「いまはこう呼ばれていて、それぞれに治療がある」と読み替えるのが正確な理解です。

かつての「神経症」は、いま何と呼ばれているか

ここがこの記事の中心です。かつて「◯◯神経症」と呼ばれていた状態が、現在の診断基準ではどの名前に対応するのかを整理します。日本精神神経学会が公表しているDSM-5の病名翻訳ガイドラインと、同学会が学術誌で連載しているICD-11の解説シリーズをもとにまとめました。

かつての呼び名(神経症の時代) 現在おもに使われる呼び名 いまはどの疾患群に入るか
不安神経症(発作が中心のもの) パニック症(パニック障害) 不安症群/不安又は恐怖関連症群
不安神経症(慢性的な心配が中心のもの) 全般不安症(全般性不安障害) 不安症群/不安又は恐怖関連症群
強迫神経症 強迫症(強迫性障害) 強迫症および関連症群
対人恐怖(緊張型・過敏型) 社交不安症(社交不安障害・社交恐怖) 不安症群/不安又は恐怖関連症群
高所・閉所・動物などの恐怖症 限局性恐怖症 不安症群/不安又は恐怖関連症群
広場恐怖 広場恐怖症 不安症群/不安又は恐怖関連症群
心気症(心気神経症) 病気不安症(DSM-5)/心気症(ICD-11) DSM-5=身体症状症および関連症群/ICD-11=強迫症または関連症群
ヒステリー(体の症状が出るタイプ) 変換症・転換性障害(DSM-5)/解離性神経学的症状症(ICD-11) DSM-5=身体症状症および関連症群/ICD-11=解離症群
ヒステリー(記憶や意識が途切れるタイプ) 解離性健忘・解離性同一症など 解離症群
離人神経症 離人感・現実感消失症 解離症群
抑うつ神経症(神経症性抑うつ) 気分変調症/持続性抑うつ障害 抑うつ症群・気分症群
身体表現性障害(身体化) 身体症状症(DSM-5)/身体的苦痛症(ICD-11) 身体症状症および関連症群/身体的苦痛症または身体的体験症群

同じ状態に「症」と「障害」の2通りの書き方があるのは、翻訳を見直した経緯によるものです。日本精神神経学会の翻訳ガイドラインでは、disorder を「障害」と訳すと不可逆的な状態という誤解を生みやすいなどの理由から、子どもの疾患と不安症およびその一部の関連疾患について「症」に改めた、と説明されています。どちらの表記も同じ状態を指します。

不安神経症 → パニック症・全般不安症

もっとも影響が大きかったのが、不安神経症の分割です。日本精神神経学会の学術誌に掲載された総説によれば、抗うつ薬イミプラミンがパニック発作に有効だったという報告と、パニック症の患者では乳酸の静脈内投与でパニック発作が誘発されるという報告が転機になりました。これらによって、不安神経症の一部には生物学的な基盤をもつ群が含まれていることがわかり、その群がパニック症(パニック障害)という独立した診断単位として切り出されます。そして、不安神経症からパニック症を除いた残りが全般性不安障害(全般不安症)と呼ばれるようになりました。

強迫神経症 → 強迫症

かつて「神経症を代表する疾患」と位置づけられていた強迫神経症は、現在は強迫症(強迫性障害)と呼ばれます。日本精神神経学会のICD-11解説シリーズでは、強迫症には固有の症状構造があり、不安が関わる度合いの個人差が大きく、生物学的な特異性も強いことから、不安障害とは別の病態とみなすべきではないかという議論が高まったと説明されています。その結果、ICD-11でもDSM-5でも、強迫症は不安症とは別の疾患群として扱われるようになりました。身体醜形症・抜毛症・皮膚むしり症・ためこみ症も、この強迫症および関連症群に含まれます。

