休職に必要な診断書は、心療内科・精神科を受診し、医師が「療養のために仕事を休む必要がある」と判断した場合に発行されます。会社へ提出することで、就業規則に定められた休職の手続きが始まります。書式は会社の指定様式か、医療機関の自由書式のどちらかです。「上司から診断書を出すように言われたけれど、何を、どこに、いつまでに出せばいいのか分からない」と、手が止まっていませんか。ここまで働き続けたうえで休むことを考えているのは、あなたが弱いからではありません。

この記事では、次のことがわかります。

  • 会社が休職に診断書を求める理由と、就業規則上の位置づけ
  • 診断書に書かれる項目(療養期間の書かれ方・病名の扱い)
  • 依頼から会社への提出までの5ステップと、つまずきやすい点
  • 医師にどう伝えればよいか(そのまま使える例文)
  • 提出先・提出方法・期限と、期間延長・復職時に必要な書類
  • 「提出したのに休ませてもらえない」など、トラブル時の対処法

この記事の監修

星野 奈生子(精神科医)

休職に診断書が必要なのはなぜ?会社が求める理由

会社が休職の診断書を求めるのは、社員を休ませるかどうかを本人の申告だけでなく、医学的な根拠にもとづいて判断する必要があるからです。休職は法律で一律に定められた制度ではなく、多くの会社が就業規則で独自に定めています。その就業規則のなかで「医師の診断書の提出」が休職の要件とされているのが一般的です。

休職は法律ではなく「就業規則」で決まる

労働基準法などの法律に「休職」という制度が定められているわけではありません。休職の要件、期間の上限、給与の扱い、復職の判定方法は、会社ごとの就業規則で決まります。つまり「うちの会社ではどうなっているか」を確認しない限り、必要な書類も手続きも分からないということです。

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成・届出と労働者への周知が労働基準法で義務づけられています(第89条・第106条)。社内の共有フォルダやイントラネットで公開されていることが多く、見当たらなければ「就業規則の休職に関する条文を確認したい」と人事・総務に伝えれば示してもらえます。

会社が診断書を求める3つの理由

診断書は「休むための許可証」ではなく、会社が複数の判断を行うための資料です。何に使われるかを知っておくと、医師にどこを丁寧に書いてもらう必要があるかが見えてきます。

会社側の目的 診断書のどの部分が使われるか
就業規則の休職要件を満たすかの確認 病名(または状態像)、療養を要する旨
労働者の健康への配慮義務への対応 就業の可否、業務上の配慮に関する医師の意見
休職期間・復帰見込みの把握 療養期間(「◯月◯日より約1ヶ月」など)
人員配置・引き継ぎの計画 療養期間、復帰の見通し
賃金・社会保険・傷病手当金の手続き 労務不能とされる期間(申請書の意見書欄は別途)

とくに2つ目は重要です。労働契約法第5条は、使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものと定めています(安全配慮義務)。不調を抱えた社員をそのまま働かせて悪化させれば、会社の責任が問われる可能性があります。診断書は、会社がその配慮を実行するための出発点でもあるのです。

診断書がないと休職できないのですか

就業規則が診断書の提出を休職の要件としている場合、提出のないまま長く休むと「欠勤」として扱われ、給与・社会保険・勤怠評価の面で不利になることがあります。一方で、診断書を出せば必ず休職が認められるわけでもありません。休職を決定するのは会社(就業規則の運用)であり、診断書は「医学的にはこう判断できる」という材料を提供する書類です。提出をためらう方もいますが、療養が必要な状態を医学的に示す書類は、あなたの状態を「勤務態度の問題」ではなく「治療が必要な健康問題」として扱ってもらう根拠にもなります。

休職の診断書には何が書かれる?記載項目と読み方

休職用の診断書は、医師が診察で確認した事実にもとづいて作成する証明書です。中心になるのは「病名(または状態像)」「療養が必要であること」「その期間」の3点です。医師は自ら診察しないで診断書を交付してはならないと定められている(医師法第20条)ため、まず診察を受けることがすべての出発点になります。