対人恐怖 → 社交不安症

人前で緊張する、視線が怖い、赤面や震えが気になる——こうした状態は、日本では長く「対人恐怖」と呼ばれてきました。ICD-11の解説では、文化に結びついた症候群とされてきた対人恐怖のうち、緊張型(過敏型)と呼ばれるタイプは社交不安症とほぼ同等とされています。一方、確信型(不快型)に分類される「自己臭恐怖」「醜貌恐怖」は、ICD-11では自己臭関係付け症・身体醜形症として強迫症または関連症群に置かれました。同じ「対人恐怖」でも、中身によって行き先が分かれています。

心気症・ヒステリー・抑うつ神経症の行き先

心気症(心気神経症)は、DSM-5では病気不安症、ICD-11では心気症という名前のまま強迫症または関連症群に置かれました。基準によって置き場所が違う点に注意が必要です。ヒステリーと呼ばれてきた状態は、麻痺やけいれんなど神経の症状が現れるタイプと、記憶や意識が途切れるタイプに整理されました。ICD-11では「転換症」という用語が廃止され、解離性神経学的症状症として解離症群に置かれています。DSM-5では同じ状態を変換症(転換性障害)と呼び、身体症状症および関連症群に含めています。抑うつ神経症は、DSM-IIIで気分変調症に引き継がれ、DSM-5では持続性抑うつ障害(気分変調症)というまとまりになりました。

なぜ「神経症」というひとくくりをやめたのか

いちばん大切なのは、「医学が後退したから名前が消えた」のではないという点です。ひとくくりにしていた枠を解体したのは、そのほうが治療の役に立つとわかったからです。

理由1: 中身がばらばらで、分類として使いにくかった

ICD-10では、これらの状態は「F4 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害」という1つの大きなカテゴリーに収められていました。日本精神神経学会の解説では、この分類は不安障害・身体表現性障害・解離性障害・適応障害という性質の異なる4つの大分類を抱えており、従来の神経症概念に由来する疾患群を集めたとはいえかなり混然としていて、診断分類としての妥当性が疑問視されてきたと述べられています。「原因を心理的なものと考える」という共通点だけで束ねられていたため、分類としての精度が低かったのです。

理由2: 状態ごとに、効く治療が違うとわかってきた

不安神経症からパニック症が切り出された経緯は、まさに「薬の効き方が違った」ことがきっかけでした。同じように、強迫症には曝露反応妨害法という専用の心理療法が確立しています。これは、不安のきっかけになる状況にあえて少しずつ触れながら、確認や手洗いといった儀式的な行動を行わないでいる練習を重ねる方法で、MSDマニュアル家庭版でも強迫症にしばしば効果的な治療として説明されています。全般不安症・社交不安症・身体症状症では、それぞれ組み立て方の異なる認知行動療法が用いられます。ひとくくりのままでは「あなたはノイローゼです」で終わってしまい、この使い分けができません。

理由3: ICD-11で「F4」の枠そのものが姿を消した

ICD-11の解説シリーズでは、ストレス関連症群や解離症群の対応表に「F4に相当する障害群の解体に伴い、直接対応する障害群なし」と明記されています。神経症という大きな器は、置き換えられたのではなく、解体されて中身が新しい棚に配り直されたということです。並べ替えの全体像は次のとおりです。

ICD-10(1992年)での分類 ICD-11(2022年発効)での行き先
F4 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害 直接対応するカテゴリーなし(解体)
F40 恐怖症性不安障害/F41 他の不安障害 不安又は恐怖関連症群(広場恐怖症・社交不安症・限局性恐怖症・パニック症・全般不安症など)
F42 強迫性障害 強迫症又は関連症群(心気症・自己臭関係付け症もここに移動)
F43 重度ストレス反応および適応障害 ストレス関連症群(心的外傷後ストレス症・適応反応症など)
F44 解離性(転換性)障害 解離症群(解離性健忘・解離性同一症・解離性神経学的症状症など)
F45 身体表現性障害 身体的苦痛症又は身体的体験症群
F48.1 離人・現実感喪失症候群 解離症群(離人感・現実感喪失症)

「育児ノイローゼ」「介護ノイローゼ」は診断名ではありません

日常語としての「ノイローゼ」は、いまも「育児ノイローゼ」「介護ノイローゼ」という形でよく使われます。これらは医学の診断名ではなく、状況の負荷が限界に近いことを表す言い方です。ただし、診断名でないことと「受診しなくてよい」ことは別の話です。

日常語としての「◯◯ノイローゼ」が指しているもの

多くの場合、そこで語られているのは次のような状態です。眠れない、常に気が張っていて休まらない、涙が出る、子どもや家族に強く当たってしまい自分を責める、外に出る気力がない、食事がとれない、あるいは食べすぎてしまう。これらは、逃げ場のないストレスが長く続いたときに、誰にでも起こりうる心身の反応とされています。責任感が強く人に頼るのが苦手な人ほど抱え込みやすく、がんばりが足りないから起きるわけではありません。

背景に適応障害やうつ病が隠れていることがあります

「育児ノイローゼだと思っていたが、受診したら適応障害だった」「介護疲れだと思っていたが、うつ病の診断がついた」という経過は珍しくありません。特定できるストレス因があり、そこから3ヶ月以内に不調が現れて生活に支障が出ている場合は、適応障害(ICD-11では適応反応症)の可能性が検討されます。気分の落ち込みや興味の喪失がほぼ一日中・ほぼ毎日続いている場合は、うつ病の可能性もあります。出産後に強い落ち込みが続く場合は、産後のうつ状態として医学的なケアの対象になります。いずれも「性格の問題」ではなく、治療の枠組みがある状態です。

介護している人・育児中の人の相談先

支える側は、自分の不調を後回しにしがちです。専門機関に相談することは、家族を見放すことではありません。次のような窓口が使えます。

  • 介護している人: お住まいの地域の地域包括支援センター。厚生労働省の地域包括ケアシステムの解説では、高齢者の総合相談や必要な援助を包括的に行う機関として位置づけられています。介護サービスの調整だけでなく、介護者自身の疲労やつらさの相談窓口としても利用できます
  • 育児中の人: お住まいの市区町村の保健センター、こども家庭センター(子育て世代包括支援センター)、乳幼児健診の場での相談。産後の心身の不調は保健師に相談できます
  • 働きながら支えている人: 職場の産業医・保健師、または厚生労働省の働く人向けポータルサイト「こころの耳」

どんな症状のとき、何を相談すればいい?

「自分の状態は、いまの名前でいうと何にあたるのか」を大まかに把握しておくと、受診時に伝えやすくなります。以下は目安であり、診断は医師の診察によって行われます。

いま困っていること 現在の主な呼び名 相談時に伝えたいこと
突然の動悸・息苦しさ・めまいの発作。また起きるのが怖い パニック症(パニック障害) 発作の長さ、頻度、避けている場所
理由のはっきりしない心配が半年ほど続き、常に気が休まらない 全般不安症 心配の対象、続いている期間、不眠の有無
確認・手洗い・数える行為がやめられず、時間を取られる 強迫症 1日に費やす時間、やめようとしたときの不安
人前で強く緊張し、視線・赤面・震えが気になって避けてしまう 社交不安症 避けている場面、仕事や学業への影響
検査で異常がないのに、体の症状と不安が3ヶ月以上続く 身体症状症/身体的苦痛症 受けた検査、症状に向ける注意の強さ
重い病気ではないかという心配が頭から離れない 病気不安症(心気症) 検索や受診を繰り返す行動、続いた期間
気分の落ち込みが2年ほど慢性的に続いている 気分変調症(持続性抑うつ障害) 落ち込みのない時期があったか
はっきりしたストレス因の後、3ヶ月以内に不調が出た 適応障害(適応反応症) ストレス因の内容、離れたときの変化