診断書の主な記載項目

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記載項目 書かれる内容の例 確認したいポイント
氏名・生年月日 本人を特定する情報 会社の登録情報と表記が一致しているか
病名(診断名) 適応障害、うつ病、不安症 など 状態像での記載になる場合もある
症状・現在の状態 不眠、抑うつ気分、意欲低下、集中困難 など 業務への支障が伝わる内容になっているか
医師の意見
(療養の要否)
「療養を要する」「就労は困難と判断する」 会社が休職を判断する中核部分
療養期間 「◯年◯月◯日より約1ヶ月間の自宅療養を要する」 開始日と期間の書き方
就業上の配慮 「復職後しばらくは時間外労働を避けることが望ましい」 復職時の診断書でとくに重要
発行日・医療機関名・医師名 — 発行日は作成した日。過去にさかのぼれない

書式によって項目の並びや細かさは変わりますが、会社が見るのは実質的に「療養が必要か」「いつまでか」の2点です。ここが明確であれば、休職の手続きは進めやすくなります。

療養期間が1ヶ月程度で区切られやすい理由

療養期間は「◯月◯日から約1ヶ月間」のように開始日と期間の組み合わせで書かれ、初回は1ヶ月前後になることが多いとされています。これは発行を出し惜しみしているわけではありません。心の不調は回復のペースに個人差が大きく、経過を診ないまま数ヶ月先の状態を見通すことが難しいためです。期間を区切って再診し、そのときの状態にもとづいて延長か復職かを判断する進め方が、結果として実態に合った診断書につながります。

なお「診断書の療養期間=会社の休職期間」ではありません。休職期間は就業規則にもとづいて会社が決めるもので、療養期間はその判断材料のひとつです。就業規則に定められた休職期間の上限は、先に確認しておくと見通しが立ちます。

病名の記載:診断名と「抑うつ状態」などの状態像

「会社に病名を知られたくない」という気持ちは、多くの方が抱くものです。実務上、診断名そのものではなく「抑うつ状態」「不安状態」といった状態像で記載されることもあります。状態像は確定的な診断名を示さずに現在の状態を表す書き方で、休職の必要性を示すには足りる場合があります。

ただし、記載内容を決めるのは医師です。事実と異なる病名は書けませんし、会社の指定様式に診断名欄がある場合や、産業医の判断・健康保険の手続きで診断名が必要な場合は、状態像だけでは足りないこともあります。気になるときは診察の場で率直に相談してください(伝え方の例文は後述します)。なお、診断書に書かれた病歴などの健康情報は、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」にあたります。

会社の指定様式と自由書式の違い

診断書の書式は大きく2種類あり、どちらになるかで依頼のしかたと発行までの日数が変わります。

項目 会社指定の様式 医療機関の自由書式
入手先 人事・総務から受け取る 医療機関が用意している
記載項目 会社が指定(診断名欄・期間欄・配慮事項欄など) 病名・症状・療養期間・医師の意見が中心
発行までの日数 項目が多いと日数がかかりやすい 比較的短い傾向
依頼時にすること 診察時に様式を渡す(オンラインなら送付方法を確認) 用途・提出先・期限を伝える
注意点 記入漏れがあると差し戻しになる 会社が求める項目が不足しないか事前確認

受診前に「指定の様式はありますか」と確認しておくと、二度手間を防げます。オンライン診療の場合は、指定様式をどう医療機関へ渡すか(郵送・アップロードなど)も併せて聞いておきましょう。

「診断書」と「意見書」は別の書類です

似た名前の書類が並ぶため混乱しやすいところです。役割の違いを整理しておきます。

  • 診断書:病名・症状・療養の必要性を医師が証明する書類。会社への提出に使う
  • 傷病手当金支給申請書の療養担当者記入欄(意見書):健康保険の給付を受けるために、労務不能と認めた期間などを医師が記入する欄。診断書とは別物で、こちらは健康保険の対象になる
  • 産業医の意見書:会社が選任した産業医が、就業上の措置について会社に述べる意見。主治医の診断書とは立場も目的も異なる

会社から「診断書を」と言われても、実際に必要なのが傷病手当金の意見書欄だけ、というケースもあります。文書料の負担を減らす意味でも、何が必要かを最初に確認しておくことをおすすめします。費用相場や発行までの日数は、診断書のもらい方・費用・即日発行の可否をまとめたコラムで詳しく解説しています。