不安・動悸・発作が中心のとき

発作性の強い不安と体の症状(動悸・息切れ・めまい・発汗)が数分でピークに達し、「このまま倒れるのでは」という恐怖を伴う場合は、パニック症が検討されます。一方、発作の形をとらず、仕事・家族・健康など複数のことについて心配が持続する場合は、全般不安症が検討されます。どちらも認知行動療法と薬物療法が治療の選択肢とされており、経過に応じて組み合わせます。

こだわり・確認がやめられないとき

戸締まりや火の元の確認を何度も繰り返す、手を洗い続ける、順番や左右対称にこだわる、縁起の悪い考えが浮かんで打ち消す——こうした行動に時間を取られ、生活に支障が出ている場合は強迫症が検討されます。「意味がないと自分でも分かっているのにやめられない」という感覚は、この状態の特徴のひとつとされています。自分の状態を整理してから相談したい場合は、強迫症(強迫性障害)のセルフチェックが入口として使えます。

体の症状が続く・病気の心配が強いとき

内科で検査を受けても異常が見つからないのに、痛み・だるさ・胃腸の不調などが続く場合、身体症状症(ICD-11では身体的苦痛症)が検討されることがあります。ICD-11の解説では、身体的苦痛症の診断で重視されるのは「症状に身体的な基盤がまったくないこと」ではなく、「身体症状に過度の注意が向けられていること」だと説明されています。つまり、実際に体の病気があっても、この診断が当てはまる場合があります。「気のせいだと言われた」と受け取る必要はありません。

気分の落ち込みが長く続くとき

抑うつ神経症と呼ばれていた状態は、いまは気分変調症(持続性抑うつ障害)として整理されています。うつ病ほど症状が重くない代わりに、2年以上といった長い期間にわたって落ち込みが続くのが特徴とされています。「昔からこういう性格だと思っていた」という形で見過ごされやすく、性格の問題として片づけず一度相談してみる価値があります。いまの状態を客観視したいときは、症状別のセルフチェック一覧も参考になります。

受診の目安と、相談できる窓口

「ノイローゼという言葉が使われなくなったのなら、自分はどこに行けばいいのか」と迷う必要はありません。相談先は、これまでどおり心療内科・精神科です。

受診を考える目安

次のような状態が続いているなら、医療機関への相談を検討するタイミングと考えられます。

  • 不安・落ち込み・不眠などのつらさが2週間以上続いている
  • 仕事・家事・学業・育児・介護など、日常の役割に支障が出はじめている
  • 確認や手洗いなどの行為に、1日1時間以上を取られている
  • 検査で異常がないのに、体の不調が3ヶ月以上続いている
  • 飲酒で気持ちをまぎらわせることが増えている
  • 「消えてしまいたい」と感じる瞬間がある

死にたい気持ちが強いとき、自分を傷つけたくなったときは、ひとりで抱えず、すぐに相談してください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)や、#いのちSOS(0120-061-338)といった公的な相談窓口が利用できます。緊急のときは、119番や救急外来という選択肢もあります。

相談できる窓口の一覧

窓口 電話番号 主な対象
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 こころの健康全般(お住まいの都道府県等の窓口につながります)
#いのちSOS 0120-061-338 死にたい気持ちなど、いのちに関わるつらさ
地域包括支援センター お住まいの市区町村で確認 介護している人・高齢者の総合相談
市区町村の保健センター等 お住まいの市区町村で確認 育児中の心身の不調・産後の相談

何科にかかる?オンライン診療という選択肢

心の不調を扱うのは、心療内科または精神科です。とはいえ、「平日の日中に通う時間がない」「育児や介護を代われる人がいない」「待合室で知り合いに会いたくない」といった理由で、受診が後回しになることは少なくありません。オンライン診療に対応した医療機関であれば、自宅からスマートフォンで受診できます。オンライン心療内科・精神科のメントアは、保険適用で、18時〜24時・365日、当日予約にも対応しています。診断書最短即日発行、お薬最短即日発送で、予約から診察までLINEで完結します。日中に動けない事情がある人にとって、選択肢のひとつになります。

よくある質問

ノイローゼは、いまの病名でいうと何ですか?

ひとつの病名には対応しません。かつて神経症と呼ばれていた枠が解体され、パニック症・全般不安症・強迫症・社交不安症・病気不安症・変換症・解離症・気分変調症・身体症状症などに分けられたためです。どれに当てはまるかは症状のパターンによって異なり、判断は医師の診察によって行われます。

「ノイローゼ」と言われました。もう治療法はないのですか?

治療法がなくなったわけではありません。むしろ、状態ごとに分けられたことで、それぞれに研究が進み、認知行動療法や薬物療法の選択肢が具体化しています。たとえば強迫症には曝露反応妨害法という専用の心理療法が確立しています。まずは、いまの状態がどの名前に当たるのかを診察で確かめるところから始まります。

神経症とうつ病は違うものですか?

歴史的には別の枠として扱われてきましたが、両者は重なることもあります。かつて抑うつ神経症と呼ばれた状態は、現在は気分変調症(持続性抑うつ障害)として抑うつ症群に分類されています。不安症とうつ病が併存することも珍しくなく、区別と併存の判断には経過を含めた診察が必要です。

育児ノイローゼ・介護ノイローゼは病気ですか?

これらは診断名ではなく、負荷が限界に近い状態を表す日常語です。ただし、背景に適応障害やうつ病が隠れていることがあります。眠れない、涙が出る、家族に強く当たってしまう、といった状態が続いているなら、地域包括支援センターや市区町村の相談窓口、心療内科・精神科への相談を検討してください。

「神経症的な性格」と言われるのは、病気ということですか?

いいえ、別の話です。心理学でいう神経症傾向は、不安を感じやすいといった性格の傾向を表す用語で、診断名ではありません。傾向が強いことと、治療が必要な状態にあることはイコールではありません。判断の基準になるのは、性格の傾向ではなく、生活に支障が出ているかどうかです。

病名が「障害」から「症」に変わったのはなぜですか?

日本精神神経学会の翻訳ガイドラインでは、disorder を「障害」と訳すと、身体の障がいと混同されたり、不可逆的な状態だと誤解されたりすることがあるため、と説明されています。子どもの疾患と、不安症およびその一部の関連疾患について「症」に改められました。同じ状態を指す表記の違いであり、病気の内容が変わったわけではありません。

検査では異常がないと言われました。それでも受診してよいですか?

受診の対象になります。検査で異常が見つからないまま体の不調が続く場合、身体症状症(身体的苦痛症)などが検討されることがあります。ICD-11の解説でも、身体的な基盤がないことは診断の必須条件ではないとされています。「気のせい」ではなく、相談してよいつらさです。

オンライン診療でも診断は受けられますか?

オンラインでも、医師の診察に基づいて診断が行われます。セルフチェックはあくまで受診を検討するための目安であり、それ自体が診断になるものではありません。症状によっては、対面での診察や検査が必要と判断される場合もあります。

まとめ

  • ノイローゼは、かつて不安・強迫・体の不調などをまとめて呼んでいた言葉で、現在の診断基準では診断名として使われていません
  • 名前が消えたのは医学の後退ではなく、状態ごとに有効な治療が違うとわかったため、区別したほうが役に立つと考えられた結果です
  • かつての不安神経症はパニック症と全般不安症に、強迫神経症は強迫症に、対人恐怖は社交不安症に、というように、それぞれ現在の呼び名があります
  • 「育児ノイローゼ」「介護ノイローゼ」は診断名ではありませんが、背景に適応障害やうつ病があることがあります
  • つらさが2週間以上続き、生活に支障が出ているなら、心療内科・精神科への相談を検討する目安です

古い言葉で語られてきたつらさにも、いまはそれぞれ名前と治療があります。「もう使われない言葉だから」と、相談をあきらめる必要はありません。今日できる小さな一歩から、始めてみてください。