依頼から会社への提出までの5ステップ

休職の診断書は「受診して依頼すれば終わり」ではなく、会社への提出まで進んで初めて手続きが動き出します。全体の流れを先に押さえておくと、迷わずに進められます。

ステップ やること 目安の時期 つまずきやすい点
1 会社に必要書類・様式・提出先を確認する 受診の前 指定様式の存在に気づかず二度手間になる
2 心療内科・精神科を受診し、症状と業務への影響を伝える できるだけ早く 遠慮して症状を軽く伝えてしまう
3 用途・提出先・期限を伝えて診断書を依頼する 診察のなかで 依頼を切り出せないまま診察が終わる
4 発行を待って受け取る(窓口または郵送) 当日〜1週間程度 受け取り方法と日数を確認していない
5 会社へ提出し、休職の手続きに入る 受け取り後すみやかに 提出先・提出方法があいまいなまま渡す

ステップ1:受診の前に、会社へ確認しておくこと

先に会社側の条件を把握しておくと、1回の受診で必要な書類がそろいます。確認したいのは次の7点です。

  • 会社指定の様式があるか(あれば受け取る)
  • 診断書に記載が必要な項目(診断名欄の有無、療養期間の書き方)
  • 提出先(直属の上司/人事・総務/産業保健スタッフ)
  • 提出方法(原本の手渡し・郵送・データ送付の可否)
  • 提出期限
  • 休職期間の上限と、給与・社会保険料の扱い
  • 休職中の連絡方法と頻度

口頭で聞くのがつらいときは、メールでも問題ありません。次のような文面で足ります。

お世話になっております。体調不良が続いており、医師の診察を受けたうえで休職についてご相談したいと考えております。診断書の提出にあたり、(1)会社指定の様式の有無、(2)提出先と提出方法、(3)提出期限について、ご教示いただけますでしょうか。

ステップ2:受診し、症状と業務への影響を伝える

初診では、いつから・どんな症状が・どのくらいの頻度で出ているか、仕事や生活にどんな支障が出ているか、睡眠と食欲の状態などを聞かれます。診断書はこの診察で確認できた事実にもとづいて作られるため、ここが最も大切なステップです。うまく話せる自信がなくても、「症状」「業務への影響」「希望」の3点をメモにして持参する(オンライン診療なら手元に用意する)だけで十分に伝わります。症状を大げさに盛る必要も、我慢して軽く見せる必要もありません。

ステップ3〜5:依頼し、受け取り、会社へ提出する

診察のなかで、診断書の用途(休職の手続き)・提出先・提出期限を伝えて依頼します。指定様式があればこのタイミングで渡します(具体的な言い方は次の章にまとめました)。

シンプルな自由書式であれば、診察を受けたその日のうちに発行されることもあります。一方、記載項目の多い指定様式の場合や、初診では判断材料が足りず経過の確認が必要と医師が考えた場合は、日数がかかります。対面診療では窓口での受け取りが中心で、オンライン診療では郵送で自宅に届くのが一般的です。提出期限があるときは、依頼の時点で必ず伝えて、間に合うかどうかを確認してください。

受診より先に休み始めてしまった場合

体調的に出勤できず、受診より先に休み始めるケースは珍しくありませんが、この場合でも手続きは進められます。診断書の発行日そのものを過去にさかのぼることはできませんが、診察やカルテの記録にもとづいて「◯月◯日から療養を要する状態であった」と、過去の期間についての医学的な判断が記載されることはあります。休み始めた日と受診日がずれた場合は、いつから、どんな状態で出勤できなかったのかをそのまま医師に伝えてください。あとから依頼するときの流れは、あとから診断書を依頼する場合の手順を解説したコラムも参考になります。

医師への伝え方:そのまま使える例文

「診断書をください」と切り出すのが申し訳なく感じる、という声はよく聞かれます。しかし診断書の依頼は、患者としての正当な相談です。遠慮して用途を伝えないままだと、必要な内容が書かれない診断書になり、結果的に二度手間になります。ここでは、そのまま使える言い方をまとめます。

症状と業務への影響を伝える例文

伝えるコツは、「つらい」という主観だけでなく、頻度・期間・具体的な支障を事実として添えることです。

「2ヶ月ほど前から寝つけない日が続いていて、今は毎朝4時ごろに目が覚めてしまいます。日中も集中できず、先月は遅刻が3回、これまでしなかった入力ミスが続いています。出勤前に涙が出たり、動悸がしたりする日もあります。」

「最近しんどくて、仕事がきついです」よりも、「3週間前から朝起き上がれず、今月は3日欠勤しました」のほうが、医師は状態を具体的に評価でき、診断書にも業務への支障として反映しやすくなります。

診断書を依頼するときの例文

「会社に休職を相談したいと考えています。就業規則で診断書の提出が必要とのことでしたので、療養が必要である旨の診断書を書いていただくことは可能でしょうか。」

用途(休職)と提出先(勤務先)を一緒に伝えるのがポイントです。医師は用途に応じて記載内容を組み立てるため、「何に使うか」が分かるだけで書類の精度が上がります。

指定様式・提出期限を伝える例文

「会社の指定様式がありますので、こちらにご記入をお願いできますでしょうか。人事から今週金曜日までに提出するよう言われています。間に合いそうか、難しければどのくらいかかるかを教えていただけますか。」

期限は、遅れそうな場合の相談を早めるためにも必ず共有してください。間に合わないと分かった時点で会社に連絡しておけば、トラブルになりにくくなります。

病名の記載が不安なときの例文

「診断書の提出先が直属の上司になるため、病名の記載に不安があります。差し支えなければ、記載の仕方についてご相談できますでしょうか。」

医師は、その様式で求められている内容と記載できる範囲を踏まえて説明します。希望どおりにならないこともありますが、不安を伝えておくこと自体に意味があります。

療養期間について相談するときの例文

「引き継ぎに1週間ほどかかりそうなのですが、療養の開始日はいつからにするのがよいでしょうか。」

「1ヶ月で復帰できる自信がありません。期間が足りなかった場合は、どうすればよいですか。」

療養の開始日は、実際に休み始める日と合わせておくと会社の手続きがスムーズです。ただし、引き継ぎのために無理をして体調を崩す例もあります。負担が大きいと感じるなら、それ自体を医師に伝えてください。

会社への提出:提出先・方法・期限の実務

診断書は会社に届いて初めて休職の手続きが動き出します。渡し方があいまいだと「受け取っていない」という行き違いが起こることもあるため、実務の要点を押さえておきましょう。

提出先は誰にすればよい?

一般的には、直属の上司を通して人事・総務へ、という流れをとる会社が多くみられます。産業医や保健師が選任されている会社では、産業保健スタッフが窓口になることもあります。就業規則に提出先が明記されていればそれに従ってください。

上司との関係が提出しづらい原因になっている場合は、人事へ直接連絡しても問題ありません。「体調のことなので、人事のご担当者に直接ご相談させていただけますか」と伝えれば、対応してもらえるのが通常です。ハラスメントが背景にある場合はとくに、上司を経由しない導線を確保しておくことが大切です。

原本かコピーか、郵送やデータ提出はできるか

原本の提出を求める会社が多いものの、体調的に出社が難しいときは郵送や先行したデータ送付を認めてもらえることもあります。次の点を確認・実行しておくと確実です。

  • 原本が必要か、コピーやPDFで足りるか
  • 郵送する場合は、追跡できる方法(簡易書留・レターパックなど)を使う
  • 手元にコピーまたはスマートフォンでの撮影を必ず残す
  • 誰宛に、どの住所へ送るかを確認する

手元の控えは、療養期間や記載内容をあとから確認するときや、傷病手当金・自立支援医療の手続きで内容を参照するときに役立ちます。原本を渡す前に必ず控えを取ってください。

> 「体調的に出社が難しいため、診断書は郵送でお送りしてもよろしいでしょうか。取り急ぎ、本日PDFをメールでお送りします。」

提出の期限と、休み始めた日とのズレ

提出期限は会社によって異なり、「休職開始日までに」「診断書発行後すみやかに」といった運用が一般的ですが、就業規則に明記されている場合もあります。発行に日数がかかりそうなときは、その時点で会社に連絡し、見込みを共有しておきましょう。

休み始めた日と診断書の療養開始日がずれている場合は、その間の欠勤をどう扱うか(有給休暇を充てるか、欠勤とするか)を会社に確認します。有給休暇が残っていれば、休職に入る前にそちらを充てられる会社もあります。