出典・参考文献

つらい症状が続くときは、ひとりで抱え込まずご相談ください。メントアは保険適用のオンライン心療内科・精神科です(18時〜24時・365日、当日予約可)。

LINEで予約する

FAQ

心療内科・精神科に関する
よくある質問

仕事帰りでも受診できますか?夜間診療の有無を知りたいです。

クリニックによっては、お仕事をお持ちの方でも通いやすいよう夜間外来を設けている場合があります。当日の最終受付時間や診療曜日は、各院の案内をご確認ください。

今日すぐに診てもらいたいのですが、当日でも受診できますか?

多くのメンタルクリニックは予約制ですが、症状の急変など緊急を要する場合は、当日枠で対応可能なケースもあります。まずは電話やWebサイト等で現在の空き状況を問い合わせるのが確実です。

女性の先生に診察をお願いすることは可能でしょうか?

はい、女性医師が在籍しているクリニックでは、指名や担当日の選択が可能です。公式ホームページの医師紹介欄を確認するか、予約時に「女医を希望」と伝えておくとスムーズです。

漢方薬による治療は受けられますか?

西洋薬だけでなく、体質や症状に合わせた漢方薬を処方しているクリニックも多くあります。「なるべく自然な薬を使いたい」などのご希望があれば、診察時に医師へご相談ください。

診察にかかる費用が気になります。保険は使えますか?

基本的に健康保険が適用されるため、自己負担3割程度で受診いただけます。初診料や処方箋の有無で前後しますが、一般的な目安として数千円程度(4,000円〜6,000円前後)を見ておくと安心です。

診断書を書いてもらうことはできますか?

基本的には、医師が必要と判断した場合、職場や学校に提出するための診断書を発行してくれます。予約時や診察中に「診断書希望」と伝えておくとスムーズです。

初めての受診で、うまく話せるか不安です。準備は必要ですか?

全てを完璧に話そうとしなくても大丈夫です。「いつから」「どのような症状で困っているか」を簡単で良いのでメモしてお持ちいただくと、伝え漏れがなくなり、診察がよりスムーズに進むでしょう。

当日受診できてお薬や診断書も最短即日対応。オンライン心療内科「メントア」

オンライン心療内科 メントアオンライン診療なら当日予約も可能!

「mentoa(メントア)オンライン心療内科」は、忙しくて通院の時間が取れない方や、外出がつらい方でも安心の、自宅からスマホで診療を受けられるオンラインクリニックです。メントアには次のような特徴があります。

選ばれる5つの理由

LINEで
完結
する
手軽さ

当日受診
即日処方
が可能

保険診療で

通院と
同じ負担

プライバシー
配慮
で安心

老舗カウン
セリング

と提携

申し込みする女性のイメージ
POINT01

LINEで完結する手軽さ

予約から相談、オンライン診療、薬の受け取りまで、すべてLINE上で完結。通院の必要がなく、忙しい方でも続けやすい仕組みです。

医師が薬を選んでいるイメージ
POINT02

当日受診・即日処方可能

24時間受付、当日相談可能。つらい時にすぐ相談でき、必要に応じて即日で医師により診断書発行も対応します。

電卓とノートの画像
POINT03

保険診療だから通院時と同じ負担

初診5,400円前後、再診2,900円前後(保険適用時)。保険適用のため、安心して受診いただけます。

ポストを開けて荷物を受け取る女性
POINT04

プライバシー配慮で安心

お薬の発送元はクリニックだとわからない表記に。周りに知られる心配がなく、安心してご相談いただけます。

カウンセラーが電話カウンセリングしているイメージ
POINT05

カウンセリング実績40万件超のサービスと提携

40万件以上の相談実績を持つ電話カウンセリングサービス「エキサイトお悩み相談室」と提携。お薬の服用に抵抗がある方は、まずこちらでお話しするのもおすすめです。