診断書に書かれた健康情報の取り扱い

診断書に記載された病歴などの情報は、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」にあたり、取得や取り扱いに配慮が求められます。また労働安全衛生法にもとづく指針では、事業者は労働者の心身の状態に関する情報を、利用目的の達成に必要な範囲で取り扱い、適正に管理することが求められています。実務上も、健康情報を閲覧できる範囲は人事担当者や産業保健スタッフなどに限られるのが通常です。共有範囲や休職中の連絡について希望があれば、提出時に伝えておくとよいでしょう。

> 「診断書の内容は、人事のご担当者と直属の上司までにとどめていただけますと助かります。業務のご連絡は控えていただき、月に一度、体調の報告をメールでお送りします。」

休職期間の延長と、復職時に必要な診断書

診断書が必要になるのは休職の入口だけではありません。途中(延長)と出口(復職)でも書類が必要になります。場面ごとに整理しておきます。

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場面 必要になる書類 依頼の目安 ポイント
休職の開始 療養を要する旨の診断書 休職を相談する時点 用途・提出先・期限を医師に伝える
休職期間の延長 延長分(継続療養)の診断書 期間終了の2週間前ごろ 書類の空白期間を作らない
傷病手当金の申請 支給申請書の療養担当者記入欄(意見書) 申請する期間ごと 診断書とは別物。健康保険の対象
復職 「復職可能」の旨の診断書 復職希望日の1ヶ月前ごろ 就業上の配慮も記載してもらえる
自立支援医療の申請 指定様式の診断書 通院が続きそうなとき 通院医療費の自己負担が原則1割に軽減される制度

期間を延ばすときは、切れる前に再診を

療養期間が終わる前に受診し、継続が必要であれば延長分の診断書を出してもらいます。気をつけたいのは、期間が切れてから受診すると書類の空白期間が生じることです。空白があると、傷病手当金の申請で「その期間はどうしていたのか」の説明が必要になったり、会社の手続きが止まったりする場合があります。目安として、療養期間の終了2週間前には次の受診を予約しておくと余裕をもって進められます。前回の診察のときに次回の予定まで決めておくと確実です。

復職時の「復職可能」の診断書

復職の際には、「復職可能」という主治医の判断を示す診断書の提出を就業規則で定めている会社が多くあります。厚生労働省が示している職場復帰支援の考え方でも、休業中のケアに続く段階として、主治医による職場復帰可能の判断が位置づけられています。

実務では「◯月◯日より就労可能と判断する」といった記載に加え、「当初1ヶ月は時間外労働を避けることが望ましい」など、就業上の配慮に関する意見を書いてもらえる場合があります。復職後の働き方に希望があるなら、診察の場で具体的に相談しておくと、復帰後のミスマッチを減らせます。なお、最終的な復職の可否は、主治医の意見を踏まえたうえで産業医面談や会社の判断を経て決まるのが一般的です。

主治医の診断書と産業医の意見が食い違うとき

主治医は日常生活を送れる状態まで回復しているかを中心に判断し、産業医は実際の業務内容・勤務時間・通勤の負担・職場環境に照らして就業できるかを判断します。見ている範囲が違うため、結論がずれることがあります。

ずれたときに有効なのは、主治医に職場の具体的な情報を伝えることです。勤務時間、通勤時間、業務量、対人業務の多さ、繁忙期の有無などを共有すると、より実態に即した意見を書いてもらいやすくなります。会社側にも、産業医面談で懸念点を具体的に示してもらうよう依頼すると、調整が進みます。

診断書をめぐるよくあるトラブルと対処法

「診断書を出したのに事態が進まない」という相談は少なくありません。多くは、診断書の役割と会社の意思決定の仕組みが噛み合っていないことから生じます。代表的なケースと対処法を整理します。

診断書を出したのに休ませてもらえない

前提として、診断書は医学的な判断を示す書類であり、休職を決定するのは会社です。そのため、提出しただけでは動かないことがあります。次の順で確認してみてください。

  • 就業規則の休職規定を読み、要件を満たしているかを確かめる
  • 上司のところで止まっていないか、人事・総務へ直接確認する
  • 産業医・産業保健スタッフがいれば、面談を申し込む
  • 診断書の記載が抽象的なら、業務への支障をより具体的に書いてもらえないか主治医に相談する
  • 状況が変わらない場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど、公的な相談窓口を利用する

会社の対応を待つ間も、体調が悪いまま出勤を続けると悪化しやすいとされています。年次有給休暇が残っていれば、結論が出るまでの間に取得して休息を確保する方法もあります。

希望より短い期間で書かれた/もっと長く書いてほしい

療養期間は医学的な判断にもとづくため、希望どおりにならないことがあります。短いと感じた場合は「なぜその期間なのか」を聞いてみてください。多くは経過を見て判断するためであり、必要なら延長できる前提で設定されています。逆に長い期間を先に確保しておきたい気持ちも自然ですが、経過を確認せずに長期の療養を保証することはできません。期間の長さで不安を減らそうとするより、「延長は可能か」「次回はいつ受診すればよいか」を確認するほうが現実的な備えになります。

診断書を書いてもらえなかった

医師が発行しない、または保留にする代表的な理由は2つです。初診では判断材料が足りない場合と、医学的に「療養を要する」とまでは言えないと判断された場合です。診察をした医師は、診断書の交付を求められた場合、正当の事由がなければ拒んではならないと定められています(医師法第19条第2項)。ただし、記載される内容そのものは医師の医学的判断によります。断られた・保留になったときは、次の対応が現実的です。

  • 理由を確認する(判断材料が足りないのか、医学的に該当しないのか)
  • 症状の頻度、欠勤・遅刻の回数、業務への支障を事実として具体的に伝え直す
  • 通院を続けて経過を見てもらう(判断材料不足が理由なら、これが最短の道)
  • どうしても納得できない場合は、別の医療機関で相談する

診断書の提出後に退職を勧められた

休職の申し出をきっかけに退職を勧められ、動揺してしまうことがあります。その場で退職に同意する必要はなく、「体調が落ち着いてから返答します」と保留にしてかまいません。退職届にサインする前に、就業規則の休職規定(残っている期間、復職の条件)と、傷病手当金など利用できる制度を確認してください。症状が強い時期は判断力が普段より低下しやすいとされており、大きな決断の先送りが勧められるのが一般的です。判断に迷うときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど、無料で利用できる公的な窓口に相談できます。

診断書を紛失した/再発行したい

再発行は多くの場合可能ですが、あらためて文書料がかかるのが一般的です。手続きや日数は医療機関によって異なるため、受診先に問い合わせてください。受け取った時点でコピーまたは撮影による控えを残しておくと、こうした事態を避けられます。

受診の目安と、通院時間が取れないときの選択肢

「休職するほどではないかもしれない」と迷っているうちに、症状が長引いてしまう方もいます。次のような状態が続いているときは、心療内科・精神科への相談を検討する目安とされています。

  • 気分の落ち込み・不安・不眠が2週間以上続いている
  • 朝起き上がれない、出勤前に涙が出る、動悸や吐き気がする
  • 遅刻や欠勤が増え、これまでしなかったミスを繰り返している
  • 食欲がない、体重が減った、強い倦怠感が抜けない
  • 休日に休んでも、回復した感じがしない
  • 「消えてしまいたい」と感じる瞬間がある

死にたい気持ちが強いとき、自分を傷つけたくなったときは、ひとりで抱え込まず、すぐに相談してください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)や、#いのちSOS(0120-061-338)などの公的な相談窓口が利用できます。緊急のときは、119番や救急外来という選択肢もあります。

自分の状態を整理してから受診したいとき

「病院に行くほどなのか分からない」という段階では、セルフチェックで状態を客観視する方法があります。ストレスの原因がはっきりしている場合は適応障害セルフチェックが目安になり、ほかの症状が気になる場合は症状別のセルフチェック一覧から選べます。ただしセルフチェックは受診を検討するための目安であり、診断は対面でもオンラインでも医師の診察によって行われます。結果が軽く出ても、つらさが続いているなら受診をためらう必要はありません。

日中に通院の時間が取れない場合

「平日の日中は会社を抜けられない」「待合室で知り合いに会いたくない」という理由で受診を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。休職を相談したい状況では、なおさら通院のハードルが上がります。

オンライン診療に対応した医療機関であれば、自宅からスマートフォンで受診できます。オンライン心療内科・精神科のメントアは、保険適用のオンライン診療を18時〜24時・365日実施しており、当日予約にも対応しています。予約から診察までLINEで完結し、診断書最短即日発行・郵送での受け取りに対応しています。お薬が処方された場合は最短即日発送です。ただし、オンラインでも発行を判断するのは医師です。症状や経過によっては、継続的な診察が必要になる場合や、対面での受診を提案される場合があります。

よくある質問

休職の診断書はどうやってもらえますか?

心療内科・精神科を受診し、症状と業務への支障を医師に伝えたうえで、休職に使う旨を伝えて依頼します。医師が療養を要すると判断すれば発行されます。会社の指定様式がある場合は、診察のときに渡してください。発行までの日数は書式や医療機関によって異なるため、提出期限も併せて伝えておくと確実です。

診断書はもらったその日に会社へ提出しないといけませんか?

提出期限は会社によって異なりますが、受け取ったらすみやかに提出するのが一般的です。体調的に出社が難しい場合は、郵送や先行してPDFを送る方法を相談できます。発行に日数がかかりそうなときは、その時点で会社へ見込みを連絡しておくと、行き違いを防げます。

休職の診断書の療養期間は、どれくらいで書かれますか?

初回は1ヶ月前後で区切られることが多いとされています。心の不調は回復のペースに個人差が大きく、経過を診ながら判断する必要があるためです。期間が足りない場合は、終了前に再診して延長分の診断書を出してもらえます。なお、診断書の療養期間と、会社が決める休職期間は別のものです。

会社に病名を知られたくないのですが、必ず病名は書かれますか?

診断名そのものではなく、「抑うつ状態」などの状態像で記載される場合もあります。ただし記載内容を決めるのは医師で、会社の指定様式に診断名欄がある場合などは、状態像だけでは足りないこともあります。まずは診察で「病名の記載が不安です」と率直に伝えてください。提出後の情報は要配慮個人情報として、適正に取り扱われることが求められています。

診断書を提出したのに、会社が休職を認めてくれません。

診断書は医学的な判断を示す書類で、休職を決定するのは会社です。まず就業規則の休職規定を確認し、上司で止まっていないか人事へ直接確認してください。産業医がいれば面談を申し込む方法もあります。状況が変わらない場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど、公的な相談窓口を利用できます。

休職期間を延ばすとき、もう一度診断書は必要ですか?

必要になるのが一般的です。療養期間が終わる前に受診し、継続が必要と判断されれば延長分の診断書が発行されます。期間が切れてから受診すると書類の空白期間が生じ、傷病手当金の申請や会社の手続きで説明が必要になることがあります。終了の2週間前ごろに次の受診を予約しておくと確実です。

復職するときにも診断書は必要ですか?

「復職可能」という主治医の判断を示す診断書の提出を、就業規則で定めている会社が多くあります。復職後の働き方について、時間外労働を避けるなどの配慮に関する意見を書いてもらえる場合もあります。最終的な復職の可否は、主治医の意見に加えて産業医面談や会社の判断を経て決まるのが一般的です。

オンライン診療でも休職の診断書はもらえますか?

医師が診察のうえで必要と判断すれば発行され、郵送で受け取るのが一般的です。メントアでは、保険適用のオンライン診療で診断書最短即日発行・郵送での受け取りに対応しています。ただし発行の可否は医師の判断によるため、症状や経過によっては継続受診や対面受診を提案される場合があります。会社の指定様式がある場合は、事前に送付方法を確認しておくとスムーズです。

休職の診断書にかかる費用はいくらくらいですか?

診断書の発行費用(文書料)は治療そのものではないため、健康保険の対象外(自費)となるのが原則で、金額は医療機関ごとに設定されています。一方、傷病手当金の申請書に医師が記入する意見書は健康保険の対象になります。費用の目安や内訳は、診断書の費用と発行までの日数をまとめたコラムで解説しています。

まとめ

  • 休職の診断書は、心療内科・精神科の診察で医師が療養を要すると判断した場合に発行され、会社への提出で休職の手続きが始まります
  • 休職は法律の制度ではなく就業規則で運用されるため、受診の前に「指定様式・提出先・提出方法・期限」を会社へ確認しておくと二度手間を防げます
  • 診断書の中心は「病名(または状態像)」「療養が必要であること」「その期間」の3点で、初回の療養期間は1ヶ月前後で区切られることが多いとされています
  • 期間の延長時と復職時にも診断書が必要になるため、期間が切れる2週間前ごろの再診を目安にしてください
  • 「提出したのに休ませてもらえない」場合は、就業規則の確認、人事への直接連絡、産業医面談、公的な相談窓口という順に手を打てます

診断書のことを調べている今この時点で、あなたはすでに自分の状態と向き合い、動き出しています。手続きの全体像さえ分かれば、あとは一つずつ進めるだけです。まずは診察で、いまの状態をそのまま話すところから始めてみてください。

出典・参考文献

つらい症状が続くときは、ひとりで抱え込まずご相談ください。メントアは保険適用のオンライン心療内科・精神科です(18時〜24時・365日、当日予約可)。

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FAQ

心療内科・精神科に関する
よくある質問

仕事帰りでも受診できますか?夜間診療の有無を知りたいです。

クリニックによっては、お仕事をお持ちの方でも通いやすいよう夜間外来を設けている場合があります。当日の最終受付時間や診療曜日は、各院の案内をご確認ください。

今日すぐに診てもらいたいのですが、当日でも受診できますか?

多くのメンタルクリニックは予約制ですが、症状の急変など緊急を要する場合は、当日枠で対応可能なケースもあります。まずは電話やWebサイト等で現在の空き状況を問い合わせるのが確実です。

女性の先生に診察をお願いすることは可能でしょうか?

はい、女性医師が在籍しているクリニックでは、指名や担当日の選択が可能です。公式ホームページの医師紹介欄を確認するか、予約時に「女医を希望」と伝えておくとスムーズです。

漢方薬による治療は受けられますか?

西洋薬だけでなく、体質や症状に合わせた漢方薬を処方しているクリニックも多くあります。「なるべく自然な薬を使いたい」などのご希望があれば、診察時に医師へご相談ください。

診察にかかる費用が気になります。保険は使えますか?

基本的に健康保険が適用されるため、自己負担3割程度で受診いただけます。初診料や処方箋の有無で前後しますが、一般的な目安として数千円程度(4,000円〜6,000円前後)を見ておくと安心です。

診断書を書いてもらうことはできますか?

基本的には、医師が必要と判断した場合、職場や学校に提出するための診断書を発行してくれます。予約時や診察中に「診断書希望」と伝えておくとスムーズです。

初めての受診で、うまく話せるか不安です。準備は必要ですか?

全てを完璧に話そうとしなくても大丈夫です。「いつから」「どのような症状で困っているか」を簡単で良いのでメモしてお持ちいただくと、伝え漏れがなくなり、診察がよりスムーズに進むでしょう。

当日受診できてお薬や診断書も最短即日対応。オンライン心療内科「メントア」

オンライン心療内科 メントアオンライン診療なら当日予約も可能!

「mentoa(メントア)オンライン心療内科」は、忙しくて通院の時間が取れない方や、外出がつらい方でも安心の、自宅からスマホで診療を受けられるオンラインクリニックです。メントアには次のような特徴があります。

選ばれる5つの理由

LINEで
完結
する
手軽さ

当日受診
即日処方
が可能

保険診療で

通院と
同じ負担

プライバシー
配慮
で安心

老舗カウン
セリング

と提携

申し込みする女性のイメージ
POINT01

LINEで完結する手軽さ

予約から相談、オンライン診療、薬の受け取りまで、すべてLINE上で完結。通院の必要がなく、忙しい方でも続けやすい仕組みです。

医師が薬を選んでいるイメージ
POINT02

当日受診・即日処方可能

24時間受付、当日相談可能。つらい時にすぐ相談でき、必要に応じて即日で医師により診断書発行も対応します。

電卓とノートの画像
POINT03

保険診療だから通院時と同じ負担

初診5,400円前後、再診2,900円前後(保険適用時)。保険適用のため、安心して受診いただけます。

ポストを開けて荷物を受け取る女性
POINT04

プライバシー配慮で安心

お薬の発送元はクリニックだとわからない表記に。周りに知られる心配がなく、安心してご相談いただけます。

カウンセラーが電話カウンセリングしているイメージ
POINT05

カウンセリング実績40万件超のサービスと提携

40万件以上の相談実績を持つ電話カウンセリングサービス「エキサイトお悩み相談室」と提携。お薬の服用に抵抗がある方は、まずこちらでお話しするのもおすすめです。